4ストローク機関のエンジンに搭載される、可変バルブシステムの仕組みや特徴
バイクのエンジン性能を最大限に発揮するために、バルブ可変システムが搭載されているバイクがあります。バルブ可変システムは、エンジンはもちろん、バイク性能を高めるためにも欠かせないシステムなので、ぜひ理解を深めておきましょう。
今回は、バルブ可変システムの仕組みや構造、エンジン性能との関係性を解説します。
可変バルブシステムの特徴や仕組み
可変バルブシステムとは、吸排気を行うバルブの開閉を一定間隔ではなくエンジン回転数に合わせて行うシステムを指します。一見、吸排気のバルブタイミングはエンジン動作に関係がないようにも感じられますが、エンジンに合わせた吸排気が出来るとエンジン効率を高めやすく、結果的にエンジンパワーを無駄なく発揮出来ることに繋がります。
可変バルブシステムは、主に4サイクルレシプロエンジンに搭載され、ピストンの「上昇・下降」が始まるタイミングに合わせて吸排気バルブが開閉する仕組みとなっています。
どのような構造でバルブを動かしているのか
吸排気バルブの開閉は、潤滑油のオイル圧力を利用した方法もしくは電力(磁力)を利用した方法で行われています。また、バルブの開閉タイミングは必ずしも相互対象とは限らず、吸気側・排気側のいずれか全てを閉じたりする場合もあり、これをバルブ片閉じ型と呼びます。
この他、気筒休止型と呼ばれる、バルブを閉じきって稼働シリンダーの数を減らす可変バルブシステム等もあり、いずれのバルブタイミングも車種やエンジンの動きに合わせて最適な状態を保てるよう設計・採用されています。

エンジンパワーとバルブタイミングの関係性
バルブ可変システムが搭載されているとスムーズな吸排気が行われますが、もしもバルブ可変システムがなく適切なバルブタイミングが保てない場合は、エンジンにどのような負担がかかってしまうのでしょうか。
答えは、「燃焼に必要な吸気が十分に行えないことでエンジンパワーを十分に発揮出来ない」、もしくは「不要な排気ガスを排出しきれず最大限の燃焼が出来ない」等の負担です。
燃焼室内で吸気が不十分だと、混合気の濃度が高まって上手く燃焼が出来ない可能性があります。また、不要な排気ガスを燃焼室内に残らせるようなエンジン駆動は、混合気の燃えカスや塵で燃焼室の劣化を招きやすくなってしまいます。
まとめ
可変バルブシステムは、単なる吸排気のための動作システムではなく、エンジン性能を最大限に発揮するために重要な役割を持っています。この記事を参考に可変バルブシステムの仕組みや構造を理解して、バイクエンジンの出力について知識を深めておきましょう。
本記事は、2017年11月30日時点の情報です。記事内容の実施は、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。