世界が広がるオフロードバイク

世界が広がるオフロードバイク

100の砂丘を越えると言われる、オーストラリアのシンプソン砂漠。走れども地平線の果てまで同じ景色が続く。世界に限らず日本国内でも、オフロードバイクに乗ることで出会える景色がたくさんある。ここでは非日常と出会うことができるオフロードの世界を紹介しつつ、用途に応じた様々なモデルを比較している。まだ見ぬオフの世界の扉を、ぜひ開けてみて欲しい。Photo/Hiromu Inoue、Masanori Inagaki、Yukihiro Kanemoto
Text/Yukihiro Kanemoto、Satoru Ii

カッパドキアの奇岩

トルコ

人気観光地カッパドキアの奇岩を、好き放題走り回っているとこんな絶景を見つけた。

金本幸洋

金本 幸洋(かねもと ゆきひろ)

1982年生 川崎市出身。
旅行会社、バイク冒険家の事務所に勤めた後、2017年8月から喜望峰を目指し単身ロシアへ渡り、ユーラシア大陸横断・アフリカ大陸縦断を果たして18年7月に喜望峰へ到達。
18年10月からは(株)道祖神バイクツアーデスクで働く。

過酷な旅の先にこそ忘れえぬ感動がある

「俺は1人でどこまで走っていけるだろうか?ロカ岬までなら、過去の挑戦者の成功率から行けるはず。では、アフリカ大陸の西ルートを縦断して喜望峰までは?勝敗が見えない。ならば挑戦してみたい!」
 この旅に挑む上で、オフロードバイク以外の選択肢は無かった。アフリカの核心部がどんなにハードなオフロードでも、荷物満載のマシンと共に1人で乗り越えねばならない。結果、手元にあった1995年式のTT250Rを23Lのビッグタンクに替えただけの、とても大陸横断仕様には見えないバイクで挑み、成功できた。未知なる道を進む旅においては、オンロードの快適性よりも、オフロードの走行性能の方がはるかに重要だった。
 コンゴ共和国とコンゴ民主共和国の国境は船で渡るのが一般的だが、とにかく陸路で繋ぐ自走にこだわっていたため、渡れる道を探して走り続けた末、地図に無い道を進んだ。泥や水溜まりと戦い、タイヤ一本ギリギリの獣道では生きた心地がしなかったが、反対側の小さな村へと出た瞬間は言葉にできない喜びが待っていた。この厳しくも最高の思い出は、一生忘れない。バイクの魅力や感動は、過酷さや危険を乗り越えた先にある。それをより深く教えてくれたのはオフロードバイクだった。

南アフリカ 喜望峰

南アフリカ

アフリカ大陸最南西端、喜望峰。ここは地球上でも特別な場所の一つ。荒波走る大海原が、旅人たちを優しく迎えてくれる。

ガボン

ガボン

ゴリラの生息地を目指し、ガボンの深い自然の中へ。欄干の無い橋を前に深呼吸をひとつ。

ケニア サバンナ

ケニア

マサイ族が暮らすサバンナを駆け抜け、ゾウやキリンと出会う。そんなケニアのバイク旅。

Photo/(株)道祖神

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