2024/01/21 15:19:06 更新【PIAGGIO MP3】ピアジオMP3 タイヤ交換ピアジオ MP3 250FL
イタリアのスリーホイルスクーター ピアジオMP3 250FLにタイヤ交換でご入庫いただきました。
フロント2輪、リア1輪のイタリアンスクーターです。 抜群の安定感と乗り心地が特徴のスクーターですが、リアタイヤの摩耗が早いです。 ビッグスクーター系はどうしてもリアの減りが早いのですが、MP3は特に早いような気がします。 フロント2輪はなかなか減らないのですが。
作業開始です。 まずはマフラーを外します。 エキパイから全部外す必要ななく、サイレンサーだけを外せばOKです。 原付スクーターなんかだと、エキパイらサイレンサーが一体型なので全て外す必要があり、少々面倒ですがMP3は楽ですね。 マフラーを外すと次はたくさんのボルトを外します。 スイングアームのようなサブフレームについているブレーキやサスペンションを外さないといけないんです。
ブレーキキャリパーはふたつ付いています。 通常のブレーキと、注射用のパーキングブレーキ。 それぞれ2つずつ。 これに加え、パーキングブレーキ用のワイヤーケーブル留めのネジも外しましょう。 合計5つのボルトを抜き取り、キャリパーをサブフレームから外します。
つづいてサスペンション。 3本のボルトを抜けばサスペンションをずらすことができます。 これでサブフレームを取り外す準備はOK サブフレームは2つのボルトと、車軸のセンターナットを外せばOK これでサブフレームを取外し、ホイールを車体から外すことが… …できませんね。 リアサスペンションが邪魔です。
結局サスペンションはまるっと取り外しました。 ここまでくればホイールを車体から取り外すことが出来ます。
外したタイヤの摩耗は一目瞭然。 もう少し早く交換しておいた方が良かったと思います。 この状態では簡単にパンクしますし、例えチューブレスタイヤであってもすぐに空気が抜けるでしょう。 何よりもタイヤとして必要なグリップは担保されていない状況で、雨はもちろん晴天時もブレーキング時には簡単にロックしてしまいます。
タイヤ交換のタイミングでなければ見えない箇所がたくさんあります。 ブレーキパッドやセンターシャフトの状態、サブフレームのシャフト部ベアリングの状態等々。 単にタイヤを交換するのではなく、このタイミングで普段は点検しずらい場所を点検、清掃、注油といった整備をしていきます。
タイヤの組み換えと整備が終われば逆の順番でタイヤを装着、サブフレームやサスペンション、ブレーキキャリパーを装着して行けばOK
今回使用したタイヤはシンコー製。 あまり聞きなれないかもしれませんが日本(大阪)の企業です。 韓国などにも製造工場があるので海外メーカーかと思われがちですが違います。 実はかつてヨコハマタイヤが2輪タイヤ事業から撤退するときに、その金型や製造機器等がシンコータイヤに譲渡されました。 そのヨコハマタイヤのノウハウを継承しているのがシンコータイヤです。 ヨコハマタイヤの2輪タイヤと言えばゲッターやプロファイアといったスポーツタイヤのブランドが有名で、オフロードタイヤでも人気でした。 シンコータイヤにノウハウが引き継がれた後、ゲッターやプロファイアのパターンでドラッグレースにタイヤが供給され、なんとワールドレコードまで樹立しています。 実は優秀でコスパに優れたタイヤです。
MP3のタイヤサイズはあまりメジャーなサイズではなく選択肢があまりありません。 メジャーなのはミシュランなのですが他にはないのか…とオーナーと探していたところ、シンコーから適合するものがありました。 一応、ピレリやエイボンからも販売されているようなのですが、マイナーサイズの為かメーカー欠品・入荷未定状態。 過去にもスクーター用にシンコーは取り寄せたことがありますし、特にネガティブな要素もないのでシンコータイヤを装着することになった次第です。 当店ではお客様のオートバイの使用方法・用途をお伺いし、予算等を含めて最適なタイヤをご提案します。 基本的にはどのメーカーでも取扱い可能ですのでお気軽にお問い合わせください!