ストリートバイクと言われると、多くの人がヤマハSRなどのネイキッドバイクをパッと思い浮かべるところだろう。ところがアメリカでは、ビッグツアラーをストリートバイクに用いる『バガーカスタム』というスタイルが存在する。このストリートグライドは、そんなバガーカスタム向けのベースモデルとして生み出されたものだ。
ハーレーの旗艦モデルであるウルトラを土台としながら、トップケースやスポットランプをはじめとする装飾系アイテムをごっそり取り外し、シルエットは実にシャープにまとめられている。排気量1689ccのツインカム103エンジンに車重372kgという組み合わせは、日本人から見ればロングツーリング向けの重量級モデルだが、実際の狙いは無駄を削ぎ落としたチョッパーバイクであることを忘れてはならない。
400kgを超えるウルトラ用のパワフルなエンジンは、軽量化を図ったストリートグライドに爆発的なスタートダッシュ力を与える。ヘビー級の図太いトルクが体中をビリビリと震わせ、スロットルを捻るほどに強靭な足周りが路面を力強く踏み締め、ほとばしるように駆け抜けていく。ストップ&ゴーが多い日本のストリートでその本領を発揮するのはなかなか難しいところだが、この鼓動感はやはりハーレーならでは。
フロントホイールを30インチ以上にし、タンクやリアフェンダー、サドルケースなども流麗に加工して、最後に独自のグラフィックでまとめるのが本場アメリカのオーソドックスなバガーカスタムと言われる。そんなニュースタイルカスタムに憧れを抱く人にとっても、このストリートグライドはうってつけの一台だ。
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