ホンダは今春、国内市場のために3台の新機種を投入した。4月発売のCBR400Rや6月デビューの400Xと並ぶこのシリーズの1台が、5月新登場のCB400Fだ。
新設計の鋼管フレームと、同じく新作の水冷並列2気筒エンジンは、シリーズ共通の設計。Fは、日常での利便性にも配慮しながら、海外モデルのCB1000Rをモチーフとしたストリートファイター風のデザインにまとめられている。
エンジンは、5000回転前後の常用回転域で粘り強い。これまでの一般的な並列2気筒エンジンとは少し異なる、巡航しているだけでもライダーを満足させる心地よさや鼓動感が与えられている。ホンダのこだわりが感じられる乗り味だ。
もちろん、高回転域にはそれなりの盛り上がり感も演出されている。パワーバンドはワイドで、6500回転から本領発揮。ただしパワーの立ち上がりは急激なモノではなく、また最高出力も46馬力と控えめなことから、レッドゾーンの10000回転付近まで、初心者でもイージーにその加速を楽しめそうだし、ベテランライダーであれば使い切る喜びを味わえる。ギア比はややショートで、積極的にギアチェンジを行いながらのスポーツ走行も楽しい。
一方で車体は、軽快感があり、また非常に素直にバンキングしてくれる。ハンドルはストリートファイタータイプ。つまり、幅広で絞り角が少ない。そのため、フルカウルのRよりもさらに、振りまわして乗れる。
日常やツーリングでの安心感を考えると、信頼度の高いABS仕様はとくにお薦め。アグレッシブかつイージーに操れる、新世代NKだ。
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