バイクのタイヤ空気圧の目安から調整の方法までを徹底解説!

うっかりチェックを怠りがちなバイクのタイヤの空気圧ですが、空気圧が不足するとグリップ力が低下したり燃費が悪化したりと様々な問題が発生します。安全・快適にバイクに乗るためにも日頃から空気圧をチェックするような心掛けが大切です。

そこで今回は、「タイヤの空気圧の目安や調整の方法」について解説していきます。

【バイクのタイヤ】適性な空気圧はどのくらい?

バイクに限らず車のタイヤもそうですが、タイヤにはメーカーが定める「指定空気圧」があります。これは車種ごとに異なり、車種ごとに最適な空気圧が設定されています。一般的には1.5~3.0kg/cm2の範囲であることが多いです。
タイヤの空気圧は高すぎても低すぎてもいけませんが、指定空気圧に合わせることで理想的なコンデションでタイヤを使うことができます。目安を知っておけば空気圧に迷うことがなくなるので、ぜひ指定空気圧を覚えておきましょう。
なお、指定空気圧はバイクのフレームやチェーンガード、スイングアーム付近などにあるラベルに記載されています。もしラベルが剥がれてしまっていた場合は、車種名をネットで検索すれば指定空気圧が分かります。

そもそもなぜタイヤの空気圧は減少するの?

タイヤはゴムでできているので空気を通さないイメージがありますが、実は分子レベルでは空気はタイヤのゴムを通過して抜けてしまいます。そのため、特にパンクや異物が刺さるなどの異常がなくても、いつの間にか空気が抜けていくのです。ちなみに、この現象は「自然空気漏れ」と呼ばれます。
自然空気漏れで減少する空気は、1ヶ月でタイヤ全体の約5%と言われています。例えば2.0kg/cm2のタイヤなら、1ヶ月で0.1kg/cm2の空気が抜ける計算になります(2.0×0.05=0.1)。

タイヤの空気圧を確認・調整する手順

タイヤの空気圧を確認・調整する手順

上記の通り、バイクのタイヤの空気圧は自然に減少します。そのため、定期的な確認・調整は欠かせません。
タイヤに空気を入れる場合、大きく分けて店舗にあるコンプレッサーを使う方法と、自宅で自転車用の空気入れを使う方法があります。それぞれの方法について、以下でご紹介しましょう。

ガソリンスタンドなどでコンプレッサーを使う場合

大きめのガソリンスタンドであれば、空気を入れるためのコンプレッサーが備え付けられていることが多いです。コンプレッサーは空気を圧縮する機械なので、バルブに接続したらトリガーを引くだけで簡単に空気が入ります。
コンプレッサーには空気入れ用のエアゲージがついているので、メーターを確認しながら指定空気圧になるように調整しましょう。空気を入れすぎた場合はリリースボタン(空気抜きボタン)を押せばOKです。
なお、コンプレッサーには据え置き型の「プリセット型」と持ち運びできる「タンク型」の2タイプがあります。タンク型は基本的にエアゲージ付きですが、プリセット型は本体側のダイヤルで希望の空気圧を指定するタイプもあります。

自宅でも自転車用空気入れを使う場合

意外に思うかもしれませんが、バイクのタイヤくらいであれば自転車用の空気入れを使用することが可能です。むしろ、自転車のほうが高圧まで空気を入れることもあるくらいです。わざわざガソリンスタンドまで行くのが面倒な場合は、自転車用空気入れを使うのも手でしょう。

ただし1つ注意点があります。空気入れのバルブの形状が“米式バルブ”に対応していないと、バイクのタイヤには使用できません。
自転車のバルブは英式や仏式のものが多いです。米式に英式のアダプターを噛ませて使うタイプの空気入れであれば、アダプターを取り外せば米式として使用することができます。もちろん、最初から米式に対応している場合はそのまま使用できます。
なお、自転車用空気入れにはエアゲージがないので、別途エアゲージを購入しておきましょう。空気を多めに入れておき、エアゲージで確認しながらボタンを押して空気を抜いて、指定空気圧に合わせるといいです。

干渉するときはエクステンションエアバルブを使う

ガソリンスタンドなどでコンプレッサーを使う場合、エアゲージの先端形状によってはホイールやブレーキディスク、スプロケットなどに干渉してバルブにはまらないことがあります。そんなときに便利なのが、「エクステンションエアバルブ」です。

単なるバルブの延長ですが、これを装着すればバルブの口を外に逃がすことができ、干渉することがなくなります。小さいアイテムで値段も安いので、1つ携帯しておくといいでしょう。

空気圧を調整する際の注意点

コンプレッサーは非常に高圧な空気を入れることができますが、それ故に空気を入れすぎるとタイヤが破裂する危険があります。実際に空気圧の単位の桁を読み間違えてトラックのタイヤが破裂し、死亡事故が起きていますので十分に注意しましょう。
目安ですが、10秒以上空気を入れ続けても指定空気圧に達しないと感じたら、それは単位を読み間違えている可能性が高いです。バイクのタイヤは通常2.0 kg/cm2前後の空気圧ですが、2.0 kg/cm2なら割とすぐに空気が入ります。
その他の注意点としては、空気圧を合わせるのはタイヤが冷えているときに行う必要があります。なぜかというと、走行直後の温まったタイヤの空気は熱膨張で高圧になっているからです。
専門用語では冷間・温間といいますが、指定空気圧は冷間時に合わせることを前提にしています。そのため、温間時に空気圧を合わせると実際には少し低めの空気圧設定になってしまうのです。

タイヤの空気圧は高低でどう変わる?

通常はメーカー指定の空気圧に合わせておけば問題ありませんが、状況や好みによっては多少高くしたり低くしたりするほうが良い場合もあります。
空気圧の高低でどのような変化があるのか、以下でご紹介します。

空気圧が高い場合

タイヤの空気圧を上げた場合、以下のような変化があります。

  • 乗り心地が悪くなる
  • 取り回しが軽くなる
  • 転がり抵抗が減って燃費が良くなる
  • グリップ力が下がる

空気圧を上げるとタイヤのたわみが少なくなり、シャープな乗り味になります。転がり抵抗が減るので燃費は良くなりますが、乗り心地は少し硬めになるでしょう。路面状況によっては接地感が薄くなり跳ねるようなフィーリングになることもあります。
グリップ力に関しては必ずしも下がるとは言い切れないところがありますが、一般的には接地面積が減るので低下すると言われています。

空気圧が低い場合

タイヤの空気圧を下げた場合、以下のような変化があります。

  • 乗り心地が良くなる
  • 取り回しが重くなる
  • 転がり抵抗が増えて燃費が悪くなる
  • グリップ力が上がる

空気圧を下げるとタイヤがたわむようになり、路面とのあたりがソフトな感じになります。路面の凹凸をいなしやすいので乗り心地は良くなる傾向ですが、その分転がり抵抗が増えて燃費は悪くなります。
空気圧を下げ過ぎると返ってグリップ力が下がることもありますが、適度な範囲であれば接地面積が増えるのでグリップ力が増します。峠などを走る際は、少し空気圧を下げたほうが、グリップ感が良くなると言われています。

基本は指定空気圧に合わせるべき

上記のように空気圧でフィーリングを変えることができますが、どちらもやりすぎると返って性能が悪くなる可能性もあります。良かれと思って空気圧を下げた結果、「グリップ力が下がって燃費も悪化、良いとこなし…」なんてことにもなり兼ねないのです。また、バーストしたりスリップしたりと事故の危険性もあります。
自分で良し悪しを判断できる場合はセッティングを楽しんでもいいと思いますが、慣れないうちは基本に忠実に、指定空気圧に合わせるのが無難でしょう。

タイヤの空気圧はどのくらいの頻度でチェックすべき?

「そもそもなぜタイヤの空気圧は減少するの?」の項目でも解説したように、タイヤの空気は自然な空気漏れによって少しずつ抜けていってしまいます。そのため、バイクに乗っていなくても空気圧のチェックは定期的に行うべきです。
では、安全にバイクに乗るためにはどのくらいの頻度でチェックすべきかと言うと、少なくとも「月に一度のチェック」をおすすめします。ガソリンを入れるついでに、コンプレッサーで空気圧をチェックする癖をつけておけば、自然とちょうどいい頻度でのチェックが行えるはずです。

タイヤに窒素ガスを入れるメリット

タイヤに入れる空気の代わりに、窒素ガスを入れるサービスがバイクショップなどにあります。タイヤに窒素ガスを入れるメリットはなんなのか?以下にご紹介します。

空気が抜けにくい

先ほど解説したように、タイヤの空気は分子レベルで通り抜けてしまうため自然空気漏れを起こします。窒素ガスは空気に比べて分子が大きいため、自然空気漏れが少なくなります。

不活性ガスなのでタイヤやホイールの保護につながる

窒素ガスは酸化しにくい特性を持っているため、タイヤ内部のゴムやライナー、バルブの酸化による劣化を防ぐ効果があります。また、ホイールの金属も酸化しにくくなるので保護に繋がります。

熱膨張しにくいため温度で空気圧が変化しにくい

先ほど冷間・温間について触れたように、タイヤ内部の空気は熱によって膨張します。窒素ガスは温度変化によって体積が変化しにくい特性があるため、タイヤの空気圧を一定に保つ効果があります。

まとめ

いかがでしたか?バイクにとってタイヤは重要なパーツです。安全に、そして快適にバイクに乗るためには、適切な空気圧管理が欠かせません。メーカーが定める指定空気圧を保つよう、定期的にチェックしましょう。
ガソリンを入れるとき、同時に空気圧チェックも行うことを習慣化しておくと、チェック漏れがなくなるのでおすすめです。

本記事は、2019年11月29日の情報です。記事内容の実施は、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。