ドゥカのネイキッド、モンスターの最大排気量モデルが、水冷4バルブユニットをコンパクトになったトラスフレームに搭載する1200へと、フルチェンジされた。
この新型モンスター1200は、従来の1100EVOからホイールベースを60mm延長、車重は13s重くなり、燃料タンクもボリュームを感じさせるデザインになったことで、随分大柄になった印象は避けられない。
ところが、実際に跨り、走り始めると、大柄な印象のことなど忘れてしまう。以前にも増して、マシンが扱いやすいからである。
ローシートが標準装備される国内仕様車は、足着き性がかなり良好なうえ、シート高調整機構を低い側にセットすると、小柄な女性でも問題ないレベルになった。足着き時には安定感さえある。さらに、Lツインエンジンは一層スムーズで粘りも増し、扱いやすい。突然のエンストの不安もなく、安心でもある。
ライポジも、ハンドル位置が高く手前に来て、これまでのモンスターの強い個性が抑えられ、かなり馴染みやすくなっている。
このように新型モンスターは、ライポジが快適になったこと、車体が大柄になったことに加え、エンジンには余裕のトルクが備わったので、長距離クルージングも快適で、ツーリングにも向いた特性となっている。
となると、ドゥカらしいホットなキャラが去勢されているみたいだが、決してそんなことはない。コーナリングマシンと表現してよいほど、コーナリング性能が高く、ライダーへの依存度も高く、マニアックに楽しむこともできる。見事にワイドレンジになったモンスターであった。
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