- Text/Morimutsu Kurihara Photo/GooBike
- カウルの有無に表れるプロテクション性能の差
- カウルを装着するツアラーは身体が走行風にさらされるネイキッドと違い、上半身を中心に高いウインドプロテクション性能を有する。大型ツアラーともなれば下半身に当たる走行風さえもプロテクトするのだ。
- 同じ気温であっても、身体に当たる風によって体感温度は大きく変わる。一般的に、風速1mに付き体感温度は1度低く感じると言われ、時速60キロでは約17度、温度が低くなる。だから、バイクの防寒対策は防風対策でもあるのだ。
そこで注目したいのが、ツアラーモデルやビッグスクーターに代表される大型のカウルを持つモデルだ。もともとカウリングは、ロードレースにおいて空気抵抗を減らし、高速域の安定性と最高速度を高めるために生まれた。だが、それはライダー目線で見れば、ライダーに当たる風を防ぐこと(ウインドプロテクション)に役立つもので、ツアラーの大型のカウルはそこから生まれた。防風性能が高いと言うことは、すなわち低い気温の中を走行しても走行風で体温が奪われにくくなるということになるのである。
しかも、バイクで走行するときの防寒は安全な走りにも影響を与える。寒さに身体をこわばらせライディングすることは、不意のアクシデントに遭遇した時に身体の反応が鈍くなる。身体を温め各部の緊張がほぐれた状態でライディングすれば、より安全に走れるというわけだ。
次のページ以降では、具体的な防寒方法や防寒に優れた車両と、それらに関するグッズやウェアなどのアイテムを紹介して行こう。
路面凍結は山間部やトンネルの出入り口など陽当りが悪い場所と、橋の上が危険だと言われる。また時間的には夕方よりも朝方が危険。路面が凍結するのは−3度付近からと言われるが、風が温度を低下させるので、外気温が3度ぐらいあってでも前述の場所では凍結する可能性が高い。さらに山間部では、雪解け水やわき水などの凍結にも気をつけよう。