2024/10/01 19:50:17 更新【スクーターオイル交換】スズキ アドレスV50 エンジンオイル交換スズキ アドレスV50
お仕事で使われているスズキの原付スクーター アドレスV50にオイル交換でご入庫いただきました。 たくさん(走行距離多めに)走っているスクーターですが、近距離短時間の移動が多い車両でオイルにとっては「シビアコンディション」と言われる状況にあります。 排気量が小さいとエンジン自体の発熱量が少なく、1度の走行時間が15分程度でなければしっかりとエンジンが暖まってくれません。 10分以内にエンジンを停止する乗りかたをすると、エンジン内部やマフラーに結露が発生します。

しっかり暖まっていればエンジン内部に取り込まれた空気(ガソリンと混じって混合気としてエンジン内部に入ります)の水分は瞬時に蒸発します。 そうです。 空気中の水分が蒸発せずに冬場はそのままエンジンの外が冷え、暖かいエンジン内部との気温差で結露が発生するのです。 これらの水分はエンジン内部のカーボン(スス)と結合し、カーボン(スス)が炭の用の固着します。 この固着したカーボンはエンジン内部ならバルブに噛みこんでしまい、エンジンの圧縮比を低下させて時にはエンジンを停止させてしまいます。 マフラー内部ならマフラーを詰まらせます。

マフラー内部は錆も困りますね。 エンジン内部だって錆びます。 また、この結露はエンジンオイルに混じってオイルを希釈してしまいます。 高速で動くエンジンで金属同士の摺動面に油膜を形成するエンジンオイル。 そこに水分が混入すれば皮膜の形成力は低下しエンジンにダメージを与えます。 こちらの車両ですが、オイルのレベルゲージにクリームのようなものが付着していました。

これはエンジンオイルに水分が混入し、それが乳化したものです。 台所で油の付着したお皿やフライパンに水を張っておくと、油が白く固形化して浮上りますよね? 水分がエンジンオイルに混入すると同じように白く乳化するのです。 近所へのお買い物や最寄り駅までの足代わりに最適な50ccですが、エンジンにとってはその短時間走行は不向きなのです。 だからこそ、あまり乗っていなくても半年に一度はオイル交換をじっししましょう。 常用回転域が自動車の3倍程度の小排気量スクーターはオイルの劣化も早く、オイルフィルターが備わっていないためオイルが汚れやすいのです。 更にオイル容量が少ないという悪条件もあり、オイルにとっては大変過酷な状況にさらされます。

125cc以下の原付車両は1500〜2000キロ以内のオイル交換を強く推奨します。 メーカー指定の3000キロ毎では過走行になった時に不安です。 また、そこまで距離が伸びていなくても半年以内には交換しましょう!