バイクマフラーの錆び取りと塗装の手順をご紹介!
マフラーはバイクの顔といえるパーツの1つです。しかし鉄製のマフラーの場合、使っていくうちに段々と錆びていってしまいます。マフラーが錆びていると、ほかの部分をキレイにしてもどこか残念な感じに見えてしまいます。
そこで今回は、「バイクマフラーの錆び取りと塗装の手順」をご紹介します。マフラーがキレイになればバイクが見違えるので、ぜひチャレンジしてみてください。
バイクマフラーの錆び取り手順
鉄製のマフラーはそのままだと錆びてしまうため、クロームメッキもしくは耐熱塗料で表面がコーティングされています。クロームメッキの場合、錆び取り作業を行うとメッキまで取れてしまう点に注意してください。耐熱塗料の場合は塗り直せばまた元に戻ります。
マフラーの錆び取り手順
①まずはマフラーを車体から取り外す
まずはマフラーを車体から取り外します。エンジンとエキゾーストフランジを取り付けているボルトは特に錆びが進行しやすく、無理に力をかけると折れてしまうので注意してください。
「これ以上力をかけたら折れそう・・・」と感じたら、ボルトに潤滑剤を浸透させて緩ませましょう。そのほかにも、バーナーを使って熱膨張を利用してボルトを緩みやすくさせる方法もあります。
ボルトが根元から折れてしまうと自分で修復するのは困難です。折れないように注意を払うのはもちろんですが、もし折れてしまった場合はバイクショップなどプロに修復を依頼しましょう。
②マフラーのカバー類を取り外す
無事にマフラーが車体から取り外せたら、マフラーについているヒートガードなどのカバー類を取り外していきます。ヒートガードを留めているネジも焼き付いて固い場合があるので、その場合は潤滑剤などを駆使してボルトを緩めていきます。
カバー類のボルトが固くて取り外せない場合は、少し作業しにくいですがそのまま③に移行してもOKです。
③耐水ペーパーやワイヤーブラシで錆びを除去する
マフラーだけの状態になったら、いよいよ錆びを削り落としていきます。錆落としには耐水ペーパーやワイヤーブラシ、スチールウールなどがあると便利です。場所によって道具を使い分け、マフラー全体の錆びを削り落としてください。
錆びが酷くて手作業で落とすのが大変な場合は、ディスクグラインダーを使用するといいでしょう。グラインダーを使用する場合、砥石はペーパーディスクかワイヤーブラシがおすすめです。
バイクのマフラーがすぐ錆びるのはなぜ?
ほかの鉄製パーツに比べてマフラーは特に錆びやすい箇所です。「なぜマフラーだけがすぐに錆びるのか?」と疑問に思う方も多いでしょう。
その理由は、ほかのパーツに比べてマフラーが高温に晒されているからです。マフラーは走行中高温になり、停止すると常温まで冷えます。金属は熱膨張を起こすので、熱によって縮んだり膨張したりを繰り返しているのです。
頻繁に熱膨張を繰り返すことで、表面のコーティングはどんどん傷んでしまいます。ほかの鉄製パーツに比べてマフラーが錆びやすいのは、こういった理由があるからです。
バイクのマフラー塗装手順

マフラーの錆びが取れたら、再び錆びないようにマフラーを塗装してコーティングしましょう。なお、クロームメッキマフラーの場合、塗装するとシルバーか黒(塗料の色)になってしまう点をご了承ください。
マフラー塗装の流れ
①マフラーをキレイにする
マフラーの錆び取りが完了したら、塗装を行う前に濡れたタオルなどで表面を掃除し、脱脂を行いましょう。脱脂が十分でないと、塗装が乗らずに剥がれる原因になってしまいます。
②マフラーを塗装する
マフラーを脱脂したら、いよいよ塗装を行います。塗装には高温に耐えられる耐熱塗料を使用してください。塗装を行う際は換気の良い場所で、できるだけ天気の良い日に作業を行いましょう。
③乾燥させる
耐熱塗料は夏場で30分、冬は1時間程度で指触乾燥(触れる程度の乾燥)します。完全乾燥に必要な熱入れについては、後ほどご紹介します。
上手く塗装するコツ
①スプレーをよく振る
塗料の成分を均一に撹拌するために、スプレーをよく振ってから塗装を始めてください。
②スプレーする時に塗装するパーツに近寄りすぎない
スプレーはあまり近づけすぎると塗りムラや塗料が垂れる原因になります。塗装する対象物から20~30cm程度離してスプレーするのがキレイに塗るコツです。
③薄く塗り重ねていく
スプレーを薄く塗り重ねていくイメージで塗装するとキレイに仕上がります。1箇所に大量に塗料を吹き付けるのではなく、左右に移動しながら薄く均一に吹き付けていきます。
また、裏表を一気に塗ろうとするのではなく、「裏側を塗って乾燥→ひっくり返す→表側を塗装」の流れで作業しましょう(マフラーを吊るせる設備がある方は例外です)。
完全乾燥には熱入れが必要
耐熱塗料は普通の塗料とは違い、自然乾燥だけでは完全乾燥しません。熱入れをすることで初めて完全乾燥します。
熱入れのやり方は簡単で、マフラーを車体に取り付けて1時間程度走行すればOKです。排気熱で自然と焼き入れが完了します。
注意点として、熱入れが終わっていないマフラーの塗膜は弱いので、車体に取り付ける際はぶつけないよう慎重に作業してください。
まとめ
いかがでしたか?錆びてボロボロになってしまったマフラーも、手間をかけてリペアすることで美しい状態に戻すことができます。
マフラーがキレイだとバイク全体が美しく見えるので、この記事を参考に、マフラーの錆び取り・再塗装に挑戦してみてはいかがでしょうか?
本記事は、2020年1月30日の情報です。記事内容の実施は、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。