だが、免許制度が変わり、大型バイクに乗るライダーが急激に増加した。日本の林道が狭いことに変わりはないが、日本各地に点在する林道へ出かける際には高速道路を使う方が楽である。ところが250 cc トレールではこれがとにかくツラい。これがビッグオフへの潜在的需要だったのだ。輸入車を中心にビッグオフが国内でも入手しやすくなると、かつて250ccで遊んでいたライダーも飛びついたのだ。
その一方で昔ながらの排気量である250ccトレールも種類こそ少ないが、CRF250Lなどの新型車が登場し、スポーツ志向のライダーに受け入れられて、ふたたび賑わいを取り戻している。
今は旅志向、スポーツ志向と車両が揃っている。バイクを選ぶなら、カテゴリーが盛り上がっている今こそがまさにオススメのタイミングなのである。
バイク界を牽引する
オフロードブーム到来!!
かねてから本誌でも注目している、アドベンチャーツアラーを含むオフロードバイクの世界。オフロードはもちろん、オンロードでもそれなりに楽しめてしまう使い勝手の良さと、そのワイルドなスタイルで世界のライダーに愛され、いまや一大カテゴリーを形成するまでになった。
そうしたブームの火付け役となったのはご存知BMWのビッグオフ、R1200GSである。水平対向エンジンにシャフトドライブという日本車に慣れたライダーからすると、かなり特異なレイアウトながら、ダートでの高い走破性や一日1000km近い長距離ツーリングでも楽々とこなしてしまう快適装備で、それまでどこかマニアックだったオフロードバイクの世界を、一気にメジャーに押し上げたのだ。
もちろん、日本のメーカーも70年代からオフロードバイクを作り続け、その高い技術力でロードレース同様にモトクロスでも世界の頂点を勝ち取った。だが、市販車においては250ccの車両がメインで、400ccやそれ以上のオフロードバイクはマイナーな存在だったと言える。それは日本ならではの事情とも関わりがあったはずだ。まず、日本でオフを楽しむ場合(公道)、ほとんどの場合が林道へ繰り出すことになるが、日本の林道は狭くて大型車では持て余しがちというのがひとつ。もうひとつは免許制度だ。大型免許が身近ではなかった時代、大排気量のオフロードバイクに乗ること自体、とてもハードルが高かったのだ。ゆえに、メーカーは500ccや600ccなどの大排気量車を生産してはいたものの、そのほとんどが輸出専用モデルに設定されていたのだ。
- こうした今のオフロードの盛り上がりをオフ専門誌はどう見ているのか。
今回は月刊ガルル編集長に聞いてみたぞ。
大型免許を持つライダーが増えたことで、国産メーカーも大型の海外専用車を国内販売するようになりました。250ccは排ガス規制の影響で車種が減っていましたが、近ごろの車両は規制をクリアしつつも乗って楽しいモデルに仕上がっています。残念なのは、50ccの車両がないことですね。ただ、125ccでは完成度の高い車両もあり、原付クラスながら本格的な走行を楽しめますよ。