はっきり言って、スーパースポーツは普通のバイクじゃない。何しろ、200馬力に届こうかという高出力を発揮し、ノーマルのままでも速さとポテンシャルは、一昔前のワークスレーシングマシンを超えている。言ってみれば、普通の人間がそこいらで性能をフルに発揮させて楽しめるシロモノではなくなっているということだ。
それに、最近は随分改善されたとは言え、前傾姿勢のライポジで、一般道を何時間も走るのは苦痛。また、ハイポテンシャルなだけに、普通に走っているだけだと、楽しめないばかりか、本当の面白さを発見できないってことにもなりかねない。
現代のスーパースポーツを気持ちよく走らせるには、それなりのスキルと走る場所が要求される。あのヨーロッパでさえ、バイク人気が薄らいできた背景には、そんな事情もあるんじゃないだろうか
だからと言って、僕はスーパースポーツを否定する気は毛頭ない。むしろ、純粋にオンロードスポーツとしての機能性を追求した形として、スーパースポーツは素晴らしい乗り物だと言っていい。新型が発表されるたびに、バイクはここまで、忠実に走り、曲がり、止まり、意のままにコントロールできるものなのだと、いつも感激させられている。また、以前なら本物のレーシンググマシンでなければ味わうことができなかった世界を、走る場所さえ選べば、多くのライダーが堪能できる。
加えて、ライポジがきついこと、ハンドル切れ角が大きくないことに目をつぶれば、公道に順応できる柔軟性をも持ち合わせている。
そんなわけで、ニューマシンに触れる度に、ワクワクしてしまう僕なのである。