CB750　RC42　セル始動不良（引っ掛かり）　兵庫県西脇市（はぎはらモーターの作業実績 2020/01/08）｜バイクの整備・メンテナンス・修理店を探すなら【グーバイク(GooBike)】

今回は、以前からお悩みの始動時セルが回らない、ステックするの最終作業です。 問題は「ACジェネレーターダンパーASSY」と言う部品です。最終型に近いモデルは対策部品が搭載されていますが、それでも不具合は発生しました。 もし症状が出ている際や、現在悩んでいる方は、是非ご参考に。

先ず、エンジンを車両から外します。 クレードルフレーム自体外し難いですが、当車両サブフレームの様な、つなぎ目が御座いません。パワーでエンジンを外す事が必要です。 外す際は、基本的に外す部品（マフラー・タンク・キャブ・電装関係）以外に、へッドカバー・クラッチASSY・ACGなど、外すと少し軽くなり、下し易いです。

本当は、上から順に分解し、クランクケース単体まで外し分解交換するのが、パーツリストの交換工数から手順と思いますが、前回のスタータークラッチ交換時の手順にて、エンジンをひっくり返して、ロアケースを外し交換します。

中央近くの綺麗な部品がスタータークラッチ。 大概の車両は、乗って左のパルスジェネレーター近くに搭載されていますが、オルタネーターの構造上、エンジン中央にレイアウトさせているのが、当CB750。他に、CBR1000Fなども当レイアウト。 良いのか悪いのか？ショップにとっては、おいしい仕事カモですがね。

当パーツが、ACジェネレーターダンパーASSY。 CB750教習車両の④・⑦型が採用されています。一般車両では、クラッチ・プレートが何枚か入った、普通のクラッチの様な構造になっています。

左が新品で、右が搭載されていたモノ。 搭載品を画像の様に分解しましたが、クラッチ・プレートに減りや目立った焼けも無し。 ただ、もう一度組立、振ったら新品よりガタ音が多く、その程度の良否判定。スプリングワッシャーのみ交換でも解消する可能性は御座いますが、当部品はASSY供給のみです。

エンジン組付けにギヤを外しますが、カウンターシャフト上のインナーカバー取付の位置が決まっており、ボルト3本にて取付け、また液体ガスケットで、オイル侵入を止めているので、位置の確認が必要です。 適正な位置にて組付けないと、もう一度エンジン下部を外す必要が御座います。（過去にミスしたので）

搭載後、各パーツを取り付けます。

マフラー・キャブ・タンクなど搭載し、エンジンオイルを注入し、緊張の始動の瞬間です。

気持ちイイ、セル回転にて、エンジン分解時は少しタイムラグがありますが、エンジン良好に始動しました。 また、意地悪テストにて、キーONにて直ぐ始動、ミッションを入れて始動、暖気20分後の状態にて直ぐ始動、各テストしますが、スチック状態になる事は一切無く、気持良い始動にて、不具合は完全に解消されました。 当症状が発生したメカニズムを個人的に考えてみましたが、部品にてメーカー対策を施した部品が搭載されていますが、電装品の不具合が初期の発生原因と思われます。 発電不良+バッテリー不具合にて、推測ですが、勢い良くセル始動が出来なく、ストレスがスタータークラッチから、当ACジェネレーターダンパーに負荷が掛かり、極稀に不具合が発生していたと推測されます。 その後、当店が業者オークションにてベース車両として購入。基本的な電装不具合解消させたが、本原因ではなく、スタータークラッチ・エンジン腰上オーバーホールを実施するも改装できず、結果ACジェネレーターダンパーの不具合にて解消しました。

当不具合は、私がHondaディストリビューターサービス在籍時にも、事例を聞いた事が有り、当ACジェネレーターダンパーASSY対策済み部品搭載車両でも不具合が発生した本当に稀ですが、不具合発生車両があるという情報は知っており、エンジンオイルを低粘度にて対策でした。 しかし、教習車両なのでセル使用回数は、一般車両の比較出来ない程でしょう。当車両をユーザー様のご希望にて所有する事は、御座います。 もし、似た不具合にてお悩みの方は、ACジェネレーターダンパーの交換を。メーカー違えど、同じ構造のエンジンは多く存在します。