2024/06/25 15:45:21 更新【スクータータイヤ交換】ヤマハJOG タイヤ交換ヤマハ JOG
ヤマハの原付スクーターJOGにタイヤ交換でご入庫いただきました。

今回交換するのはフロントタイヤです。 オートバイのタイヤは前後均等に減るとは限りません。 むしろ均等に減る方が珍しいかもしれませんね。

乗りかたにもよりますが、一般的に原付スクーターはリアタイヤのが減りが早いです。 ブレーキの使い方によりますが前後均等にブレーキを使う方だとリアタイヤ2回の交換のタイミングでフロントは1回くらいですかね。 発進停止が多く、リアブレーキを多めに使うかただとリアタイヤ3回交換のうちフロントが1回でしょうか。

交換前のタイヤを見ると右側が摩耗してます。 左右の溝の深さをみれば一目瞭然です。

オートバイ(特に原付)は左側を走ります。 道路はセンターライン付近がいちばん高く、路肩にむかって低くなっているのはお気づきですよね? そうしないと雨が道路の真ん中に溜まってしまいますから。 そうすると垂直で走るオートバイのタイヤは中心から右側が 減るんです。 センターライン(右側)が高いんですからね。 この状態で右に曲がる際に車体をバンクさせるとスリップしやすくなっており危険です。

タイヤはゴムですが劣化すると硬くなります。 硬くなると路面に食いつきにくくなり滑りやすくなります。 またタイヤのゴムが薄くなるとこの弾力が失われますから滑りやすくなります。 雨がふれば浅い溝のタイヤは水はけがわるく滑りやすくなります。 タイヤは命を乗せて走ってる。 早めに交換しましょう!

車体からホイールを外します。 この際、普段は見ることのできないドラムブレーキのシュー(ライニング)を点検します。 ドラムブレーキはシューが摩耗してくるとブレーキの握りしろ(ペダルなら踏みしろ)が大きくなります。 それを調整するのですが、調整限界まできたら要交換です。 目視しても摩耗しているかどうかはすぐにわかりません。 ドラムブレーキって本当に僅かな摩耗が大きく握りしろを変化させますので。 ただ、せっかくタイヤ交換時に目視できるのですから点検しましょう。 ブレーキダスト(摩耗したシューのかす)が目立てばエアーブローで吹き飛ばします。 ブレーキのカム部のグリスもチェックし必要であれば注油します。

ホイールベアリングもこのタイミングでなければ点検できません。 作業用のグローブを外し、素手で指をベアリングに突っ込み回転させます。 うん…なめらかにまわる。 異状なし。 タイヤ交換だからといってタイヤだけを交換して終わりにするわけにはいきません。 当店は用品店ではなくオートバイ屋さんですから、ご指示いただいたパーツ交換だけでOKとするわけにはいかないのです。

古いタイヤをホイールから外し、チューブレスバルブを切り取ります。 空気を入れる部分のチューブレスバルブの根元はゴムです。 カッターで切れます。 つまりゴム製品が劣化して固くなってくれば、空気を入れる際など力が加わると折れることもあるわけです。 折れたらその場で空気が抜けて走行不能。 恐らくガソリンスタンドでは対処できないですし困ったことになります。 交換するためにはタイヤを外す必要がありますので余計な手間=費用がかかります。 そのために、タイヤ交換時にはチューブレスバルブも同時に交換します。

しっかりと新しいチューブレスバルブを装着し、新しいタイヤを組みます。 車体に装着するときはアスクルシャフト(車軸)にグリスを塗布するのを忘れずに。 今回、リアタイヤは交換しませんが空気圧はちゃんと点検し調整しましょう。

新しいタイヤはゴムも柔らかく、旧いタイヤに比べれば路面への食いつきも良好。 ブレーキの制動力もあがり、コーナーでのスリップも防げます。 とはいえ、交換したてのタイヤは表面の油分が付着していますので雨の時などは滑りやすいので注意が必要です。 1週間から10日くらいは滑りやすいとおもって徐々に鳴らしていってください(これを一般的に皮むきと言いますが、実際にタイヤ表面の皮を剥くわけではありません)

毎度ご用命いただきましてありがとうございました。
