

アドベンチャーツアラーにスポーツネイキッドなど、人気モデルは数多くあるが、それらとは一線を画し、確固とした支持を確立しているのが、今回紹介するロングセラーモデルたち。流行のど真ん中にいるわけではない・・・しかし、変わらぬ人気を維持し続ける秘密に迫りたい!
Text/Shigeru Tokunaga・Hiromu Inoue
Photo/Toshiyuki Sagayama
ネイキッド
HONDA
新車価格●88万4400円〜 中古相場●12万〜98万円
CB400 SUPER FOUR
(2005年〜)
※グーバイク調べ
SPECIFICATION | |||||||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
|
|
オートバイとしての完成度と普遍性
ひとくちに「オートバイ」といっても、その種類はさまざま。
近年ツーリングライダーに人気を博しているアドベンチャーツアラーに、新時代を思わせるデザインと高い走行性能が魅力のスポーツネイキッド、威風堂々としたスタイリングを持つクルーザーや、走る場所を選ばないオフロードモデルなど、それぞれに特長があり、また大きな魅力を備えている。
しかし、時代の移り変わりによって、それらのジャンルには流行り廃りがあり、さらに各モデルにも人気の高低や、環境への適応問題などが重なって絶版となってしまったり、モデルチェンジによってまったく異なるバイクになってしまったり・・・。
長い「オートバイ」の歴史のなかで、さまざまなモデルが生まれては消えていったのだ。
しかし、そんななかで、変わらぬ人気を維持し続けているモデルも少なからず存在している。
それが、ネイキッドブームの立役者であり、今や中型クラス唯一のスタンダードネイキッドであるホンダCB400スーパーフォアや、その上位機種CB1300スーパーフォア、そして約40年もの間、基本的なスタイリングを変えることなく発売され続けているSR400、さらに誰もがオフロードに親しめるトレッキングバイクセロー250などのロングセラーバイクたちである。
これらのバイクは今やブームをとっくに通り越し、今では定番=スタンダードとして我々ライダーから厚い支持を受けている。ネイキッドブームやストリートバイクブームなど、一度は熱狂的なブームを迎えながらも、それらが収束した今なお、生き残れるだけの魅力がどこにあるのか?今回の企画では、それらをじっくりと検証してみたい。
流行を捉えた最新モデルに乗るのももちろん楽しいが、「スタンダード」と呼ばれるロングセラーモデルとじっくり付き合うこともまた、バイクライフを充実させてくれるに違いない。自身がバイクに求めるものは何なのか?そんなことを改めて考えつつ、今回の企画をバイク選びの参考にしてみてほしい。
魅力
400cc随一のロードスポーツとして進化を続ける!!
スタンダードネイキッドとして親しまれているが、じつは幾度もフルモデルチェンジ。その性能やルックスを変えているのだ。
魅力
オートバイとしての普遍的なスタイル
魅力
扱いやすく、スポーティなエンジン
ライバルたちはすでに絶版!!
中古車を買うなら今だ!
ダブルクレードルフレームに直列4気筒エンジンを持つ「スタンダードネイキッド」は、ライバルメーカーではすべて絶版。寂しい状況なのだが、それゆえに、今後中古車市場で価格高騰の可能性もおおいにあり(一部モデルはすでに高騰)。欲しいなら、今すぐ買うべき!?
変わっていないようで変わり続ける最新スポーツ
1989年のカワサキ・ゼファー400の登場から00年代半ばまで、ブームとなっていたのがネイキッド。今、ネイキッドといえばZ400やMT-03といったスポーツネイキッドを思い浮かべる人が多いだろうが、つい最近までネイキッドといえば、ダブルクレードルフレームに直列4気筒エンジン、リアに2本サスを装備した、Z2やCB750Fを現代によみがえらせたようなスタイリングが主流だったのだ。
そして、今なおそのスタイルを守り続けているのがCB400スーパーフォア(以下、スーパーフォア)である。
ただし、スーパーフォアが今も高い人気を得続けているのは、決してスタイルが変わっていないから、ではない。むしろその逆。
じつはスーパーフォアはこれまで幾度となくモデルチェンジを行っており、スタンダードネイキッドという基本コンセプトこそ変えていないが、エンジンへの「ハイパーVテック」採用をはじめ、灯火類へのLEDの採用、足回りの熟成に、フューエルタンクやテールカウルの形状変更など、時代に合わせた進化を続けてきた。
その結果、今やクラス唯一のスタンダードネイキッドであり、直列4気筒エンジン搭載モデルとなったのである。
ユーザーが求めるものをすくい取り、支持を得続けてきた名車だ。
存在感大!!
だけど意外なほど扱いやすい!
スタンダードネイキッドはビッグバイクでも隆盛だったが、現状ではホンダ・CB1100とCB1300SFだけとなってしまった。空冷エンジンを搭載するCB1100に対し、CB1300SFは水冷直列4気筒エンジンを採用。ビッグバイクらしい存在感だが、意外なほど扱いやすく、足つきも良好。オールマイティーな1台として人気を博している。
(2005年〜)
※グーバイク調べ
SPECIFICATION | |
---|---|
エンジン形式 | 水冷4ストロークDOHC4バルブ直列4気筒 |
総排気量 | 1284cc |
最高出力 | 81kW(110PS)/7250rpm |
最大トルク | 118N・m/5500rpm |
全長×全幅×全高 | 2200×795×1125〈1135〉(mm) |
ホイールベース | 1520mm |
シート高 | 780〈790〉mm |
車両重量 | 268kg |
タンク容量 | 21L |
タイヤサイズ | F:120/70-17 R:180/55-17 |
ブレーキ形式 | F:油圧式ダブルディスク R:油圧式ディスク |
※〈〉内はSP仕様
HONDA
新車価格●151万1400円〜
中古相場●25万〜181.5万円
CB1300
SUPER FOUR
※中古車相場価格はグーバイク調べ(2020年8月)。