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バイクのブレーキパッドを交換する方法とは?交換時期の目安やセルフ交換の手順・注意点などを解説

バイクのブレーキパッド交換は、定期的に行なう必要のあるメンテナンス項目です。しかし、バイク初心者の場合、その重要性や理想的なタイミングがわからないこともあると思います。

また、少しでもメンテナンス費用を節約するために、セルフでのブレーキパッド交換を検討している方もいるかもしれません。

今回は、バイクのブレーキパッドの役割と交換の必要性を確認したうえで、適切な交換時期やブレーキパッド交換のやり方、専門店に依頼した場合の費用などを詳しく解説します。

バイクのブレーキパッドの役割と交換の必要性

バイクのブレーキパッドは、ディスクブレーキに使用されている部品(パッド)です。タイヤのホイールと一緒に回るブレーキローターを挟み込むことで、タイヤを止める仕組みになっています。また、ブレーキパッドは、バイクだけでなく普通自動車にも付いている部品です。

ブレーキパッドの交換が必要な理由

ブレーキパッドは、ブレーキローターを挟み込んだときの摩擦で、バイクを止める役割を持つ部品です。バイクを前進させている「運動エネルギー」を、ブレーキパッドによる摩擦が「熱エネルギー」に変換して、前進する力を削ぐのです。そのため、何度もブレーキを使えば、それだけ摩耗してしまいます。

パッドがすり減りすぎた場合、ブレーキローターをしっかり挟み込む役割を担えなくなり、摩擦による熱エネルギーへの変換が思うようにできなくなります。このことから、ブレーキパッドは、ブレーキ系パーツのなかでも特に交換頻度が高い部品で、法律では重要保安部品にも指定されています。

ブレーキパッドの交換時期とは?

まず、ブレーキパッド交換の目安となる走行距離は、5,000km~1万kmとされています。ただし、ブレーキパッドの交換が必要かどうかは、パッドが「バイクを止める」役割を担えるかどうかで判断するものです。

例えば、毎週末にワインディングロードに行き、急カーブのたびにブレーキをたくさん使えば、5,000kmに達しなくても、ブレーキパッドがかなり摩耗している可能性が高いでしょう。

また、よく走行する道の状態(一般道路・高速道路など)や、普段の走り方などによっても、ブレーキパッドの交換頻度は変わってきます。

そのため、ブレーキパッドを交換するタイミングは、走行距離などの定量的な数字だけでなく、目視で確認する溝や厚み、音などからも総合的に判断する必要があるでしょう。

ブレーキパッドの厚みや溝からわかる交換時期

ブレーキパッドは基本的に、溝がなくなったら要交換です。ディスクブレーキの付いた一般的なバイクの場合、ブレーキキャリパーを目視するだけで状態をチェックできます。目安となるブレーキパッドの厚みは、以下のとおりです。

  • ブレーキパッドが5mm以上ある場合:走行時に異常がなければ、点検の必要なし
  • ブレーキパッドが5mm以下の場合:乗車前に点検する
  • ブレーキパッドが3mm以下の場合:早めに交換する
  • ブレーキパッドが1mm以下の場合:早急に交換する

ダブルブレーキの場合、左右の減り方に開きが出やすいため、必ず左右のチェックが必要となります。

ブレーキまわりから音が出たら要交換

ブレーキパッドの摩耗は、音からも判断できます。ブレーキをかけたときに「ゴーゴー」「キーキー」などの金属同士が擦れ合うような異音がした場合、それも交換サインと思ってよいでしょう。

音が出る状態でそのまま走行を続けた場合、次第にブレーキの利きが悪くなって事故などのリスクが高まります。また、摩耗でやわらかいパッドが減りローター自体が削られた場合、ブレーキキャリパーが壊れるなど、パッドだけの交換では済まなくなる可能性もあります。

メンテナンスコストを最小限にするためにも、ブレーキパッドの点検・交換は定期的に実施しておきたいところです。

車検でブレーキパッドの問題は指摘される?

定期点検を行なう時間がとれない、数ヵ月後に車検の予定がある人などの場合、「ブレーキパッドがすり減っていれば、車検で問題が指摘されるだろう」と考えているかもしれません。

しかし、車検ではブレーキパッドの残量ではなく、ブレーキが利くかの制動力を検査されます。そのため極端にいえば、パッドの残量が2mm程度であっても、ブレーキが利きさえすれば車検に通る可能性があるのです。

正規ディーラーやバイク専門店では、車検時に残量が少なければブレーキパッド交換を提案されます。

ただし、ブレーキ制動テストで見る項目が制動力であり、パッドの厚みではないと考えると、車検時に交換の判断を委ねるのではなく、やはり定期的点検や交換が不可欠といえるでしょう。

バイクのブレーキパッドをセルフで交換する手順

バイクのブレーキパッドはセルフ交換可能?やり方は?

バイクのブレーキパッド交換は、メンテナンス初心者には少し難しい作業です。しかし、他の足まわりパーツと比べると、以下のように簡単な工具で交換できる部品なので、メンテナンスに慣れた方であれば挑戦してみてください。

  • 新しいブレーキパッド
  • マイナスドライバー
  • 六角レンチ
  • グリス
  • パーツクリーナー
  • ブラシ(大小)
  • 雑巾やウエス
  • 小さなブラシ など

バイクのブレーキパッドをセルフで交換する場合の手順を説明します。

キャリパーを外す

キャリパーを外すには、まずパッドピンを緩めます。パッドピンの外側のボルトをマイナスドライバーなどで外し、パッドピンが出てきたら六角レンチで緩めておきます。この段階では、まだパッドピンは外しません。

次に、キャリパーを取り付けている2本のボルトを外します。組み立て時のトルク調整の目安とするため、外す前のボルトの位置をマーキングしておきましょう。

他のパーツに当てて傷付けないように、キャリパーをまっすぐ外します。無理に斜めに引っ張ると、曲げてしまう可能性があるため注意してください。

ブレーキパッドを外す

先ほど緩めたパッドピンを抜いて、キャリパーからブレーキパッドとパッドスプリングを外します。パッドスプリングには裏表があるため、外す前に向きを確認しておきましょう。ブレーキパッドの裏にシムが取り付けられている場合は、シムも取り外します。

部品の洗浄

キャリパーとブレーキパッドを外したら、パッドピンやパッドスプリング、パッドリテーナー、キャリパーピストンなどのパーツを洗浄していきましょう。

基本的にはパーツクリーナーとウエスできれいにし、サビや頑固な汚れは、紙やすりや真鍮ブラシを使って落とします。

キャリパーピストンを洗浄する際は、ブレーキを数回握って引き出しますが、引き出しすぎると抜け落ちてしまうため注意が必要です。ピストンプライヤーを使って回転させて、裏側の汚れもきれいに落としましょう。汚れを落としたら、ピストンプライヤーを使って回転させながら潤滑剤を全体になじませましょう。ピストンを戻す際に固い場合は、ピストンツールを使うと楽に戻せます。

  • 注意点

ピストンを戻すとき、まれにブレーキオイルがリザーバータンクから染み出ることがあります。ボディにブレーキオイルが付着すると塗装が剥げてしまうおそれがあるため、あらかじめリザーバータンクの周囲に水を含ませたウエスなどを巻いておきましょう。飛び散ってボディに付着してしまった場合は、あわてずにすぐ水で洗い流してください。

ブレーキパッドの取り付け

新品のパッドは、やすりなどで角を削るとブレーキの鳴きを軽減できます。パッドとブレーキローターの接触面が大きいほど制動効果が高まるため、削る量は極力減らしましょう。

新しいブレーキパッドを適切な位置に取り付けたら、パッドピンでキャリパーに固定します。ブレーキパッドに少しでも油分が付着すると制動効果が低下するため、ブレーキパッドの接触面は触らないようにしてください。

ピストンとブレーキパッドの裏が接触する部分にグリスを付けると、不快なブレーキ鳴きを軽減できるためおすすめです。ただし、グリスを塗りすぎるとチリやごみが付着しやすいため薄く塗る程度にし、余分なグリスは拭き取りましょう。

キャリパーの取り付け

キャリパーをセットしたら、2本のボルトを締めて取り付けます。ただし、ボルトはきつく締めすぎると壊れやすく、また緩すぎると外れやすいため規定の締め付けトルクで締めることが大切です。

トルクレンチを使うと安心ですが、持っていない場合は、ボルトを外す前にマーキングした締め付け位置を目安に締めましょう。

キャリパーを付けたあとは、ブレーキレバーを数回握ってブレーキパッドを押し出します。この作業を行なわないまま走り出すと、ブレーキが利かないため大変危険です。

セルフでブレーキパッド交換をするときの注意点

ブレーキパッド交換をセルフで行なうときには、以下のポイントに注意してください。

ネジ山を潰さないように気を付ける

ピンネジを外すときには、ネジ山を潰さないように、自分のバイクの規格に合ったマイナスドライバーを使いましょう。回すときに少しでも「固着しているかも」と感じたときには、押しつける力を最大限に引き出せるショックドライバーがおすすめです。

ショックドライバーを使った経験がない場合は、無理せずバイクの専門店に相談してください。

キャリパーの汚れを必ず落とす

ブレーキまわりはブレーキダストや走行時に跳ね上がったチリなどで汚れやすい箇所です。ブレーキ機能を正常に駆動させるためにも、パッドの取り付け前に部品の汚れを落とすことはとても大切です。

先ほど紹介した小さなブラシやウエスで汚れが落ちない場合、台所用の中性洗剤で水洗いをしましょう。ただし、水分はサビの原因になるため、洗浄後は水気をしっかりと拭き取ります。それでもきれいにならない場合は、キャブレタークリーナーの活用もおすすめです。

なお、固まっているカーボンを落としたり、ねじ切りのタップ・ダイスをしたりするときには、硬めの歯ブラシを使うとスムーズにできます。ワイヤーブラシはパーツ表面を傷付けるおそれがあるため、使用は控えましょう。

キャリパーを保護する

キャリパーを外したあとは、傷付けないように保護します。キャリパーをブレーキホースにぶら下がったままにすると、他のパーツに当たって傷付けたり、ブレーキホースに負担がかかってひびが入ったりするかもしれません。

外したキャリパーは袋に入れて、フロントフォークにぶら下げるなどして保護しましょう。

ブレーキパッドを交換せずに戻す場合の注意点

点検や汚れ落としのためにブレーキパッドを外した場合、パッドの減りが少なければ、もとに戻してそのまま使い続けることもあります。

この場合は、外すパッドに装着位置をマーキングしておきましょう。マーキングをせずにパッドを取り外してしまうと、左右を逆にして戻す可能性もあるためです。

右と左を逆にすると、ブレーキパッドとブレーキローターの当たりが変わって制動力低下の原因になる危険性もあります。そのため、バイクの安全性を維持するうえでも、一時的に外すブレーキパッドは必ず左右がわかるようにしておいてください。

新しいブレーキパッドの取り付け後は慣らし運転をする

ブレーキローターの表面は平らではなく、新しいブレーキパッドを取り付けた直後は、パッドとブレーキローターは部分的に接触しているだけの状態です。そのため制動効果が低下したり、異音が発生したりするかもしれません。

ブレーキを繰り返すうちに、ブレーキパッドの表面が慣らされてブレーキローターときれいに当たるようになります。

交換直後は約200kmの走行を目安に、ブレーキローターが熱くなりすぎないような優しいブレーキングを心がけましょう。慣らしの方法があらかじめ指定されている場合は、その方法に従ってください。

専門店で行なうブレーキパッド交換のメリットと費用

メンテナンス初心者の場合、バイクの専門店にブレーキパッド交換を依頼するのがおすすめです。ここでは、専門店に依頼するメリットや、交換費用も紹介します。

バイクショップでブレーキパッド交換をするメリット

バイクショップに依頼すると、以下のようなメリットがあります。

・工具を用意する必要がない

バイクショップに依頼をすれば、工具やウエスなどを自分で用意する必要がありません。
普段からあまり自分でメンテナンスをしない方は、わざわざ工具を一式そろえることに気が進まないでしょう。

専門店では、工具はもちろん、メンテナンス用の環境がしっかり整っているので、安心して任せられます。

・自分のバイクに合ったパッドを選んでもらえる

自分の車種に合ったパッドを選んでもらえる点も、大きなメリットです。ブレーキ性能を向上させたいなど、カスタム的な意味合いで交換する場合は、自分が求める走り方や好みを伝えてもよいでしょう。

・想定外の失敗・トラブルが起こらない

メンテナンス初心者が交換をする場合、ネジ山がなめてしまったり、汚れが落ちなかったりといった想定外のトラブルや失敗が起こりがちです。しかし、ブレーキパッドは重要保安部品であるため、作業の失敗が許されないパーツといえます。

先述の作業手順を読んで少しでも不安要素や疑問がある場合は、専門店のお世話になったほうが確実に交換を終えられるでしょう。

・他のパーツも点検・チェックしてもらえる場合がある

バイクの専門店では、パッドの交換にともない外した部品や足まわりについて、簡単なチェックも行なえます。そのため、セルフで点検する余裕やスキルがない場合、ブレーキパッド交換などの際に専門店を利用したほうが、トラブルも早期発見できるでしょう。

バイクショップにおけるブレーキパッドの交換費用

バイクのブレーキパッド交換では、ブレーキパッド代金+工賃がかかります。具体的な費用は、選ぶパッドの種類や、フロント・リアどちらを交換するかなどによって変わるのが一般的です。見積もりをとるときには、以下の相場を意識するとよいでしょう。

  • ブレーキパッド代:1,000円~2万円ほど
  • ブレーキパッド交換工賃:1,500円~4,000円ほど

どちらかといえば、フロントの交換工賃のほうが安い傾向があります。

お店での交換実績はこちらからチェックできます!
>>バイクのブレーキパッド交換に関する作業実績一覧

バイクのブレーキパッドの種類と選び方

ブレーキパッドは、安全に走行するために欠かせない消耗部品であるとともに、カスタムパーツいう特徴もあります。そのため、以下のような目的で取り替えるのもおすすめです。

  • 用途
  • 乗り方
  • 止まり方
  • ブレーキのフィーリング
  • 長持ち など

ここでは、ブレーキパッドにおける代表的な種類と、自分で選ぶときのポイントを紹介します。

バイクにおけるブレーキパッドの種類

まず、バイクのブレーキパッドを素材には、大きく分けて以下の2種類があります。

  • レジン系のブレーキパッド:繊維や金属粉を樹脂で固めたパッド
  • メタル系のブレーキパッド:金属粉を焼結して固めたパッド

レジン系・メタル系のなかでも、多くのライダーに選ばれているのは、次の3種類です。

・シンタードパッド(メタル系)

金属系の摩擦材を高温で焼き固めたパッドです。摩擦係数が高いため、制動力が強い魅力があります。表面が多孔性であるため、雨などの悪天候でも性能が変わりづらい点も大きな特徴です。ただし、コストが高い難点があるため、スポーツモデルでの採用が中心となります。

・セミメタルパッド(レジン系)

金属成分と樹脂を混ぜた摩擦材を使っています。素直なブレーキングが可能で、コントロールしやすい種類です。ディスクへの攻撃性は低いものの、雨などの悪天候では性能が落ちる難点があります。もともと価格が安い特徴があるため、最もスタンダードな種類として多くのライダーに選ばれています。

・オーガニックパッド(レジン系)

繊維系の素材を樹脂で固めた種類です。ディスクへの攻撃性が低く、ソフトなタッチからコントロール性の高い種類になります。ストリートでの優れたブレーキングや、独特のタッチに魅了された多くのライダーから支持されています。

バイクのブレーキパッド選ぶときの注意点

ブレーキパッドを選ぶときには、以下のポイントに注意が必要です。

・適合表で品番を確認

ブレーキパッドの形状は、バイクによって異なります。そのため、購入時には必ず適合表を確認してください。適合表がない場合は、バイクショップに相談をしたほうがよいでしょう。

・初心者には「純正品」がおすすめ

例えば、ワインディングロードを攻めるなどの特別な走り方をしなければ、基本的には、ツーリング用や街乗り用のブレーキパッドで十分です。初心者でパッド選びに悩んでいる場合は、幅広い使用環境に対応する純正品を選んでみてください。

・海外製より国産メーカーがおすすめ

海外製の商品は、ブレーキパッドに当たる摩材とバックプレートの接着が弱い傾向にあります。ブレーキパッドは、安全性にかかわる重要保安部品です。そのため、価格よりも品質重視で、国産メーカーの商品を選ぶことがおすすめとなります。

まとめ

バイクのブレーキパッドにおける交換時期の目安は、走行距離5,000km~10,000kmです。ただし、実際には、バイクの乗車頻度や走り方、気象条件によっても変わってきます。また、ブレーキパッドの厚み(残量)やブレーキまわりの音も大事な判断材料です。

バイクのブレーキパッドは、セルフ交換も可能な部品です。専用の工具を使って丁寧な作業を心がけましょう。交換のタイミングでブレーキまわりの汚れを落とすことで、ブレーキの制動機能の向上も期待できます。

ただし、このパーツがバイクの安全性にかかわる重要保安部品であることを考えると、初心者の場合は、バイクショップに依頼をしたほうが安心でしょう。

バイクショップでは、以下の費用相場でブレーキパッドの交換を行なえます。

  • ブレーキパッド代:1,000円~2万円ほど
  • ブレーキパッド交換工賃:1,500円~4,000円ほど

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>>バイクのブレーキパッド交換に関する作業実績一覧

本記事は、2023年6月6日時点の情報です。記事内容の実施は、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。

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