2024/09/02 20:25:10 更新【カワサキ ZRX1100】エンジンオイル交換、オイルフィルター交換カワサキ ZRX1100
カワサキZRX1100にオイル交換でご入庫いただきました。

オイル交換時には車両各部の点検を行います。 オイル交換のサイクルは3000キロ超〜5000キロ以内(原付車両は1500〜2000キロ)、またはあまり乗っていなくても半年以内です。 乗りかたや走るシチュエーションによりますが、3000キロ以上走ればチェーンが伸びたり消耗品が摩耗したりします。 従って定点観測的に決まった距離で決まった個所を点検します。 すると、このオーナーの乗りかただとブレーキパッドはあと6000キロ以上…つまりオイル交換をあと2回程度は大丈夫だな…3回目くらいのタイミングで交換だな…と言った具合に交換時期を予め予測できます。 もっと早いサイクルで点検すれば、それは悪いわけないのですが実際には3000キロ毎に点検すれば十分です。 チェーン等もシールタイプチェーンなら3000キロ未満で伸びてしまい、要調整なんてことはありませんから。 逆にあまり乗っていない方は本来動くべき箇所が固着してしまっていることがあります。 例えばドライブチェーン。

チェーンの注油はメーカー指定では500キロ毎。 実際には1000〜2000キロ毎が推奨されますが、雨天走行等をすればもっと早くする必要があります。 主流のシールチェーンはうっかり注油を忘れていてもいきなりチェーンに問題は生じませんが、それでも3000キロ無給油なら注油が必要です。 走れば注油が必要だと分かっているオーナーは多いのですが、逆に乗ってないから注油品しなくても大丈夫と思っている方もいらっしゃいます。 あまり乗っていない車両はチェーンオイルが固着してリンク部の動きが悪くなることがあります。 本来動いているべきところが動かないので固着してしまうのです。 チェーンオイルも油分ですから徐々に蒸発します。 乗らなければ乗らないで各部の点検は重要なのです。 オイルを抜いている最中にタイヤの空気圧点検、タイヤ表面の点検(摩耗やキズ、異物が刺さってないか)、ブレーキパッドの点検、チェーンの状態の点検、サスペンションのオイル漏れ点検、エンジンはオイル滲みがないか?車両各部の部品に脱落、欠品、ネジのゆるみなどはないか?破損は無いかといった目視点検を行います。

今回はオイルフィルターも交換します。 フィルターの交換サイクルはオイル交換2回につき1回のわりあいです。 使用するオイルはミッツ・ハー公式推奨エンジンオイルのルブロス。 シリーズ中、一番人気のMOTO-SSを使用します。 ルブロスシリーズには上位グレードからMoto-GP、Moto-RS、Moto-SS、Moto-ST、Moto-syntheというラインナップがあります。 Moto-SSよりも上位のグレードのオイルが2種類存在しますが、一般的な公道での使用であればこのグレードでじゅうぶん。 滑らかなな吹け上がりを体感でき、かつエンジンの保護性能に優れるコストパフォーマンスに優れたエンジンオイル。 サーキット走行もカバーできるほどの幅広いシチュエーションで使える万能型エンジンオイルです。 APIの最高峰グループVに分類されるエステルと、グループⅣに分類されるPAO。 このトップ2グループをベースに使用しているのがルブロスMoto-SSです。

エステルは分子構造にマイナス極性の酸素物資を持つため金属の摺動面に密着する性質を持ちます。 一般的なエンジンオイルは通常6時間程度でピストンやシリンダーから流れ落ちてしまいますが、エステルがあると薄く均一な被膜が付着したままを維持できるため金属の直接接触をある程度避けることができます。 また、エステルはもともとジェットエンジンの潤滑剤として開発されたため、熱安定性と化学安定性に優れ低粘度のベースオイルを使用でき、低粘度でも摩擦を下げてくれるので馬力損失を少なくできます。更にせん断安定性、低温流動性、揮発防止性、洗浄分散性など数々のメリットがあります。 PAO(Poly-a-Olfin)は合成炭化水素とも呼ばれ、エチレンから製造される「a-オレフィン」を原料にし、重合反応と水素化処理によって精製されます。 粘度指数が高く、高温時においてはVHVIよりも厚い油膜を保持することが可能。 ワックス分を含まないことから低温粘度特性にも優れ、低温時の始動性向上や暖気時間の短縮、省燃費性能に利点があります。 また、エステルの弱点とも言える耐久性を克服しているのも特徴です。

ベースオイルの最高峰エステルと、高性能を維持しつつ実用域におけるメリットや耐久性を高次元でバランスさせたPAOの組み合わせに、ルブロス最大の特徴である新開発ベースオイル“ナノパフォーマ”を配合。 1.オイル分子の細分化 2.オイル分子の均一化 3.オイル分子の結合力強化 これらの特徴を持つナノオイル分子は、オイルと金属の隙間を埋め、ベアリング効果や、密閉効果をより高める働きをします。 ●ベアリング効果 ベアリング効果によるフリクションが少なくなる結果として 1.油温上昇の抑制・安定化・低減 (摺動抵抗の軽減により、摩擦発生と酸化・劣化の予防) 2.高回転での伸びが良くなる (クリアランスを均一化して、摺動抵抗を軽減) 3.エンジン音を抑える ●密閉効果 密閉効果により吹き抜けを抑える効果として 1.パワーとトルクの上昇 2.ブローバイガスの減少 3.オイルの耐久性向上 これらの特徴を備えるMoto-SSはミッツ・ハーでは一番の人気オイルなのです。

このMoto-SSはとにかくエンジンの吹け上がりが軽くなるのが特徴です。 小排気量のスクーターや4気筒エンジンのようなもともと滑らかなエンジンだと体感しやすいですね。 何よりもマルチグレードのオイルですから季節(外気温)を気にせず使えるのが良いですね。 オイル交換を終えたら灯火類(ヘッドライトやテールランプ、ウインカー等)を点検。 ホーンも意外と使わない方が多く、点検しないといざってときに鳴らないなんてことも。 最後に触診を兼ねた洗車をして作業終了です。 洗車時には車両の各部に触れますので、部品の脱落や欠品、ネジのゆるみに一番気づきやすいのです。 オートバイが奇麗になって点検できるんですから最高ですね。 みなさんも「点検しなくちゃ」と思ったら積極的に洗車をしましょう! 毎度ありがとうございました。