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輸入車ではあまり見られない400ccという排気量
日本独自の免許制度が生み出したと言っても過言ではないミドルクラスは
だれもがバイク本来の楽しさを体感できる!
最新モデルを含めた4台で、その楽しさを徹底検証した |
ライダー、文=栗栖国安、相原喜隆 ライダー=堀隆二 写真=増井貴光 |
突出していない性能が楽しさを倍増させる |
ひと昔前まで試験場でしか取得できなかった大型二輪免許が教習所でも取れるようになり、それまで高嶺の花だったビッグバイクが近年グッと身近な存在となったのはご存じのとおり。そうした背景も手伝って、ビッグバイクの人気は年々高まっているのが現状だ。
しかし、憧れだったビッグバイクにいざ乗ってみたら、あふれんばかりのパワーや大柄な車体などに圧倒されてしまい、バイクに乗ることを心から楽しめていないライダーがいることも事実である。その土地の匂いや季節を肌で感じ、風を切りながら走る爽快感、人馬一体となれるバイクという魅力的な乗り物を楽しめないことは残念でならない。
そこで、ビギナーからベテランまで乗り手を選ばず楽しめるミドルクラスのバイクに着目。排気量400ccといえば、80年代後半から90年代中盤までレーサーレプリカを筆頭に多くのモデルが市場に送りだされ、バイク業界を牽引してきた。だが、今日ではビッグスクーターやビッグバイクの台頭で、その存在が薄れてしまったようにも感じとれる。
それでもミドルバイクは姿を消すことはない。なぜなら、スロットルを大きく捻っても振りまわされることのないジェントルなパワーフィールが、バイクを操っているという楽しさを誘発するからにほかならない。ましてや狭い道路が多く、あちらこちらで頻繁に渋滞が発生する大都市圏の道路事情を考慮すると、大きすぎない車体と重すぎない車重は取りまわしに優れ、秘められた軽快な運動特性を引き出せるのだから。
そのミドルクラスの楽しさを検証するべく、国内4メーカーを代表する400ccを各1モデルピックアップ。デビューしたばかりのW400とロングセラーを誇るSR400というトラディショナルな雰囲気を醸し出す2台を試乗して、エンジン型式の違いから乗り味を探ってみた。
また、ピュアスポーツネイキッドのCB400SFと欧米をはじめ日本でも人気が高まっている新しいカテゴリー、モタードのDRーZ400SMというスポーティさが自慢のモデルで、使い勝手を徹底比較。
見た目や特性が異なる4モデルだが、いずれも市街地を移動するためのモビリティとして満足度は高かったというのが結論。日本の免許制度によって誕生し、独自の文化を築いてきたミドルクラスだからこそ、ふだんの道でも楽しく感じられるのだ。 |
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