2024/07/14 17:00:04 更新【スクーターオイル交換】スズキ アドレスV50 エンジンオイル交換スズキ アドレスV50
事業用で使用されているスズキの原付スクーター アドレスV50にオイル交換でご入庫いただきました。 約3ヶ月で走行2000キロですので、50ccとしてはまあまあ走られる方ですね。 さすが事業用で使われているだけあります。

125cc未満の原付車両のオイル交換は1500〜2000キロ毎で、仮にそれほど走っていなくても半年毎には交換しましょう。 小排気量になればなるほどエンジンは高回転化します。 特にスクーターはオートマチックなので意図的にエンジン回転数を抑えて走るのは難しく、常に高速で動いています。 市街地での常用回転域は普通乗用車の概ね2〜3.5倍といったところでしょう。 つまり油膜切れのリスクは普通乗用車よりも圧倒的に高く、オイルには過酷な条件になるのです。 よくスクーターに自動車用エンジンオイルを入れる方がいます。 オートバイ用はミッションオイルをエンジンオイルが兼ねます(自動車はエンジンオイルとミッションオイルは別になります) しかしスクーターは自動車と同じようにエンジンオイルとミッション(ギヤ)オイルが別になるので、自動車用でもいいだろうという判断でなんだと思います。 でも、自動車用エンジンオイルはそこまで高回転で動くことを想定していません。

このアドレスは最大トルクを7000回転、最高出力は8500回転を発揮しています。 小さなエンジンで効率よくパワーを発揮して車道を快走するためには最大トルク発生の7000〜最高出力発生の8500回転の間をうまくキープする必要があります。 スクーターはその回転域をキープできるようにオートマチックが調整されています。 例えばトヨタプリウスの場合、低速域はエンジンは動きません。 ハイブリッドですからモーターで動きます。 よりパワーが必要な場面になるとエンジンが動きますが、そのエンジンの最大トルクは4000回転で発揮し、最高出力は5200回転で発揮します。 原付はそもそも法定速度30キロ制限の乗り物ですし、実際の動力性能的にも60キロが限界です。 つまり市街地走行で60キロ出すには8500回転までエンジンを動かします。 プリウスは高速道路も走る車両ですし、実際の動力性能は150キロを超えてもまだ余裕があるでしょう。 つまり市街地走行では最大トルクも、最高出力も必要ではなくエンジン回転数を抑えて走ります。
もうおわかりですね? 自動車用オイルではオートバイの高回転エンジンをしっかりと油膜で保護して潤滑するのは難しいのです。 オートバイには高回転にも耐えられるオートバイ用エンジンオイルを使いましょう。

スクーターはオイルフィルターもありません。 オイル容量もわずか0.7リットル未満(プリウスなら4リットル) それだけ少ないオイルでフィルターでろ過もされず、普通乗用車の2〜3.5倍もの高速で動くエンジン各部を潤滑しています。 オイルの劣化速度は自動車の比ではありません。 その為、1500〜2000キロ、または半年以内と言う早いサイクルでの交換が必要なのです。 ちなみによりパワーにゆとりがあり、常用回転域が低く意図的にマニュアルミッションで回転数をライダーが制御できる大きなオートバイは交換サイクルが3000〜5000キロと延びます。 それでも自動車よりはやはり早めの交換が必要になります。

オイル交換時には各部も点検します。 灯火類やタイヤの空気圧のチェックはもちろん、ふだんは目にしにくい下回りものぞき込んで目視点検します。 仕上げに車両を洗車するのですが、これはサービスではなく点検の一環です。 もちろんオイル交換時に付着した廃油を洗い流すという意味合いもありますが、車両全体を手洗い洗車することで部品の破損や欠品、ゆるみなどを発見することができます。 いわば触診ですね。 奇麗なオートバイは整備もしやすいですし、洗車は点検になります。 トラブルが起きたときも汚れが無い方が修理もしやすいですね。 皆さんもぜひ洗車を積極的に行ってください! 洗車を終えたら作業終了。 ご用命いただきありがとうございました!
