カワサキ Z1の魅力

当初は、750ccの排気量で開発されていたが、ライバルと見られていたホンダのCB750が先にデビューしたため、急遽排気量を900ccにして発売したのは有名な話。最大のマーケットである北米市場を徹底的に調査して作り上げたことから「ニューヨークステーキ」などと呼ばれた。現在も人気が高く、Z1を中心に扱うショップが多数存在する。欠品となったパーツもこういったショップが独自に販売しているため、この時代のマシンとしては比較的維持していくことが容易なのも魅力。

軽量な車体に鋭い吹け上がりのエンジンを搭載。軽快なフットワークと深いバンク角で、コーナーではビックマシンを追いかけ回す高性能マシンというのがこのマシンのウリ。ザッパーと呼ばれてベテランライダー達から支持された。

名車Z1は年を追うごとに改良が加えられて進化を続け、車名も変わっていった。Z1000は排気量が拡大されると同時に排気系が2本マフラーになった。動力性能は大きく向上し、ライバル達の追従に対処している。車体も変わって走りは別物。

3000回転で最大トルクを発生する力強いエンジンと軽量な車体の組み合わせ。実用域では4気筒勢を上まわる速さを発揮した。ザッパーも、このZ750TもZが様々な方向からオートバイの魅力を追求した結果生まれてきたモデルである。

ミドルクラスにカワサキが初めて投入したZ。デザインは他のZシリーズと共通だったが、上級モデルとは異なり搭載されていたエンジンはOHCのツイン。この当時、ミドルクラスではトルクのあるツインの方が扱いやすいとされていたためだ。

国内向けにZ1のエンジンを750ccにスケールダウンしたのが750RS、通称ゼッツー。排気量は小さくなったがボアとストロークを両方縮小したためフィーリングは逆に刺激的になった。このZ2をベストとするライダーも少なくない。

当時人気だったアメリカンスタイルにされたモデル。ゆったりとしたホースバックライディングポジションだが、エンジンはロードスポーツそのままなカワサキのLTDはコーナリングにも定評があった。81年からはK1モデルとなり、仕様が異なる。

Z1000をベースとして作られたカフェレーサースタイルのマシン。当時としては珍しいビキニカウルを装備してハイスピードな走りをイメージ。4into1マフラーを装備するなど、それまでのZとはまったく違った印象を作り上げた。

エッジを基調にしたデザインと、当時流行だったキャストホイールを組み合わせたZ750FX。外観のイメージも走りのフィーリングも初期のZよりずいぶん洗練された。ちなみに、FXとは航空自衛隊の次期主力戦闘機を意味する言葉。

Z750FXと同じデザインの輸出専用モデル。角張ったシャープなラインは、そもそも北米マーケットを意識していたもの。エンジンは基本的にZ1の排気量拡大版で、カバー類のデザインや吸排気系と点火系が変更されている。高速走行を考えた車体と、当時の重いキャストホイールの影響で、ハンドリングはZ1のような軽快さが消えドッシリしている。Z1と同様、現在でも人気が高いモデルだが、集合マフラーをつけるとイメージがさらに精悍になることから、カスタムして乗るオーナーが多い。

ホンダがCB400フォアを生産中止してから、数年間途絶えていたミドルクラスの4気筒エンジン搭載モデルがカワサキから発売。当時、唯一のDOHCエンジンで、最高出力はクラス最高の43馬力を誇った。大きな車体や安定したハンドリングなどすべてが、ビッグバイクに憧れる、若いライダー達のハートを直撃。海外向けに、同じ車体の500ccや550ccが販売され、国内でも数年間だけ550FXが売られた。