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目指せハーレー通! 知っておきたい豆知識

目指せハーレー通!知っておきたい豆知識

数あるモーターサイクルの中でも独自の世界観があるハーレー・ダビッドソン。
それだけに、ハーレー乗りの間で交わされる『用語』も少し特殊である。ここでは、基本的な用語の解説を行っていこう。

界的な単位はメートル法が一般的だ。しかし、アメリカでは、従来の慣習からヤード・ポンド法が使用されている。そのためネジの規格もmm単位ではなくインチ単位である。H・Dの排気量で使われるCI=キュービックインチとは、インチ換算での排気量を表す単位だ。
 CIをccに換算するにはどうすれば良いか。1インチ=2.54cmである。体積の場合は、その3乗をかけるので、80CIであれば、80×2.54(3乗)=1310.9・・・となる。ただしこれは簡易計算の近似値。正確な排気量を求めるなら、ボア×ストローク値のインチ数値をmmに変換して計算すべきである。

★排気量の求め方★
排気量の求め方は、円柱の体積の求め方と同じ。
<円柱の体積=半径×半径×円周率×高さ>
これをエンジンの排気量に当てはめると、
<排気量=(ボア数値÷2)2乗×π×ストローク値>
となる。ただし、これは1気筒あたりの排気量のため、ツインのH・Dの場合はこの数値を二倍したものが排気量となる。

輪の衝撃を吸収するサスペンション機能を持たないフレームのこと。ハーレーでは59年に登場したデュオグライドで実用化された。この名称は、フロントフォークに油圧式テレスコピック、リアにも油圧式サスペンションを持つことからデュオ(=二つの意)と名付けられた。ハーレーの世界でのリジッドフレームというと、ハードコアなカスタムフリークの象徴として、またビンテージハーレーならではの車体構成として人気であり、アメリカではパウコなどリジッドフレームを製作する専門のビルダーも存在する。当たり前だが、サスペンションのないフレームの乗り心地は相当に悪い。

リジット1

最低地上高をギリギリまで下げられるリジッドフレームは定番のカスタム。乗り心地を犠牲にしてでも低さを出したいと願うユーザーも多い。

リジット2

その一方でリアサスペンションを残したままカスタマイズを楽しむユーザーも多い。カスタムのアプローチは千差万別なのである。

リンダー配列のこと。Vの字のように、シリンダーがある角度を持って交差している気筒配列がVツインエンジンである。H・Dでは伝統的にV字部の挟み角を45度としている。このシリンダー配列は二輪黎明期から数多く採用されており、各社で様々な挟み角がトライされた。ドゥカティのLツインは、Vツインの挟み角を90度にしたものという解釈もできる。
 80年代にホンダがダートトラックで打倒H・Dを目指して投入したワークスレーサーRS750DもやはりV型45度の気筒配列である。ことダートトラックに関しては、トラクション効率や爆発間隔の点からVツインが適している。

由な発想で愛車をカスタムするスタイルのこと。フェンダーのカットや、ロングフォーク、個性的なペイントなど車体のあらゆる部分に手を入れて、個性を演出するのがチョッパーである。年代や特徴的なスタイル、地域によって数多くの世界観が存在し、ひと言にチョッパーと言っても特定のスタイルを指すものではない。平たく言えば、『吊るし』の状態から好みのスタイルに変更した車両がチョッパーである。
 一方、ボバーとは、戦後にヒルクライムやダートラレーサーなどを模してフェンダーのカットや装飾品の簡略化を行ったカスタムの総称で、時代考証をしっかりと行ったパーツチョイスも重視されている。旧車の世界では近年人気となっているスタイルだ。

チョッパー1

昔ながらのシンプルなチョッパースタイル。オールド・スクールスタイルとも呼ばれる。対義語となるのは近代的スタイルのニュー・スクール。

チョッパー2

フロントフォークを極端にレイクさせ(寝かせ)、低く長いスタイルを作り出すのはディガーと呼ばれる。ナローなフォルムも特徴。

☆

H・D成長の大きな礎

ダートトラック

 日本ではあまり知られていないかもしれないが、ハーレー・ダビッドソンは創立当初からモータースポーツに並々ならぬ情熱を注いできたメーカーだ。特に象徴的なのは、アメリカで高い人気を誇るダートトラックと呼ばれるダート周回レースである。古くからH・Dはワークス体制で専用マシンをAMAのダートトラック選手権に投入、華々しい活躍を続けてきた。
 かつて60年代にはトライアンフやBSA、ノートンといった英国製マシンがH・Dに挑み、そして70年代には日本のヤマハ、80年代にはホンダもワークスマシンを投入し、AMAでH・Dと激しいバトルを繰り広げた。古くからレギュレーション的にはH・D有利と言われているが、長年に渡ってフィールドで積み上げてきた実績は伊達ではなく、高性能車がひしめくAMAダートラのトップカテゴリーでもワークスマシンXRは輝き続けている。レースとH・D、今後もその関係が途切れることはないのである。

XR750

1972年型XR750。高圧縮比のスペシャルヘッドを組み込んだワークスマシン。フロントフォークには当時のレーサーの定番、イタリアのチェリアーニGPフォークを採用。

☆

型フェアリングやパニアケースを持つツアラーモデルをベースに、ショートスクリーン、ローダウン、ペイント等を施したラグジュアリー系のスタイルのこと。四輪のラグジーカスタムの影響を受けた新しいジャンルといえる。近年、日本でもじわじわ人気が上がっている注目のスタイル。

バガースタイル

70

年代中盤、世界的にカフェレーサーブームが巻き起こった。当初はビモータやリックマンなど各地のコンストラクターがコンプリートを手がけていたが、次第に二輪メーカーも純正でカフェスタイルを販売するようになる。H・Dがそうした流れで生み出したのがショベルスポーツベースのXLCRである。販売は振るわなかったが、現在はカルト的人気を誇っている。

XLCR

ビキニカウルに低いコンチハンドル、小ぶりなテールカウルを持つXLCR。H・D初のキャストホイール(モーリス製)採用車である。

ーレーならではのハードなカスタムがオープンプライマリーと呼ばれるカスタム。これは、エンジン左側のプライマリーケースを取り去り、一次(プライマリー)駆動を乾式化する手法だ。ベルトやチェーンがむき出しとなる非常にワイルドなカスタムである。ただし、足の巻き込みには要注意!!

オープンプライマリー

60

年代後半、H・DはAMFに買収された。AMFはAmericanMachine and Foundryの略語で、同社の母体は娯楽産業をメインとする総合電子機器メーカーである。AMF傘下となったH・Dは潤沢な資本を武器に、大量生産を押し進めるも、次第に品質の低下が問題視されるようになり、1981年に創業者一族の有志によりH・Dは買い戻された。ちなみに日本でもAMFロゴの入ったボーリングマシンなどを各地のボーリング場で見かけることができる。
 また他社との提携という部分では50年代にH・Dはイタリアのアエルマッキ(Aermacchi)を傘下とした。同社の250/350の横型シングルマシンにもH・Dロゴがついて販売された。

AMF

AMF

トローカーとは、アフターパーツを使って排気量を拡大するチューニングのことだ。一般的にピストンの直径(ボア)を広げるのがボアアップで、ストロークを伸ばすのがストロークアップ。ストローカーとは主に後者を指す。H・Dならではのトルク感を生かすチューニングなのだ。

ストローカー

ストローカー

☆

ツインレースでも活躍

ダートトラック

 ダートトラックとともに、忘れてはならないのがロードレースでの活躍だ。アエルマッキを傘下に収めていた時代では、WGPの250/350クラスにロードレーサーを投入、チャンピオンも獲得している。また、アメリカ国内のAMA選手権においても英国・日本・ドイツの高性能マシンを相手に暴れまわった。サイドバルブ時代のKR-TTに始まり、XR-TT、VR1000と、45度Vツインのレイアウトは頑なに守ってレーサーを作り続けた。毎年デイトナで行われるBOTT(バトル・オブ・ザ・ツイン)には世界のメーカーも力を入れて参戦していた時期があり、ここでH・DはBMWやドゥカ、モト・グッツィ、さらには日本のメーカーと激しい競争を演じた。
 こうしたロードレーサーの設計思想は後のビューエルRR1000にも受け継がれ、H・Dのエンジンを使用した市販スポーツバイクの高いポテンシャルは、世界中のエンスージアストたちの大きな注目を集めることとなった。

VR1000

AMAのロードレースを走るハーレーのワークスマシンVR1000。ライディングするのは、ダートトラックでも輝かしい戦績を持つレジェンドライダー、クリス・カー選手である。

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