ミドルクラス唯一の3気筒車、デイトナ675がデビューしたのは06年。その後、基本を共用するストリートトリプル/Rへと発展してきた675ブラザーズだが、今回、登場から3年を経たデイトナが大きく改良された。
その背景には、デイトナが期待以上?にサーキット性能が高く、昨年から世界選手権に参戦を開始したこと。ネイキッド版の登場によって、ストリート指向のユーザーをカバーできるようになったこともあろう。
そのためニューデイトナは、サーキット性能が高められ、タイヤもディアブロ・スーパーコルサSPが標準で、すごくレーシーだ。
高出力化されたエンジンは、中高速からの伸び感が良く、モノブロック式のフロントキャリパーは、効きもコントロール性も最高。圧側減衰力調整が高低速の2系統式となったサスは、完璧に姿勢変化を制御、接地感を高めている。それでも、中速トルクがさらに豊かになり、公道でも一層楽しみやすくなっている。
エンジンはシリンダヘッドを新設計、油圧式カムチェーンテンショナーを新採用して、コンロッドやクランク、ミッションにも改良が及ぶ。
従来型と同じくブレーキマスターシリンダーはニッシンのラジアルポンプ式で、レバーは6段階調整式。キャリパーはモノブロック式になった。
回転計とパネルを一体化した計器盤、アッパーブラケットは従来型から引き継がれるが、イグニッションキーがニューデザインとなった。
リヤホイールとスプロケットの形状変更によって950gの軽量化と20%の慣性モーモント低減を実現。スイングアームは3兄弟共通だ。
キャリパーはニッシン製ラジアルマウント・モノブロック式。フォークボトム部には高低速2系統式の圧減衰調整ネジが設けられる。