2025/01/11 19:27:10 更新【スクータータイヤ交換】ヤマハVino エンジンオイル交換&タイヤ交換ヤマハ ビーノ
エンジンオイルとリアタイヤの交換でヤマハの原付スクーターVinoにご入庫いただきました。

エンジンオイルをスムーズに抜くためにはエンジンを温めておく必要があります。 オイルの温度が低いとオイルが固く(粘りがあり)奇麗に抜けてくれないためです。 ご近所のショップでオイル交換される方は少し遠回りして、可能であれば15分程走行してからショップに向かいましょう。

エンジンオイルの交換は原付スクーターの場合、1500〜2000キロを推奨します。 メーカーの指定交換距離は最低限のものだと思ってください。 長く乗り続けるためには早めの交換が必要です。 あまり乗らない方でも熱が加えられたオイルは劣化しますので半年毎に交換しましょう。 小排気量エンジンのオートバイはエンジンパワーを絞り出すために常時高回転で動いています。 市街地走行の場合、普通乗用車に比べて常用回転域は3倍以上になります。 しかしながらそのエンジンを潤滑するためのエンジンオイルはわずか700cc程度。 自動車の1/5にも満たないのです。 しかも小排気量のオートバイはオイルフィルターを装備しません。 自動車用オイルに比べてより強い油膜を形成できる高性能なオイルを早いサイクルで交換する必要があります。 原付だからこそ高性能なオイルを使いましょう。 決して自動車用オイルを使わないでください。

エンジンオイル交換時にはドレンワッシャーも適宜交換します。 オイル漏れ防止のための部品で消耗品です。 また、このドレンボルトもトルクレンチを使い、正しい締付トルクで管理してください。

オイル交換後にリアタイヤ交換を行います。 リアに荷重がかかり、更に駆動輪であるスクーターの後輪は前輪に比べて早く摩耗します。 オーナーの乗りかたによりますが概ねリアタイヤ2〜3回の交換に対し、前輪は1回の交換といった割合になりますが、あくまでもタイヤは適宜点検して摩耗状況によって交換時期を判断してください。

まだ溝が残っているように見えますが、中心部分の溝の一部が無くなっている箇所があります。 スリップサインという部分で、一部だけ溝が浅くなっています。 この部分の溝が無くなったら要交換です。 このまま乗ると滑りやすく危険ですし、ちょっとした異物でパンクもしやすく、またタイヤのゴム自体が薄くなっている為パンク修理ができません。 定期点検でトラブルを防止しましょう。

スクーターのリアタイヤ交換はマフラーを外す必要があります。 マフラーには触媒が装備されており、走行直後は高温になっています。 先にオイル交換をしてマフラーが冷えた頃にタイヤ交換開始です。

タイヤ交換のご依頼だからと言ってタイヤ交換だけで済ませるわけにはいきません。 後輪ホイールを車体から外した時でなければ目視できないブレーキ部も点検し、必要に応じて清掃・グリスアップ・交換を行います。 今回は洗浄とカム部のグリスアップだけでOKですが、次回タイヤ交換時にはブレーキシューも同時に交換した方が良さそうです。

外したタイヤを新しいタイヤと並べて比較してみると、単に摩耗しているだけでなく形状も変化していることがわかります。 この編摩耗だと路面と接触する面積が場面ごとにことなり、かなり操安性が悪化していたはずです。 いつも乗っているオーナーは徐々に摩耗していくタイヤに慣れてしまい、その操安性の悪化に気づかれない方がほとんどです。 しかしながら新しいタイヤに交換すると一気に乗りやすく変化し、その違いに気づかれます。

タイヤは近年シェアを伸ばしているTIMSUN たいへん品質が良く、しっかりと生産管理がされると中国製造でもここまで良いタイヤがつくれるのだと驚くクオリティです。 オートバイ用タイヤメーカーとしては世界で4社目のJIS規格取得メーカーです。

タイヤ交換時には空気を入れる箇所、エアバルブも交換します。 一般的に使われるスナップインバルブは根元がゴムです。 比較的安価ですし、振動を吸収してくれるのでバルブ破損も防げます。 ただしゴム部は紫外線などの影響で劣化します。 経年劣化で硬化するのです。 硬化したバルブに空気入れをあてがうと…ポキッと折れてしまうことがあります。 チューブレスタイヤは釘などの異物がささっても、その異物を抜き取らなければいきなり空気は抜けることは無く、また空気が抜けても空気を補充すればしばらくは走行可能です。 しかしバルブが折れた時は瞬時に空気が抜けてしまいます。 空気を入れても、入れてるそばから抜けていきます。 つまり走行不能になります。 これは大変困りますよね。

しかもこのバルブの交換のためにはホイールからタイヤを外す必要があります。 つまりタイヤ交換と同じ手間がかかり、それは工賃という形での出費となります。 これはお財布に優しくありません。 従ってタイヤ交換時にはスナップインエアバルブも同時に交換しましょう。 ちなみにこちらの車両にはL字型のバルブを使用します。 このバルブに空気を入れる際は力を加えると折れやすいので、指などを添えてあげる必要があります。 しかし、特にホイールサイズが小径のオートバイの場合、ガソリンスタンドなどにある空気入れが使えないことがあります。 L字型だと使えない空気入れはないと思いますので、空気圧管理には適しています。 現在ストレート型のバルブが装備されていて、空気圧点検の度に苦労している方はL字型に変更することをおすすめします。

新しいバルブを装着し、新品のタイヤをホイールに組んで車体に装着。 マフラーをもとに戻せば作業完了です。 この度はご用命いただき、誠にありがとうございました!
