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ストリート・ファイターがジャンルとして定着し始めたのが00年代前半である。 格好いいけれど、ちょっとお下劣な感じのバイク、言ってみればストリート・ファイターっていうのはそんなマシンだった。バイクに限らずストリート系のムーブメントっていうヤツはどれも同じような扱いを受ける。ところがブルターレが登場した途端、流れが変わってしまった。今までこの手のマシンにまったく興味を持っていなかった人達が振り向いたのである。イタリアの伯爵が作ったMVアグスタというブランドとイタリアンデザインの魔力、っていうヤツだろう。しかも走りが素晴らしかった。最初は短いホイールベースで手強いのかと思いきや見事に調律されていた。街でも走りやすいし峠も不安なく攻められる。車体、サス、エンジンの完成度が高いだけでなく、マシンがライダーの感性に訴えてくるから飛ばすと本当に気持ちがいい。750と910があって、個人的には910の危険なくらいパワーが出ている雰囲気が好み。けれど750に味があるという人も少なくない。
![]() 峠をGSR600で走っちゃいかんと思う。気がついたらとんでもないペースになってしまっている。他のマシンに乗り換えたくなくなるくらいに楽しいのである。GSX-R600のカウルを取り払うだけじゃなく、どうすればそのポテンシャルを峠で炸裂させられるかを考えてできたようなマシンだからそれも当然。スーパースポーツだったらそれなりの技術が必要なんだけれど、コイツは極めつけに乗りやすいから、誰が乗っても一瞬で過去体験したことがない禁断ゾーンに到達してしまう。400は排気量が小さい分、高回転をキープする必要があるけれど、過激なコーナーリング性能は600とまったく同じ。ストリート・ファイターというよりはワインディングファイターである。
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