大型スーパースポーツの
主流は4気筒1リッターに
90年代の大排気量4気筒スーパースポーツは、92年型で誕生したホンダのCBR900RR、80年代後半から続くヤマハのFZR1000や96年型YZF1000R、80年代に誕生したスズキGSX-R1100、94年デビューのカワサキZX-9Rと、900CCから1100CCまでが混在している。しかし00年代になると『4気筒スーパースポーツの頂点=1000CC』という構図ができあがる。
この土台を作ったのが、ヤマハの98年型YZF-R1。当時のGPマシンに限りなく近い車体バランスを実現するため、コンパクトなエンジンを開発。これによりロングスイングアーム化を実現し、150馬力の最高出力と177sの乾燥重量で、多くの熱狂的なファンを生みだした。
01年には、それにスズキが追従する。以前のGSX-R1100はマッスル系。しかし新規投入されたGSXR1000は、レースでの勝利を目指した00年型750をベースに、車重とサイズをほぼそのままに1000CC(実際には988CC)化するという、大胆な手法によって生まれた。最高出力は164馬力で乾燥重量は170s。他を圧倒する性能だった。
この頃から、4気筒750CCと2気筒1000CCで競われていたスーパーバイクレースにも変革の波が訪れた。市販車をベースとするこのクラス。しかし世界的に見れば、ナナハンは公道用としてマイナーで、各社はレースのためだけにベース車を生産するような状態。また、当時は2気筒1000CCが圧倒的優位性を誇っていた。そこで、それなら4気筒マシンも1000CCをベースに……となったわけだ。
そして日本では03年から、JSB1000が最高峰クラスの位置づけとなり、世界選手権も翌年には1000CC化。これに対応するため04年には、CBRやZXも1000CCフルスケールエンジンを搭載したCBR1000RRやZX-10Rに刷新されたのだ。