ヤマハ・トリシティの登場で、注目を集めているのが、3輪バイク=トライク。その最高峰に位置するのが、カナダのBRP社が販売する『カンナム・スパイダー』だ。
エンジンは、ロータックス社製の直列3気筒1330cc。115馬力という最高出力の発生回転数は、7250回転と比較的高めだが、エンジンは3000回転も回っていれば全体の90パーセントにあたる高トルクを発生。充分な加速力をみせる。
組み合わせる6速ミッションは、電子制御セミオートマチックで、クラッチやシフトペダルはない。もし任意でギアチェンジを望む場合には、手元のスイッチを操作すれば、油圧クラッチに装備されたプレッシャーコントロール装置がギアチェンジを行ってくれる。
クルーザー的なポジションは、小柄なライダーには、ややステアリングが遠く感じるが、車速によってアシスト量を変化させるパワーアシストが付いているので、実際の操作に関してはそれほど心配はないかもしれない。またブレーキのABSを始め、トラクションコントロール、スタビリティコントロールなど、アクティブセーフティという面でも第一級の安全装備を備えている。
その乗り味は、ひと言で言うとATV的。コーナリングでは、ステアリングを切りながら行きたい方向にカラダを入れると、より曲がりやすくなる。だが、それほどアクティブに振り回さなくとも、十分に楽しいのが、カンナム・スパイダーの美点である。
新車価格は約300万円。エントリー向けには、ミッションをMT仕様とした約90万円安いスタンダードモデルも用意されている。
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