<400>より約2ヵ月半遅れの09年6月に、シルバーウイング<600>も2代目のGT仕様へとフルモデルチェンジされた。
スタイリングの全面刷新、カムプロフィールやバルブまわりの変更、O2センサーやデュアルコアキャタライザーの追加といった変更箇所は<400>と同じ。<600>独自の変更点としては、エアファンネル長の最適
化が行われている。
エンジンは、<400>同様、先代よりも高回転高出力の方向。クロームメッキのグリップエンド、ゴールドになったリヤサイドのエンブレムが<600>の証。それらとシート表皮やメーターバックライト色の違いを除けば、装備重量を含め、車体は<400>と共通である。
そのため<400>と比べると、<600>はパワー&トルクにかなりの余裕が感じられることになる。とくに、交差点の立ち上がり時、高速道路でのクルマの追い越し時、登坂路での加速時などには、その差が歴然となる。
ただし、<400>よりもパワー&トルクはあるのだが、環境規制対応の影響か、低中速域ではなるべく4000回転を超えないような変速設定で、排気量のわりにマイルドな印象が強い。とはいえ、左手側に設けられたTモードスイッチをオンにしさえすれば、低中回転域のキビキビ感がアップするので、それほどマイナスにはならないだろう。
いっぽうで高速域では、とにかくよく伸び、なんの不満も生まれない。タンデムでの高速ツーリングなども、かなり快適だ。
大きな車体の押し歩きは重め。ところがいざ乗ってしまえば、意外なほど軽快。コーナリング時などの動きは素直で、扱いやすさもあるので、こう見えて、持て余してしまうことはかなり少ない。これなら、ツーリング、タンデム、街乗りといった幅広いシーンで大活躍してくれるはずだ。
なお、ABS仕様はその制御が極めて秀逸で、信頼性も高い。標準車に比べ5万円ほど車両価格はアップするものの、その差額の価値は十分にある。
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