125ccクラスのニューモデルKLX125。兄貴分であるKLX250と同じく、モタードタイプのDトラッカー125が兄弟モデルとしてラインアップされている。
そのKLXの走りをチェックしてみた。インジェクションを採用した新設計エンジンは、セル一発で軽快に目覚める。試乗日は真冬、気温は10度を割っていたが、始動にグズるようなことは一切なかった。
走り出すと意外なくらい力強い、期待以上だ。正直なところ125ccという排気量から、頼りない加速力を想像していたのだ。実際、従来のこのクラスのマシンは、そういった走りしか見せてくれなかった。
ところがKLXは発進でトルク不足に気を使うこともなく、加速もスムーズ。もちろん、暴力的にパワフルであったりはしないのだけれど、想像以上によく走ってくれるのだ。これは、全体的に低めに設定されたミッションのギヤレシオがあってのこと。そのため全開域は少々物足りなく感じられるかもしれない。
ストレスなく加速してくれるのは85km/hくらいまで。最高速は90km/hを若干上回るが、その速度域での加速性能は実用的とはいえないものだ。
もっとも、公道で使用する場合に、法規上で許されている速度までは十分以上に実用的。排気量を考えれば「速い」と言っていいだろう。
フレームはカワサキ得意のペリメターフレーム。パイプの一部に高剛性な角形スチールパイプを使用しており、剛性感は十分。直進安定性も良好だ。ただ、前後サスペンションは少々柔らかすぎるかもしれない。
デュアルパーパスモデルということで、ダート性能も気になるところ。本格的なオフロードでは試すことができなかったが、軽いダートではじつに楽しく走ることができた。林道ツーリングレベルなら十分に対応できるだろう。
小さな車体は、街でもダートでも、どんな乗り手にも扱いやすく、楽しく走れるのだ。
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