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フロントフォークにサビが出たらどうする?サビの落とし方や予防方法を解説

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フロントフォークは、バイクの走行安全性や乗り心地を決める大切なパーツです。ただし、日頃のメンテナンスや保管方法を誤っている場合、大事なフロントフォークにサビが生じることがあります。また、ライダーが住んでいる地域やよくツーリングに出かけるスポットなどの気候も、フロントフォークにサビを生じさせる要因になります。

今回は、フロントフォークの構造を簡単に紹介したうえで、このパーツにサビが生じる理由やサビを放置したときに起こる問題、サビの予防法、落とし方などを詳しく解説します。

フロントフォークの構造を簡単に説明

フロントフォークとは、バイクの前輪を支えるサスペンションです。フロントフォークのなかには、ダンパーとスプリングが内蔵されているのが一般的です。これらの機構によって、バイクの衝撃や振動を吸収することができます。

フロントフォークには、大きく分けて2つの構造があります。

  • テレスコピック式
  • リンク式

主流は、テレスコピック式です。この種類は、オイルダンパーが上下のどちらにあるかで、正立式と倒立式のどちらかにわかれます。テレスコピック式の場合、小径のインナーチューブが大径のアウターチューブに挿入されています。フロントフォークのなかでサビによる問題が起こるのは、インナーチューブという部品です。

フロントフォークの構造について詳しく知りたい方は、以下のページも参考にしてください。

フロントフォークって何?正立式や倒立式の違い、メンテナンスやセッティングについても解説!

フロントフォークにサビが発生する理由

フロントフォークにサビが発生する理由

フロントフォークのインナーチューブ表面には、メッキ処理が施されています。そのため、新車を購入した場合はインナーチューブがしっかりコーディングされていて、サビが発生しないように見えるかもしれません。

しかし、実際のメッキは、非常に薄いです。硬質クロムのメッキ皮膜の場合、数µm(マイクロメートル)~100µmほどしかありません。1µmは0.001mmとなりますから、実際のメッキは、多くの人の想像以上に薄いと思います。

また、メッキ皮膜には、人間の目では認識できない小さな孔やクラックという割れ目がたくさんあります。そのため、雨や湿気などを放置すると、クラックや孔から水分が侵入します。その結果、メッキと鉄素材であるインナーチューブとの間で、サビが生じてしまいます。

フロントフォークなどがサビやすい地域もある

フロントフォークのサビは、海に近い地域や豪雪地帯なども生じやすいです。その理由は、海水や融雪剤に含まれる塩分が関係しています。融雪剤の場合、路面に塩分が撒かれている状態なので、フロントフォークよりも路面に近い下回りもサビやすくなります。

フロントフォークのサビを放置するとどうなる

フロントフォークのサビによる問題は、具体的にどの部分にサビが発生しているかで大きく変わります。まず、インナーチューブがアウターチューブに沈み込む摺動部ではない場合、見た目が悪くなるだけで特に大きな問題にはなりません。摺動部とは、部品同士の接触部分のことになります。

一方で、摺動部がサビついた場合、サビがオイルシールを傷つけることでオイル漏れの原因になってしまいます。

フロントフォークのオイルが漏れるとどうなるの?

フロントフォークのオイル漏れが一定量を超えると、走行中の振動や衝撃の吸収が難しくなります。その結果、カーブの走行中にハンドルがとられたり、ハンドルがふらつきやすくなったりするのが一般的です。

また、漏れたオイルは、ブレーキのディスクやパッドに付着する可能性もあります。この場合、ブレーキが本来の役割を果たせなくなり、バイクの制動距離が伸びることもあるでしょう。

そして、一度でもフロントフォークのオイルシールに傷がつけば、オイル漏れが自然に止まることはありません。もし、オイル漏れにともなう異変に気付いたときには、早めに専門店に相談することが大切です。

フロントフォークのサビからオイル漏れが生じる状態になれば、単なるサビ落としではなく、インナーチューブそのものの交換やオーバーホールが必要となるでしょう。この状態になると、修理料金も高額になります。

したがって、フロントフォークにサビを見つけたら、後述する方法でなるべく早めに除去するのがおすすめです。

フロントフォークのサビを予防する方法

フロントフォークのサビは、以下の方法で予防できます。

バイクカバーをかける

いま現在、屋外でバイクを保管している人は、まず、バイクカバーをかけましょう。バイクカバーとは、車両を以下のようなものから守ってくれる商品です。

  • 汚れ(鳥の糞など)
  • 紫外線
  • 盗難、いたずら など

ただし、バイクカバーをかけていても、湿気は地面から立ち昇ってきます。そのため、バイクに乗る頻度が低い人は、長い間カバーをかけっぱなしではなく、晴天の日はカバーを外して風を通すようにしたほうがよいでしょう。

近年では、透湿防水素材のバイクカバーも発売されるようになりました。こうした商品を使っても風を通す作業は必要となりますが、湿気による問題を少しでも減らすために、カバー選びにこだわってみても良いとかもしれません。

湿気に強い地面の上で保管する

湿気の少なさでは、土や砂利よりもコンクリートの上に停めるほうがおすすめです。自宅の敷地内に砂利の駐車場しかない場合は、土や砂利の上に鉄板などを敷き、その上にバイクを停めるのも一つの手となります。

フォークブーツで保護する

フロントフォークをフォークブーツで保護するのもおすすめです。フォークブーツは本来、バイクのドレスアップで装着する人が多い部品です。しかし、このパーツを実際に取り付けてみると、インナーチューブが雨などに晒されにくくなることで、汚れやサビの予防効果も期待できます。

近年では、耐久性や耐熱性に優れたフォークブーツも登場しています。

乗車前や降車後に必ず水分を拭き取る

サビの原因が水分であることを考えると、雨や雪などの日にバイクに乗ったら、必ず水分を拭き取ることも大切です。例えば、ツーリング中にゲリラ豪雨などに遭遇した場合も、雨宿りを終えて再びバイクに乗る前に水分を拭き取れば、クラックや孔から侵入する水分を最小限にできるでしょう。

定期的に洗車をする

バイクのサビを予防するには、汚れたバイクをそのままにせず、なるべく早めに洗車することも大切です。先述のとおり、以下のような場所や時期に走行した場合、車両に多くの塩分が付着している可能性があります。

  • 海沿い
  • 冬~春の豪雪地帯

そのため、ツーリングから帰宅してバイクが汚れていたら、洗車をする習慣をつけたほうがよいでしょう。洗車時に以下のようなアイテムを活用すると、サビ予防効果も高まります。

  • 防サビ剤配合の洗車シャンプー
  • 防サビスプレー 

フロントフォークのサビの落とし方

フロントフォークのサビは、レベルによって落とし方が変わっていきます。ここではまず、いわゆる「点サビ」と呼ばれる軽めのものを落とす場合に必要な道具と、基本的な落とし方の手順を紹介しましょう。

フロントフォークのサビ落としで必要な道具

フロントフォークのサビを落とすときには、以下の道具を準備します。

  • カッターナイフ
    サビを削り落とすために使います
    スクレイパーでも代用可能です
  • 真鍮ブラシまたはスチールウール
    浮いているサビを落とすために使います
    力を入れる作業になるため、ハンドルつきの真鍮ブラシのほうが使いやすいでしょう
  • 耐水ペーパー(紙やすり)
    フロントフォークのサビ取りでは1000番が必須です
    光沢をしっかり戻したい場合は、1500番~2000番も用意します
  • コンパウンド
    仕上げ磨きに使います
    メタルコンパウンドを使うとツヤのある仕上がりになります
  • シリコンスプレー
    防サビに使います
    ただし、家庭によくあるKURE 5-56は、フロントフォークを傷めるためNGです
    ゴムを侵さないというポイントも重要となります
    防サビに特化したKURE 6-66もおすすめです

フロントフォークのサビ取りの作業手順

フロントフォークにおけるインナーチューブのサビは、以下の流れで落としていきます。

①マスキングテープで養生

シール部分などにカスが入ることを防ぐために、まず、サビ取り前にマスキングテープで養生します。

②カッターでサビを削り落とす

カッターなどの刃物で削り落とせるのは、摺動部以外の大きなサビだけです。摺動部の場合、シール部分などに傷がつくとオイル漏れの原因になってしまいます。

そのため、摺動部にはカッターナイフやスクレイパーなどは絶対に使わないようにしてください。カッターナイフで削り落とすときには、自分の力でインナーチューブに傷をつけないことも大切になります。

③真鍮ブラシ(またはスチールウール)でこする

早く効率的に作業を進めるために、大きめのサビは真鍮ブラシやスチールウールで擦ります。これらのアイテムを摺動部などに使うときには、必ず横向きに動かすようにしてください。

シールに縦方向の研磨痕が残ると、オイル漏れなどが起こりやすくなります。また、サビのないところを擦る必要はありません。

④耐水ペーパーで磨く

耐水ペーパーは、短冊状に細長くカットします。短冊状になったペーパーをインナーチューブに巻きつけると、物理的に手が届かないところのサビもきれいに落としやすくなるでしょう。

⑤コンパウンドで磨く

フロントフォークやインナーチューブのくすみが気になる、輝きを取り戻したい場合は、サビを落としたあとにコンパウンドを使ってもよいでしょう。

⑥シリコンスプレーを吹く

サビ止めのシリコンスプレーを使うのと使わないのとでは、今後のサビの生じ方が大きく変わってきます。シリコンスプレーは、施行部分に吹き付けたうえで乾いたウエスなどで拭き取れば作業完了です。

サビがひどい場合はどうする?

先述のサビ取り手順は、インナーチューブの軽い「点サビ」のときに有効な方法です。一方で、カッターナイフや耐水ペーパーでは簡単に落ちないほどサビがひどい場合、フロントフォーク自体をオーバーホールして、インナーチューブを交換する作業が必要になってきます。

フロントフォークのオーバーホールはセルフでも可能?

まず、倒立フォークの場合、専用工具をそろえる必要があります。メンテナンス初心者にとっては、作業の難易度も高めです。一方で正立フォークの場合、倒立フォークと比べるとセルフ交換しやすくなりますが、自信がないときには無理をしないほうがよいでしょう。

フロントフォークのサビ取りをセルフでできない場合は?

メンテナンス初心者の場合は、バイク専門店でフロントフォークのサビ取りやオーバーホールの相談をするのがおすすめです。バイクショップでは、フロントフォークにオイル漏れを生じさせるシールやインナーチューブの問題があった場合、以下の相場で修理を行なっています。

  • 正立フォーク:9,500円~
  • 倒立フォーク:13,500円~

フロントフォークの修理やインナーチューブ交換ができる専門店を探すときには、グーバイクを活用しましょう。グーバイクを使えば、自宅近くで安く修理をしてくれるショップの検索も行なえます。

フロントフォークの作業実績一覧

まとめ

フロントフォークのサビは、以下のような水分や塩分がインナーチューブに付着することで生じる可能性が高いです。

  • 水分:雨、雪、湿気 など
  • 塩分:海の潮風、土や砂、融雪剤 など

フロントフォークのサビが摺動部に生じた場合、シーリングを傷つけることで、オイル漏れの原因になる可能性があります。そのため、サビを見つけたら早めに除去することが大切です。また、以下の方法で予防することも重要となります。

  • バイクカバーをかける
  • 湿気に強い地面の上で保管する
  • フォークブーツで保護する
  • 乗車前や降車後に必ず水分を拭き取る
  • 定期的に洗車をする

フロントフォークのサビ取りは、セルフでも行なえます。しかし、カッターナイフなどでは取れないほどのひどいサビの場合は、インナーチューブの交換などを得意とするバイクショップに相談したほうがよいでしょう。

本記事は、2022年3月7日時点の情報です。記事内容の実施は、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。