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バイクのヘッドライトのLEDとHIDはどう違う?交換方法や費用、おすすめのLEDヘッドライトも紹介

バイク走行における夜間やトンネル内での安全性を高めるには、メリットの多いLEDヘッドライトを取り付けるのがおすすめです。

しかし、実際にLEDライトを購入する場合、同じ売り場に並ぶHIDとの違いがわからないこともあるかもしれません。また、人によっては、メンテナンスコストを抑えるために、セルフでLEDヘッドライトを取り付けられるか知りたいこともあるでしょう。

今回は、まずバイクのヘッドライトにおけるLEDの特徴と、HIDとの違いを整理します。記事後半では、LEDヘッドライトにセルフで交換する場合の費用や方法、ショップで交換する場合の工賃、LEDライトを選ぶときのポイントなども見ていきましょう。ぜひ、交換時の参考にしてください。

バイクのヘッドライトに使われるLEDとは?

バイクのヘッドライトに使われるLEDとは?

LEDとは、電圧をかけたときに発光する半導体素子です。LEDという言葉は「Light Emitting Diode」を略したものであり、日本では「発光ダイオード」と呼ばれることもあります。

LEDの技術は、ロウソク、電球、蛍光灯に次ぐ第4世代の明かりとして、現代ではあらゆるライトに使われるようになりました。しかし、バイクのヘッドライトとして採用されるまでには、長い時間がかかっています。

製品化が難航した最大の理由は、誕生したばかりの白色LEDが、当時の主流だったハロゲンライトに比べて発熱効率が著しく低かったためです。白色LEDが発明された1996年頃は、LEDでは51m/Wほどの発熱効率しかなく、ハロゲンライトと同程度の明るさにするには300Wが必要でした。

このような背景から、バイク用のLEDヘッドライトが登場するまでには、白色LEDの誕生から10年以上の歳月がかかることになります。紆余曲折を経て、近年はLEDヘッドライトにおける多くのメリットから業界全体の注目度が高まり、技術も進歩したことで、幅広いバイクに搭載されることになりました。

バイクのヘッドライトのLEDとHIDの違いは?

バイクのヘッドライトは日々進化しており、近年では、古いバイクに取り付けられていた純正のハロゲンライトから、LEDなどの新しいバルブに交換するライダーが多くなりました。この場合の選択肢として目に留まるのが、ハロゲンライトとLEDの間に登場したHID(High Intensity Discharge)という種類です。

ここでは、LEDヘッドライトとHIDヘッドライトの特徴を項目別に紹介しながら、比較をしていきます。

消費電力

LEDの第一の魅力は、消費電力がとても少ないことです。一般的には、ヘッドライトとテールランプ、ウインカーをすべてLEDにすると、従来型のハロゲンライトと比べて消費電力が半分以下になるとされています。一方でHIDは、ハロゲンライトよりも多くの電力を消費する種類です。

バイクに以下のような複数のアクセサリーを取り付ける場合は、HIDよりもLEDを使ったほうがバッテリーも上がりづらくなるでしょう。

  • USB電源
  • ナビ
  • ドライブレコーダー
  • グリップヒーター など

発熱量

ライトユニットなどの部品を長持ちさせるうえでも、ヘッドライトは発熱量が低いほうがベターです。LEDの場合、消費電力の低さに比例して、従来のハロゲンライトよりも発熱しづらい魅力があります。一方で、HIDは放電によって発光するため、発熱量も非常に高いことが特徴です。

取り付けの簡単さ

HIDヘッドライトをバイクに取り付ける場合、以下のパーツや装置が必要となります。

  • バラスト:直流を交流に変換するパーツ
  • イグナイター:V数を昇圧させる装置

したがって、HIDを取り付ける場合、バイク本体側にこれらを収納するためのスペースが必要です。また、接続作業についても、メンテナンス初心者には難しい側面があるでしょう。一方でLEDのヘッドライトの場合、既存のバルブと差し替えるだけで交換作業が完了する商品が多く見られます。

明るさ

LEDヘッドライトが登場した当初は、明るさに関してHIDに軍配が上がっていました。しかし、近年では各メーカーの努力によって、HIDよりも明るいLEDライトが発売されています。

ただし、LEDでHID以上の明るさを実現するには、多くのコストがかかります。また、海外製の格安商品は明るさ以外の性能が落ちやすいことから、現状では国産メーカーのヘッドライトがおすすめといえるでしょう。

光の色

HIDは少し青みがかった白色であるのに対して、LEDの発光色は純白に近い色です。なお、バイクの車検を通すためには、LEDやHIDといった種類は関係なく、保安基準で定められた以下の色のヘッドライトを取り付ける必要があります。

  • 2005年12月31日までに製造されたバイク:白色もしくは淡黄色
  • 2006年1月1日以降に製造されたバイク:白色

ライトの立ち上がり時間

LEDは、電源を入れてからすぐに発光可能です。そのため、トンネルや高架下などに急に入るときにも、即座に100%の明るさで周囲を照らせます。一方のHIDは、電源を入れてから数秒すれば明るさが安定するものの、LEDと比べると少し時間がかかります。

バイクのLEDヘッドライトをセルフで交換する方法と費用

バイクのLEDヘッドライトは、自分でも交換可能です。ここで、作業の難易度、一般的な交換手順、セルフ交換にかかる費用を確認していきましょう。

LEDヘッドライトのセルフ交換の難易度は?

先述のとおり、LEDヘッドライトの場合、HIDのようにバラストやイグナイターといった部品を取り付ける必要がありません。

したがって、LEDヘッドライトの交換でやるべきことは、既存のバルブとの取り替えが中心です。バイクのメンテナンス全体で見た場合、難度はそう高くない作業といえます。

ただし、カウルが付いたバイクの場合、ヘッドライトユニットが見えづらい可能性があります。一般的には、ノンカウルのバイクと比べてカウルの付いたモデルのほうが、ヘッドライト交換や取り付けの難度は高めです。

LEDヘッドライトへの交換手順

先述のとおり、LEDヘッドライトの交換作業は、カウルの有無によって内容が少し変わります。

ここでは、カウルユニットのないアメリカンタイプについて、基本的な流れを紹介します。

  1. ヘッドライトユニットを固定しているネジを取り外す
  2. リムを引き出すように、ヘッドライトユニットを取り外す
  3. ヘッドライトバルブをコネクターから取り外す
  4. 防水用のゴムカバーを取り外す
  5. バルブを取り外す
  6. 新しいLEDバルブを取り付ける
  7. 防水用ゴムカバー、コネクター、ヘッドライトユニット、ネジの順で取り付けて作業完了

LEDヘッドライトのセルフ交換にかかる費用

LEDヘッドライトの値段は、メーカーや製造国、性能によってかなりの開きがありますが、価格相場は1,500円~15,000円程度です。HID以上の明るさを実現した商品の場合、製造コストの安い海外製では、性能が下がることがあるので注意してください。

明るさ重視でLEDヘッドライトを購入する場合は、信頼できる国産メーカーを選ぶのも一つのポイントでしょう。また、通販サイトなどを利用する場合は、多くのレビューがついている高評価の商品を選ぶのもおすすめです。

バイクのヘッドライトをLEDショップで交換する方法と費用

セルフでのLEDヘッドライト取り外しや取り付けが難しい場合は、バイクの専門店に交換してもらうことをおすすめします。

ショップに交換を依頼するメリットとデメリット

専門店に作業をお願いすれば、安全かつ確実に作業が完了するため、特にメンテナンス初心者におすすめです。また、あまりにも多くのLEDヘッドライトがありすぎて自分で選べない場合は、自分の愛車に合った商品を見つけてもらってもよいでしょう。

一方で、専門店を利用する唯一のデメリットは、工賃がかかる点です。

どのショップで交換対応してもらえる?

バイクのヘッドライト交換は、以下のような場所で交換してもらえます。

  • バイクのディーラー
  • バイクショップ
  • バイクの整備工場
  • ガソリンスタンド など

ディーラーの特徴は、純正のLEDヘッドライトに交換してもらえることです。ただし、設備なども整っている分、工賃などが少し高い傾向があります。

バイクショップと整備工場の魅力は、ディーラーよりも工賃が安く、純正以外のヘッドライトも選択できることです。なかには、販売店の中に併設されている整備工場もあります。ショップの場合は、店によって技術力に開きがあるようです。

ガソリンスタンドを利用する場合は、バイクのメンテナンスに対応できるかどうかを事前に確認するようにしてください。

ショップで実際に交換した事例

以下のショップでは、ヤマハのスクーター・ビーノ(AY02)の交換作業を行なっています。ハンドルを切ったときに、ハーネスなどと干渉しないところにコントローラーを固定することや、放熱性の良い場所を選ぶポイントなども紹介されています。
ヤマハのスクーター・ビーノ(AY02)の交換実績

ショップでのLEDヘッドライト交換にかかる費用

一般的なショップで交換する場合、以下の費用がかかります。

  • ネイキッドなど一般車:1,000円~6,500円程度
  • スクータータイプ(1灯):1,500円~15,000円程度
  • スクータータイプ(2灯):2,000円~20,000円程度

スクーターの場合、カウルの脱着やヘッドライトの加工が必要となるため、他の車種と比べて工賃が高くなりがちです。ちなみに、テールランプやウインカーなどの交換には、500円~1,500円程度の工賃がかかります。

お店での交換実績はこちらから確認できます!
LEDライトへの交換実績一覧

LEDヘッドライトの選び方と取り付け時の注意点

ヘッドライトをLEDにするときには、以下の点に注意が必要です。

電気には交流と直流がある

バイクのヘッドライトには、直流と交流の2種類があります。例えば、直流のバイクに交流のLEDバルブを取り付けても、ライトが明るく光ることはありません。

自分のバイクが直流・交流どちらかを調べることは可能ですが、セルフで簡単に取り付けたい場合は、直流交流兼用のヘッドライトを購入したほうが効率的でしょう。

収納スペースが確保可能か

LEDヘッドライトは、HIDと比べれば発熱量は少ないことが利点です。しかし、それでも熱を持つ特徴はあるため、多くのLEDバルブには冷却用のファンやヒートシンクのリボンが付いています。

これらのパーツを取り付けるとなると、やはりハロゲンライトよりはサイズが大きくなります。したがって、ライトをハロゲンからLEDに変えるときには、HIDほどではないものの、これらの部品のスペースを確保する必要があるでしょう。

車検に受からない場合がある

多くの大手メーカーでは、LEDヘッドライトの販売ページなどで「車検対応」と記載しています。しかし、LEDライトの光には強い指向性があるため、注意が必要です。場合によっては車検が通らない可能性もあるでしょう。

こうした問題が起こる理由は、LEDと純正のハロゲンライトでは、光の拡散の仕方が大きく異なるためです。したがって、バイク側の純正ヘッドライトハウジングがハロゲン用に設計されていた場合、新たに取り付けたLEDの光をうまく拡散しないこともあるでしょう。

この場合、法律で決められた基準をクリアできず、車検に通らない可能性も出てきます。純正のハロゲンライトからLEDに交換して車検に通らなかった場合、その場で元に戻す対応が求められることを頭に入れておきましょう。

外したハロゲンライトがまだ使える場合は、車検に備えて大事に保管しておいても良いかもしれません。

バイクのLEDヘッドライトでおすすめのメーカー

バイク用LEDヘッドライトのおすすめメーカーは、以下のとおりです。

DAYTONA(デイトナ)

さまざまなバイク用品を取り扱う国内メーカーです。多彩なLEDヘッドライトを取り扱っており、なかには、自動車用ライティング用品メーカー・BELLOFと共同開発した商品もあります。以下のような、関連アクセサリーの種類も豊富です。

  • LEDヘッドライトステー
  • LEDヘッドライトリレーキット
  • LEDヘッドライトのオートスイッチ

DAYTONA公式サイト(ヘッドライト、ウインカー、テールランプ)

fcl.

バイクと自動車のLED・HID専門店です。公式サイトには、バイク専用LEDヘッドライトの適合表も用意されています。セルフ交換をする場合に、愛車の純正バルブ形状がわからない場合は、fcl.の表をチェックしてみてもよいでしょう。

fcl.(エフシーエル)公式サイト

Street Cat

通販サイトなどで販売されている、中国製LEDバルブのブランドです。日本のバイクサイトでもレビューが多いため、利用者数の多いLEDを求める人におすすめできます。値段が安いところも魅力です。

口コミやレビュー、評価などの情報が多ければ、海外製品でも安心して購入しやすくなるでしょう。ただし、レビューの内容に違和感を覚えた場合は、日本企業が開発・販売しているDAYTONAやfcl.などを選んだほうが良いかもしれません。

まとめ

バイクのLEDヘッドライトは、HIDと比べて消費電力や発熱量が少なく、簡単に取り付けられるバルブの種類です。近年では、技術の進歩によって、HIDよりも明るいLEDライトも登場しています。

LEDヘッドライトは、カウルのないバイクであれば、セルフでも取り付け可能なことが多いでしょう。しかし、冷却用ファンやヒートシンクリボンの収納場所に悩んだり、バイクメンテナンスの経験がなかったりする場合は、専門店に依頼をしたほうが効率的でおすすめです。

本記事は、2021年11月30日時点の情報です。記事内容の実施は、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。

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