2024/04/08 13:50:35 更新【バッテリーあがり】ドゥカティMonster バッテリー容量診断、バッテリー充電、エンジンオイル交換ドゥカティ モンスター400
オイル交換でご入庫したドゥカティMonster400です。 オイル交換前にエンジンを始動しようとしたところ、バッテリーがあがってしまい始動が出来ず、バッテリー単体をお持ちいただき点検することになりました。 昨年1月に継続車検で整備したものの、昨年はお仕事が忙しくほんとんど乗れていなかったそうです。 その為、1月の時点では問題なかったバッテリーがあがってしまい始動できなくなったのが1年前…昨年の4月。 2年間使用したバッテリーでしたので補充電するよりも交換した方が良いと判断し、新品に交換しました。 しかしながらその後も乗る機会が無く、気づけば桜が咲くこの季節… せっかく新品のバッテリーに1年前に交換したのに、またあがってしまいました。 エンジン始動ができません。 お客様にバッテリーの取り外し方をお電話でご案内し、バッテリーを持ちこんでいただきました。 たぶん充電で復活するのではないかと思ったのです。

バッテリーの寿命のひとつの目安は2年だと思ってください。 通常使用なら2年は大丈夫のはず。 うっかり(自動車なら室内灯を点けっぱなしにするなど)でバッテリーを上げてしまっても2年以内なら充電しても良いと思います。 バッテリーメーカーで最も信頼性が高いと言われるGSユアサの場合、密閉式バッテリーの製品補償期間は12か月または2万キロ(どちらか早い方)です。 解放式だと6か月または1万キロ。 これからも現代の主流であるメンテナンスフリータイプ(密閉式)は長持ちだというのがわかります。 この補償期間からもわかるように1年は大丈夫とメーカーが太鼓判をおしてますが、1年を経過した場合は注意してくださいということになります。

ただバッテリーは永久に使用できるものではありません。 そのひとつの基準が2年です。 2年使えばそのバッテリーは必要な役割を果たしてくれました。 そこから先は個体差によるものです。 2年でダメになったとがっかりする必要はありません。 むしろ3年、4年と使い続けられたらラッキーだったと思のえばいいのです。 突然のバッテリーあがりが心配なら2年で交換するのがベターですし、2年以上経過しているバッテリーを上げてしまったら交換した方が良いと思います。 逆に2年に満たないバッテリーはあげてしまっても、適正な充電で復活することが十分考えられます。 バッテリーメーカーで最も信頼性が高いと言われるGSユアサの場合、密閉式バッテリーの製品補償期間は12か月または2万キロ(どちらか早い方)です。 解放式だと6か月または1万キロ。 これからも現代の主流であるメンテナンスフリータイプ(密閉式)は長持ちだというのがわかります。 この補償期間からもわかるように1年は大丈夫とメーカーが太鼓判をおしてますが、1年を経過した場合は注意してくださいということになります。

一般的な鉛バッテリーは放電時に硫酸鉛を発生させます。 この硫酸円は絶縁物質です。 従ってこの硫酸鉛がバッテリー内部に発生すると電気の流れが阻害されたり、発生した部分に電気をためることができないのです。 この放電時に絶縁物質(硫酸鉛)発生させてしまうことを「サルフェーション」と言います。 鉛電池化学反応上、絶対に精製されるのがサルフェーションです。 このサルフェーションは生成された直後は柔らかい物質で、バッテリーが充電されるとすぐに溶けて電解液(バッテリー液)に溶け込んでくれます。 しかし時間の経過とともにサルフェーションは固まってしまいます(結晶化) 電極版の周囲が絶縁物質(硫酸鉛)で覆われてしまうため、内部抵抗がおおきくなりバッテリーパワーが低下します。 サルフェーション(結晶)が出来た部分には電気は蓄電されなくなりますから、バッテリーの容量が減ることになります。
一般的に80%以上放電したバッテリーを24時間以上放置するとサルフェーションの結晶化が始まると言われますが、80%以上放電させないようにしたり、80%以上放電させた場合でも24時間以内に充電すれば結晶化は防ぐことができます。 具体的に言うなら、久しぶりに乗るオートバイの始動に苦戦し、何度もセルモーターを回しているとバッテリーは80%以上放電してパワーが低下します。 そのまま放置するとサルフェーションが結晶化しますが、うまい具合に始動してくれて走りだし、走行充電によってバッテリーが回復すればサルフェーションは溶けてくれるので結晶化しません。

最近のオートバイはECU等の待機電力や時計などの装備で停止中もわずかに電力を消費し続けます。 今回の案件ですが、新品に交換して1年未満でバッテリーが上がってしまったのもこの待機電力が原因です。 始動が出来ないほど電圧が低下したのでサルフェーションが発生していると思います。 まずはバッテリーが上がった状態で専用テスターで容量を確認します。 この時、点検するのは電圧ではなくあくまでも容量です。 CCAという値で、容量を表すとともにこの数値が大きいほどエンジン始動時にパワーが大きくなります。 充電して電圧が高くなっても、このCCAが低いとセルモーターのボタンを押した瞬間に必要な電気を一気に放電してしまい、必要なパワーを取り出せなくなります。 バッテリーの寿命を診断するのはこのCCA CCAがしっかりと回復すれば充電する意味はありますし、逆に低いCCA値のバッテリーを充電していくら電圧が上昇してもダメなんです。

装着してあるのは欧州車ではMVアグスタなどにも純正品として採用されているBSバッテリー。 コスパ良好で信頼性の高いバッテリーです。 本来のCCA値は210です。 210と言うのは規格のようなもので、実際には新品時には概ね240〜260のCCAだったりします。 測定すると145CCA かなりサルフェーションが発生して容量を減らしているようです。 当店ではサルフェーションを溶解させる機能を持つ充電器があります。 強固なものだと溶かしきれませんが、まだ1年しか使用していないバッテリー回復する可能性があります。 サルフェーション融解機能をONにして充電開始。 約5時間ほどでサルフェーション融解が完了したと診断され、そのまま充電に移行します。 ただ12時間たっても充電完了となりません。 そのまま一晩中、充電器に頑張ってもらうと… 「充電OK」ということで充電が自動停止していました。 そのまま半日ほど放置してからテスターにかけると… 240CCAまで回復していました! よかった! これで大丈夫。 まだこのバッテリーは生きています。

蘇ったバッテリーをオーナーは持ち帰り、車両に装着すると気持ち良くい一発始動。 そのままご来店してエンジンオイルの交換、ならびに各部の点検です。 しばらく乗っていなかったのでタイヤの空気圧も低下していました。

久しぶりの走行で少し埃っぽかった車体も、オイル交換後の仕上げの洗車で奇麗になりました。 ドゥカティの赤いボディは奇麗にしてこそ美しいですね! バッテリーのこともありますし、忙しくてもたまには乗ってあげましょう。 走行距離が増えなくてもせめて半年に一度はオイル交換を兼ねて各部の点検・整備をしてあげましょう!