スポーツスターファミリーの中でも、その足つき性の良さから幅広い層に高い人気を誇っていたベストセラーモデルXL883Lが、「XL883Lスーパーロー」としてグレードアップした。
真っ先に目を引くのがフューエルタンクだろう。1200ccモデルに採用されている新グラフィックが施された17Lのタンクを標準装備とし、長距離航続を可能にしている。さらに足まわりに目を向けると、フロント18インチ/リア17インチというタイヤサイズとし、前後とも新設計となる5スポークキャストホイールと、専用設計タイヤのミシュラン「スコーチャー11」を装着。新設計という点で言えば、リアサスペンションとオリジナルのソロシートに注目したい。リアサスは883ローよりも0.6インチ(15.2mm)長くなり、シート高も2mmもアップしている。これまでの883ローと比べ、足まわりがかなり強化されているのだ。これらをまとめると、スーパーローといっても「すごく低くなった883ロー」というわけではないことが伺える。
走り出してまず感じたのは、「やはり883は街乗りが楽しい」ということ。日本の道路事情を前提としたシティユースでは、まったくもって過不足ない。特に混雑する都心部では必要以上に加速させる必要はないわけで、ブレーキもシングルディスクで事足りる。
最低限のパワーでドコドコと鼓動を感じながら、風景とともに風を味わいながら旅を愉しむ…、そんな日本人向けのハーレーライフがこの一台に秘められていると言えるのだ。
|