80年からハーレーダビッドソンのラインナップに君臨してきたデュアルヘッドライトのツアラーモデル、ロードグライドが一年のブランクを経て復活を遂げた。しかも、以前までのものとは比べものにならないパワーアップをはたして、である。
エンジンは排気量1689ccの空冷V型2気筒「ツインカム103」となり、昨年の新型ウルトラに採用された高剛性フレームにパワーアップした最新の油圧式フロントフォーク、そして前後同時にバランスよく作動する新型ブレーキシステムを搭載。これだけで、一昨年モデル以上に操りやすくなっている。また、片手でカンタンに開閉できるワンタッチ式サドルケースも新型ウルトラから引き継いだものだ。
デザイン面も大幅に見直された。ロードグライドの顔であるシャークノーズフェアリングは人間工学に基づいた設計となり、以前のものより35.8センチも幅が詰められた。ここにライダーへの走行風をコントロールすべく三つの手動式ベントが設けられ、快適性を向上する工夫も見える。と同時に快適なクルージングが楽しめるサウンドパフォーマンスもしっかりと向上させている。
ハンドルバーの変化も顕著で、鋭角に垂れ下がった新設計のプルバックバーが採用されている。まるで鷲掴みするかのような握り方での操作は他モデルにはない独自性があり、乗っているうちにハンドルを上から押さえ込む姿勢へとなっていく。車重は385kgと超重量級モデルだが、ツインカム103エンジンのパワフルな走りがその重さを感じさせない。
ウルトラと双璧をなすキングツアラーは、日本を狭く感じさせる。
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