ジクサーは元々インド向けに開発されたスポーツネイキッドで、本国では13部門のアワードを獲得するなど若者層を中心に大人気のモデルである。2017年春より日本向けに発売されるに当たり、各部の品質向上が図られているのがポイントだ。例えば、エンジン内部パーツは材質をグレードアップし、キャブレターからFIに変更することで国内新排ガス規制に対応。リアブレーキもドラム式からディスクタイプへ、前後タイヤもダンロップ製を採用し、リア側はラジアル化するなど、細かい仕様変更が行われている。
見た目は125ccクラスと250ccクラスのまさに中間サイズ。車体は軽くスリムで取り回しも楽々だ。ハンドルも高めでライポジも快適、足着きもすこぶる良いなど、とっつき易さが好印象である。乗ってみると、とにかく軽い。走り出した瞬間から、まるで羽のようなまったく質量を感じさせない軽さだ。コーナリングは素直で、低速で粘るエンジンはUターンもしやすく、ハンドル切れ角も大きいので狭い路地も得意。雰囲気はスポーツモデルだが、都市コミューターとしての資質も高いと感じた。
エンジンも排気量以上に力強い。ロングストロークならではの豊かな低中速トルクが美点で、鼓動感も楽しめるが、実は美味しいのは7000〜8000rpm。14馬力とスペックだけ見れば控えめにも思えるが、スロットルを大きく開けてエンジンを使い切って走るのが楽しい。
普段の足として使い倒すには便利だし、気が向けば高速に乗ってどこへでも行ける自由度もある。小粒だが侮れない楽しさを持ったスポーツファンバイクである。
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