小中排気量車が中心となりそうな気配
今年のスクーターは、原付二種と250ccクラスが話題の中心となりそうだ。
とくに、原付二種クラスのスクーターに関しては、機動力の高さとランニングコストの低さから、最近になってシティコミューターとしての価値を見直すユーザーが増えてきている。
そんなマーケットの動きに呼応するかのように、昨年夏、ヤマハから新機種のアクシストリートが、スズキからは、今年1月にスタンダード仕様のアドレスV125が、それぞれ発売。廉価で、日常の足として気軽に使えるモデルとして、注目が集まっている。
また、この2社の動きを、ホンダが静観しているとは思えない。場合によっては、PCX以外にも、ニューモデル投入の可能性があるかもしれない!?
スズキ アドレス V125
◆発売済み◆
エンジン形式:空冷単気筒SOHC2バルブ
排気量:124cc
最高出力:7.3kW(9.9ps)/7500rpm
販売価格:23万6250円
08年にラインアップ落ちとなった、アドレスV125の標準仕様で、今年1月にリヤキャリヤとフロントインナーラックの新採用を受けつつ復活した。前後10インチホイールを履いたコンパクトな車体とインジェクション仕様の4ストエンジンを組み合わせる。
ホンダ PCX
◆2010年3月発売!?◆
エンジン形式:水冷単気筒SOHC2バルブ
排気量:124.9cc
最高出力:8.33kW(11ps)/8000rpm
予想販売価格:34万円前後
昨年11月にタイホンダで生産が開始された世界戦略車で、アセアン地域はもちろんのこと、欧州や北米でも正規販売される予定。前後14インチホイールや、前後連動ブレーキ、クランク端の発電機がセルモーターを兼ねるACGスターター、アイドリングストップ機構などを採用している。
ホンダ フェイズ TYPE S
◆発売済み◆
エンジン形式:水冷単気筒OHC4バルブ
排気量:248cc
最高出力:17kW(23ps)/7500rpm
販売価格:63万5250円
昨年11月に追加された、フェイズの上級バージョン。変速機に電子制御CVTのホンダSマチックエボを専用装備。変速は、無段階のDモード、1〜7速が自動変速されるAモード、Aモードよりも高回転をキープする傾向のS7モードから選べる。
電動コミューターもスタンバイ
昨年の東京モーターショーでは、電動コミューターや燃料電池二輪車など、近未来へ向けたコミューターの展示も目立った。
このうち、市販化がかなり近い状態と予想できるのが、ヤマハのEC-03と、ホンダのイーブネオ。いずれも、家庭用電源コンセントを使って充電ができる、電動のコミューターだ。
ヤマハは、さまざまな事情により一時は電動コミューターの販売を中止していたが、このモデルにより復活を果たす予定。またホンダは、このモデルでまずは実用におけるノウハウを得て、さらなる電動コミューター開発へとつなげていきたいと考えているようだ。
2機種の販売価格や、海外メーカーの追従も気になるところだ。
ヤマハ EC-03
◆2010年夏以降!?◆
東京モーターショーのプレスカンファレンスで、「10年夏ごろの市販を目指す」と社長が公言したことから、今年後半には市販される可能性が高い。最新の薄型電動パワーユニットと、リチウムイオン電池の組み合わせで、充電器を車両に内蔵したプラグイン方式を採用している。
ホンダ イーブ・ネオ
◆今年度中発売!?◆
大きなリヤデッキを備え、荷物の積載性が高められた電動ビジネスモデル。郵便や新聞の配達など、タフな業務使用も視野に入れた設計。充電器は、家庭用の大型急速充電器のほか、シート下に収まる携帯用もある。