豪華なパーツが付き、大改造されているのがカスタムマシンなのか?
否、「カスタム」とは自分仕様を造り、自分とマシンの距離を縮める作業
自分だけの1台に仕上げて、より深く愛車を理解しよう
そんなカスタムマシンを一挙紹介
愛車のカスタムの参考に役立てて欲しい
文:淺倉恵介 写真:東 広幸、淺倉恵介
カスタムの"定番"に捕われたくない 自分の思うとおりのカタチを造り上げよう
バイクカスタムの楽しみは、なにより自分の好みのバイクを自由に仕上げられること。
たとえば、下の写真の2台。見てのとおり、どちらもニンジャことGPZ900Rのカスタムマシンだが、その内容は大きく異なる。
左下のマシンはさまざまな手を加え、性能アップが図られているが、あくまでノーマルベースに造られている。対する右下のマシンの最大のポイントは、エンジンがZRX1200のものにまるごと載せ替えられていることだ。
ニンジャとZRXが、もともとエンジンの基本を同じくするバイクだからこそ可能なカスタムだが、単純にボルトオンパーツのように載せ替えられるわけではない。
このように一見似てはいても、その内容や思想がそれぞれ異なっているのがカスタムバイクの個性であり、面白いところ。見て、感じてカスタムの世界に飛び込もう。
カワサキ ゼファー1100
絶版車に仲間入りしたゼファー1100/750
けれど、カスタムの世界では大注目株
惜しまれつつ昨年をもって生産を終了したゼファー1100と750だが、その後も人気はとどまることを知らない。
生産終了時の駆け込み需要は、人気モデルであれば、よくある話だが、ゼファーに関しては異常というほど人気が加熱した。
また、絶版モデルでありながら、新たにカスタムパーツのリリースが行われるなど、カスタムバイクの世界においても注目の1台。
ゼファーの魅力は、なんと言っても、そのオートバイらしいスタイリング。細かく並んだ冷却フィンの、空冷エンジンならではの美しさや、どこか懐かしいオーソドックスかつ流麗なフォルムが、その人気の秘密だろう。
1100は92年から、750は90年から造られていたゼファー。初期型はそれなりに年数が経っている。カスタムベースとして新たに購入するなら、熟成の進んだ高年式のモデルを選びたい。
シリーズ中もっともZらしい750ならではのカスタム
丸みを帯びたシリンダーヘッドカバーや、カムカバーがZ1やZ2といった偉大な名車を思わせるゼファー750。そのエンジン形状を生かしたこのマシンは、見てのとおりゼファー750ベースのZ仕様。ドレミコレクション製のレプリカ外装キットと4本出しマフラーの装着で、見事にZらしさを演出している。旧車の雰囲気を再現しながら、性能や信頼性は現代レベルという、イイトコ取りカスタムなのだ。

ゼファーカスタムのキモ
2台のゼファーを製作したテクノオート代表の高橋さんに、カスタムゼファーについて聞いてみた。「ゼファーは、もともとバランスの良いバイク。けれど間違ったカスタムを施すと、そのバランスが崩れます。たとえば、18インチの1100フロントホイールを、17インチ化するとします。単純にホイールだけ換えると直進安定性が悪化しますから、車体のディメンジョンの見直しまで必要になります。カスタムも、安全面を第一に考えて改造してほしいですね」。
テクノオートサービス代表 高橋暁彦氏