2024/09/20 20:47:00 更新【スクーターオイル交換】スズキレッツ4 エンジンオイル交換スズキ レッツ4
エンジンオイルの定期交換でスズキの原付スクーター レッツ4にご入庫いただきました。

エンジンの排気量は小さいほど常用回転域が高くなります。 小さな排気量でパワーを絞り出すために、普通乗用車の2〜3倍程度多く動きます。 エンジン内部の金属同士が傷まないようにエンジンオイルは油膜を形成します。 普通自動車の2〜3倍で動く金属を油膜切れさせないようにするため、オートバイ用のエンジンオイルは高性能になっています。 オートバイ用を自動車に使うことはできますが、その逆で自動車用をオートバイに使うのは向きませんのでご注意ください。 オイルはエンジン各部を循環し、燃焼時に発生するスス(カーボン)や、摩耗した金属粉等の汚れを吸着しエンジンをクリーンに洗浄します。 自動車やオートバイの多くはフィルターが装備され、オイルはそこでろ過されるのですが125cc以下の原付スクーターはフィルターが無いものが珍しくありません。 更にオイル量も少なく、普通自動車が4000cc以上のオイル容量があるのに対し、原付スクーターは700cc前後です。 こうしたことから小排気量になればなるほどオイルには過酷な状況となり、劣化速度が早くなるのです。

オートバイのオイル交換は3000〜5000キロ毎ですが、125cc以下の原付スクーターは1500〜2000キロ毎の交換が推奨されます。 特にオートマチックで常に高回転が維持されるスクーターは早めの交換が必要。 また、熱を加えられたオイルは徐々に劣化しますので、あまり乗っていなくても半年以内には交換します。 小排気量のオイルは過酷な状況にさらされますが、しいて言えば発熱による劣化は少ないと言えます。 排気量が小さいゆえに発熱量が少なく、オーバーヒートによるオイルの劣化はあまりないのです。 但しこの「発熱量の少なさ」が原因の問題も多いのが原付です。 エンジンは15分程度は走行しないと完全に暖まらないと言われます。 特に冬場は短時間で停止するとエンジン内部やマフラーに結露が発生します。 冬場の朝に住宅街を走る乗用車のマフラーから白い煙が吐き出されるのを見たことがある方の多いのでは? 排気ガスは無色です。 あの白いのは冷たいマフラーやエンジンから熱い排気ガスが排出された時に発生する湯気です。 それだけ内部に水分がたまっているのです。

住宅街を抜け、大通りに到着するころにはエンジンやマフラーの水分は蒸発します。 だから大通りを走る車はこのマフラーからの白い煙…湯気が見られないのです。 原付などの小排気量だと短時間ではここまで熱を持ちません。 15分以内に停止すると結露が発生します。 この水分はエンジン内部はマフラー内で燃焼ガスのカーボン(すす)と結合し固形化します。 本来はカーボンはマフラーから吐き出されるのですが、固形化すると蓄積されていまいます。 エンジン内部では燃焼室の弁に噛みこんでしまいエンジンを停止されることもありますし、マフラーは詰まってしまいます。 今回オイル交換したレッツ4のオイルゲージには写真の通り白濁したクリーム状のオイルが付着していました。 これはエンジン内部に発生した結露/水分がオイルに混じり乳化したものです。 水分はカーボンを固着化させるだけでなく、オイルを希釈します。 水混じりのオイルでは油膜の形成力も低下しエンジンを傷めます。 エンジンオイルはカーボンなどの汚れを吸着し洗浄しますし、このような水分も吸着します。

あまり乗らないからオイル交換もそれほど頻繁にしなくてもいい… そんな風に誤解している方は多いようです。 原付スクーターは近距離移動で使われることが多いですが、そういう使い方だからこそ早めに頻繁にオイル交換が必要なのです。 エンジン内部のカーボンの蓄積を防止するためには専用の洗浄剤(添加剤)もあります。 近距離短時間での使用の多い車両は「シビアコンディション」に該当しますので、オイル交換を忘れないようにしてください。