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SRがデビューしたのは78年だが、当時、400以上のロードスポーツは2〜4気筒車ばかりで、より高性能を得るための多気筒化が進んでいた。そんな状況の下、ヤマハがシンプルさにこだわって生み出した単気筒スポーツがSR400/500 だった。
ベースは76年に発売されたトレール車XT500で、そのフレームとエンジンを利用し、ベーシックなロードスポーツを目指して開発された。そのため車体構成やデザインはクラシカルで、足まわりもオーソドックスに仕上げられていた。だが当時はそれが逆に新鮮で魅力となり、人気を得た。
以来、紆余曲折を経て生誕30年を迎える。SRがロングセラーになっている要因として、スポーツバイクの原点的な造り・構成であることが挙げられる。それを継承し続けていることがレトロムードを醸し出し、魅力になっている。
具体的には、まず空冷のOHCシングルエンジンだ。存在感と造形美にあふれる。車体も燃料タンクやサイドカバー、シートなど主な外装部品が独立したデザインで、質感が高くて美しい。クラシカルで落ち着いたスタイリングは、SR最大の美点である。
その基本的なスタイルを初代以来受け継ぎながらも、これまでに細部の変更は幾度となく行われており、完成度は高い。また、絶対性能の高さ求めず、華美な装備をせず価格を抑えているから買いやすい。だから、これまで何度か生産終了の危機もあったが、根強いファンに支持され継続している。
フレームや足まわりにも高い剛性や性能は与えられていない。だがエンジン性能や性格にマッチしている。バランスが取れているのだ。OHC単気筒エンジンも味わいがあり、淡々としたペースでゆったりと走って気持ちがいい。
ただし、エンジンもシャシーも手を加えれば、まったく別物のスポーツマシンに変身する。基本はレトロムードのシンプルできれいなバイクだが、懐は深いのだ。 |
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48万6150円 |
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平均価格 |
31万6000円 |
登録台数 |
2082台 |
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年式 |
76年〜07年 |
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エンジン |
空冷4ストロークOHC 2バルブ単気筒 |
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排気量 |
399cc |
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圧縮比 |
8.5 |
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最高出力 |
20Kw(27PS)/7000rpm |
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最大トルク |
29Nm(3.0Kgm)/6500rpm |
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変速機 |
リターン5段 |
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全長×全幅×全高 |
2085×750×1105mm |
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シート高 |
790mm |
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乾燥重量 |
152kg |
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燃料タンク |
12L |
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タイヤサイズ |
F:90/100-18 R:110/90-18 |
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当初フロントブレーキは機能重視でディスクだった。その後、ユーザーニーズに対応してドラムブレーキに変更されたが、01年型から十分な制動力を確保するためディスクに戻された。 |
左のハンドルグリップ部にはデコンプ・レバーが装備されている。これは始動時の圧縮を減らして、キック始動を容易にするための機構だ。SRはキックのみだが、これで初心者も安心。 |
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冷却フィンをもつ空冷OHC2バルブエンジンはSRの核であり、その造形は美しく魅力的。低回転域はスタタッと歯切れよく、OHC 単気筒としては中回転から高回転への伸びもいい。 |
ティアドロップ形の燃料タンクや音叉マークの立体エンブレムはクラシカルなデザインのひとつで、塗装も含めて質感が高い。タンクキャップは現代の装備であり、当然キー付きだ。 |
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メーターはスピード/タコの2連デザインで、メーターケースやヘッドライトケースはスチール製のメッキ仕上げ。それらのデザインと仕様は70年代のスポーツバイクの定番だった。 |
単気筒だからマフラーもシンプルに右側1本出しだ。エンジン下からすらりとリヤに伸びるフォルムとメッキの輝きが美しい。最近はこういうオーソドックスなマフラーが少ない。 |
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シートエンドには小振りで独自のデザインのカウル、メッキ仕上げの鉄製グラブバーが装備されている。このあたりのデザインもレトロな雰囲気でいい。リヤフェンダーも鉄製でメッキだ。 |
フロントフェンダーは最近では少ないスチール製のメッキ仕上げである。フロントフォークに装着されたラバーブーツも、クラシックなバイクの出で立ちを意識して取り入れたものだ。 |
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リヤサスはコンベンショナルな2本ショックで スイングアームは鉄製である。そしてドライブ チェーンのカバーは、ほかの多くのパーツと同 じようにスチールのメッキ仕上げとしている。 |
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中古車購入
ワンポイントアドバイス
ワイヤー編 |
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SRのようにクラッチが油圧ではなくワイヤー式の場合、ワイヤーがきちんと整備されているかチェックする。給油や調整がきちんと行われていないと、レバーが重かったり、ワイヤーがさびたり疲弊していて切れる可能性もある。 |
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不変のデザインを探る
途中でキャストホイール仕様が出たり、前輪ブレーキがドラムになったりした。フォークブーツも途中から付けられ、細部も変更されてきた。だが基本構成とデザインは初代から変わらない。なお、500は需要減によって00年型(99年の春に発売)が最終となった。 |
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2000年型(500cc最終モデル) |
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2000年型(ドラム最終モデル) |
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1978年型(デビューモデル) |
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