結論を先に書いてしまうと、ついに発売になったYZF-R25は、ちょっとしたコーナーさえあれば、上の写真のように走りを楽しめるボーイズレーサーである。
とにかく乗って楽しい。今日的なダイナミックな荷重移動にも応えてくれて、もっとスポーツしようという気にさせてくれる。荷重コントロールに対し、前後サスは豊かにストロークし、その姿勢変化をうまく活かすほどに、しっかり曲がり、ライダーに接地感も伝わってくる。
36馬力という最高出力は、現在国内メーカーから発売されている同クラスのロードスポーツでは一番の数値で、公道を走り、ワインディングを走るうえで、物足りなく感じることはない。
それでいて、もっと走れとばかりにスロットルを捻る面白さがある。7000回転あたりからトルクの山に乗る印象で、ピークの10000回転に達する少し手前から吹き上がり方が豹変。そこからレッドゾーン手前の13000回転オーバーまでを多用すれば、もうエキサイティングの一言なのだ。
だけどこのR25を、単なるボーイズレーサーと片付けるわけにはいかない。ライポジは、スーパースポーツとしてはアップライトで、足着き性も悪くない。車重も軽いし、ハンドル切れ角も十分に確保されている。だから、日常の足としても使える。
エンジンやハンドリングに先鋭化されたところはなく、身構えずに接することができて、それらに前後サスやブレーキ、タイヤなどが見事にマッチしている自然体のバイク。そんなR25は、まさしく毎日乗れるスーパースポーツである。
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