1198/Sは、2年前に登場の1098/Sの後継型だ。
88年の851に端を発するドゥカのスーパーバイクは、標準型よりも排気量の大きいホモロゲマシンが登場すると、次にその排気量通りのネーミングのモデルに発展する進化を繰り返してきた。
851は排気量通りのネーミングだったが、90年のホモロゲマシン851SP2は888ccだった
し、93年のコルサ888は926cc。98年型916SPSは996cc、01年の996Rは998ccで、02年型998Rは999ccだった。そして08年型1098Rが1198ccで、その排気量を引き継いだのが、この1198だ。
でも、1198は単なるレーシングレプリカではない。前例がそうであったように、排気量を引き継いでも、1098より乗りやすくワイドレンジに進化している。何しろ、エンジンは完全新設計で、電子制御などにワークスマシンの技術が投入されている。
レスポンスの唐突さはなく、トルクカーブもスムーズで、怒涛のトルクもじつに扱いやすい。まさに最速の市販車であった。
Fフォークは、1198ではインナーチューブに酸化チタニウム処理されたショーワ製、Sは窒化チタニウム処理されたオーリンズ製。
メーターは1098から引き継がれ、回転計はバーコード式、速度はデジタル表示される。1198Sではトラコンの制御設定パネルともなる。
ボア・ストロークが1098Rと同じエンジンは、吸排気バルブをそれよりも小径化、クランクケースも3kgも軽いなど完全新設計である。
容量15.5Lの燃料タンクは1098/Sから引き継がれる。見た目はファットでも、ニーグリップ部はスリムで体重移動しやすい。
前後ホイールは、1198が新デザインの10本スポークアルミ鋳造製、1198Sは7本スポークのアルミ鍛造製。スイングアームは片持ちだ。
1098では前後サスがショーワ製だが、1198Sではオーリンズ製となる。両バージョンとも車高調整も可能である。