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バイクのセパハンとは?メリット・デメリットや交換の注意点

バイクのハンドルの種類はバラエティーに富んでおり、なかでもセパハンへのカスタムは多くの人から人気を集めています。それは、スポーツ走行に適した形状だから、カッコイイという理由が大きいようです。

この記事では、セパハンの持つメリット・デメリットやセパハンへの交換方法を解説します。また、セパハンカスタムにおすすめのバイクや交換の注意点についても紹介するので、ぜひ参考にしてください。

セパハンとは?

セパハンとはバイクのセパレートハンドルの略称で、左右に枝分かれした形状のハンドルです。英語圏では「Clip on Handles(クリップオンハンドル)」と呼ばれることもあります。

セパハンの形はメーカーによって多少の違いがありますが、基本的には似た形状です。

セパハンの絞り・垂れ

セパハンの理解を深めるために重要なポイントは、「絞り」と「垂れ」です。

絞りとは、バイクを上から見たときにハンドルの先端がどれくらい「すぼまっているか」を指します。一方垂れとは、バイクを前から見たときのハンドル先端の下がり具合です。

セパハンのバイクで上体を低く構える場合には、手首を自然な角度で使えるように絞りと垂れを調節します。セパハンの絞り・垂れの設定は、バイクを乗りやすくするために重要なポイントなのです。

なかには「絞りと垂れの角度が強いほど魅力的だ」という意見もありますが、乗り心地やビジュアルの好みを考慮しながら角度を設定するとよいでしょう。

セパハン以外のハンドルの種類

セパハン以外のハンドルにはバーハンドルがあり、略して「バーハン」と呼ばれています。

バーハンドルは一本の棒状のハンドルで、多様な形に加工できるため、さまざまな種類があります。

バーハンドルは、セパハンのようにタンクに干渉することがないため、ハンドルの切れ角が大きく、バイクを取り回しやすいことが特徴です。

バーハンドルにはさまざまな種類がありますが、ここでは代表的な6種類を紹介します。

コンチネンタルハンドル

バイクのハンドルとして一般的なものです。ネイキッドバイクなど、さまざまなバイクの純正ハンドルとして使われています。コンチハンとも呼ばれ、もっとも一般的な形状です。

コンドルハンドル

セパハンの形に似せたバーハンドルで、コンチネンタルハンドルの取手を切断してセパハンを溶接したような形になっています。特徴は、ハンドルにある突出部分です。多くのカフェレーサータイプのバイクに採り入れられています。

スワローハンドル

形状はコンドルハンドルと似ていますが、スワローハンドルには突出部分がありません。スワローハンドルも、カフェレーサータイプのバイクによく使われています。

ストレートハンドル

曲がった部分のない、まっすぐなハンドルです。ストレートハンドルが純正ハンドルに用いられることはあまりありません。しかし、無骨な雰囲気が魅力的であることから、カスタムアイテムとして人気のハンドルです。

アップハンドル

グリップの位置が比較的高いハンドルです。体を起こしたライディングポジションを取れるため、長距離ツーリングでも疲れにくい特徴があります。アメリカンタイプのバイクに使用されることの多いハンドルです。

セパハンのメリット・デメリット

カスタムとして人気のセパハンには、メリットとデメリットの両面があります。セパハンのメリット・デメリットをわかったうえで、ライディングを楽しみましょう。

メリット

代表的なメリットは、以下の3点です。

  • ビジュアル面の良さ
  • 優れたスポーツ性能
  • 操作のしやすさ

セパハンを装着したバイクはフロントのフォルムが低く見えるため、スポーティーで引き締まった印象のビジュアルになります。

また、セパハンはスポーツ性能に優れたハンドルです。

セパハン車のライディングポジションは少し前傾した姿勢となるので、前方から上半身が風を受ける面積が比較的小さくなります。そのため走行中の空気抵抗が軽減され、よりスポーティーな走行が可能です。

さらに、セパハンは自分の身長やライディングポジションに合った角度に調節できることから、操作しやすいというメリットもあります。適切な角度に調節した場合、走行中に体や腕にストレスがかかりにくくなり、コーナリングの際に前輪の感覚をつかみやすくなるのです。

デメリット

セパハンには、以下の3つのようなデメリットもあるため、装着に際しては十分に理解しておく必要があります。

  • 疲れやすい
  • 転倒した場合のリスク
  • 取り回しのしにくさ

セパハンを適切な角度に調節した場合でも、他のハンドルと比べてハンドル位置が低くなってしまうのは避けられません。

そのため、ハンドルを握る手や腕に体重がかかるうえ、やや首を上げないと視線を確保できないなど、疲労がたまりやすくなる可能性があります。

また、セパハンのバイクが転倒してしまった場合には、バーハンドルのバイクよりも車体の受けるダメージが大きくなる恐れがある点も、デメリットの一つです。

バーハンドルでの転倒時は、ハンドルが支えとなり車体やタンクがダメージを受けにくい傾向があります。一方、セパハンは長さが短く角度が大きいことから、転倒時にタンクがへこむなど、ダメージを受けるリスクが高いのです。

さらに重量級のバイクの場合、セパハンを装着していると取り回しがしにくいというデメリットもあります。

ハンドルが低い位置にあることから、タンクとの干渉を防ぐ目的で、セパハンのハンドルの切れ角はバーハンドルと比べて小さいことが一般的です。そのため、低速走行や押し引きする際の取り回しはしにくいといえるでしょう。

その他、セパハンは「てこの原理(小さな力で大きな力を生み出すこと)」が働きにくい性質があります。低速走行時に転びそうになった場合、力で支えられずに車体を倒してしまったり、倒したあとに起こしにくかったりするケースもあるでしょう。

セパハンに交換する方法

バーハンドルからセパハンへの交換時に、必要となる工具と交換手順を説明します。

交換に必要な工具

ハンドル交換の作業では、以下の工具を用意しておくことをおすすめします。

  • プラスドライバー
  • マイナスドライバー
  • パーツクリーナー
  • 潤滑スプレー
  • ラジオペンチ
  • カッターナイフ
  • ソケットレンチ
  • メガネレンチ
  • 六角レンチ
  • ステアリングステムレンチ
  • ゴムハンマー

ステアリングステムレンチはステムナット専用のレンチですが、適合ナット径が30mm前後のものを用意するとよいでしょう。詳しいサイズは、実際の車体やハンドルを見て確認してください。

ゴムハンマーは、トップブリッジを取り外す際にあると便利です。

また、汎用品のセパハンにスイッチを取り付ける場合は、穴あけドリルも準備しておくとよいでしょう。

セパハンに交換する手順

バーハンドルからセパハンへの交換手順は以下の4ステップです。

ステップ1.バイクの部品を取り外す

スイッチ類やブレーキマスターなどの、バイクのハンドルに付いている部品を取り外します。ミラーも外す必要がありますが、車種によっては「逆ネジ」になっている場合があるため、破損に注意してネジを回しましょう。

各部品を取り外し終えたら、既存のバーハンドルとトップブリッジを外します。

ステップ2.セパハンを取り付ける

用意しておいたセパハンをバイクに取り付け、トップブリッジ下またはフォークにクランプで固定します。

ステップ3.各部品の取り付けと調整を行なう

トップブリッジを取り付け、ブレーキやクラッチ、ワイヤーの配線を処理します。処理ができたらスイッチ類やグリップを取り付け、ワイヤー類の配線を調整しましょう。

ステップ4.セパハンの周りをチェックする

取り付けたセパハンがガタついていないか、ハンドルを切ったときに異音は発生していないかといった点をチェックします。

セパハンの交換作業は個人でも行なえますが、スイッチ類やブレーキマスターなどの取り外しは非常に繊細な作業です。

パーツの取り外しや組み立てが心配な場合は、無理に自分で作業せずに専門店に相談することをおすすめします。

セパハンに交換したバイクの操作のポイント

セパハンに交換したバイクの操作のポイント

ハンドルをバーハンドルからセパハンに交換したバイクは、ハンドル位置がかなり低くなります。そのため、交換直後は違和感を覚える可能性もあるでしょう。

そこで、ハンドル交換を行なったばかりのセパハン車を安全に操作するために、押さえておきたいポイントを2つ紹介します。

セパハン車の取り扱い

セパハンのバイクは、走行時だけでなく押し引きによる取り回し時にも十分な注意が必要です。問題なく押し引きを行なえるか、車体は垂直になっているかといった点を念入りにチェックしましょう。

また、万が一バイクを転倒させた場合、セパハンだと起こしにくい可能性があります。ハンドル以外の部分に支えを作っておくことで、倒れた車体を起こしやすくなるでしょう。

車体への転倒被害を抑えるために、エンジンガードの装着するのも方法の一つです。

セパハン車のUターン

ハンドルの位置が低いセパハンは、バーハンドルと比べてUターンしにくい傾向があります。動きながらのUターンは危険度が高いため、慣れるまでは停止状態からのUターンがおすすめです。

セパハンでUターンする際は、以下の3つのポイントを意識しましょう。

  • 目線
  • アクセルグリップ
  • リアブレーキ

スムーズなUターンを行なうには、目線で先を見ることが大切です。一口に目線といっても、目を動かすだけでなく首から曲げるようにします。

また、アクセルグリップの握り方についても、コツをつかんでおくことが大事です。セパハンでのUターン時は、ハンドルが切れた際にタンクに当たるのを避けるために、アクセルグリップは斜めもしくは横から握りましょう。

リアブレーキをしっかりと踏むことも、セパハンでうまくUターンするポイントの一つです。旋回しはじめてから加速するまでの間は、リアブレーキを踏んで引きずったままでいるイメージでUターンしてみてください。

セパハンにカスタムするのにおすすめな車両

セパハンは、バイクをカフェレーサーにカスタムする場合に、使用されることの多いハンドルです。カフェレーサーとは1960年頃にイギリスで発祥したスタイルで、速く走るためにバイクを改造し、セパハンやシングルシートなどを装備したバイクを指します。

ここでは、ハンドルをセパハンにカスタムする際にベース車両としておすすめしたい車両を3つ紹介するので、ぜひ参考にしてください。

ヤマハ SR400

単気筒スポーツバイクの代表格な存在のヤマハ「SR400」は、1978年から2021年まで生産されていたバイクです。タンクの曲線が美しく、シンプルでセンスの良いデザインを持っているため、生産終了後もなお高い人気を誇っています。

走行性能を強化するパーツや、デザイン性に富んだカスタムパーツが豊富にあるので、カフェレーサーを含めさまざまなカスタムがしやすいバイクです。

ホンダ GB350

ホンダ「GB350」は、2021年4月から発売されているロードスポーツモデルです。

美しい空冷・単気筒エンジンは、トルク感の力強さや味わいを実現。ビジュアルは、落ち着きとアクセントのバランスが絶妙にマッチした、クラシカルな雰囲気です。

カフェレーサーにカスタムする際のベース車両として、おすすめといえるでしょう。

カワサキ W800

カワサキ「W800」は、イギリス風のレトロかつ重厚なデザインや、空冷並列2気筒エンジンの乾いたサウンドが魅力的なレトロ・スポーツです。

シリーズには、スタンダードモデルである「W800」のほかにスポーティーな「W800ストリート」と、カフェレーサーに仕上げられた「W800カフェ」が用意されています。

純粋にバイクを乗りこなす喜びは、往年のビッグバイクに乗る楽しさを与えてくれるでしょう。

セパハン車のアクセサリー3選

セパハンに交換したあとは、アクセサリーもセパハンとの相性が良いものに変えてみるのはいかがでしょうか。快適なツーリングを実現できる、おすすめのアクセサリーについて説明します。

ミラー

ハンドルの位置が低いセパハンには、できるだけ低いところに取り付けられるミラーが適しています。バーエンドタイプやステーの短いタイプのミラーなど、車体に似合うミラーを探してみましょう。

セパハンに合うミラーを選ぶ場合は、ブレーキやクラッチを操作するときに手がミラーに接触しないように、前にせり出したようなデザインがおすすめです。

ヘビーウェイトバーエンド

走行時に振動が気になる場合は、ヘビーウェイトバーエンドの設置を検討してみてはいかがでしょうか。重いバーエンドであれば、その分手に伝わる振動を軽減できます。

重さとデザイン性のバランスを考えながら、乗り心地をアップしてくれるヘビーウェイトバーエンドを探してみてください。

スマートフォンホルダー

ハンドルが比較的短いセパハンには、スマートフォンホルダーを設置しにくい傾向があります。バーホルダーを設けてスマートフォンホルダーを取り付ける必要性も出てくるでしょう。

ただし、最近はセパハンに取り付けられるスマートフォンホルダーも販売されています。フォークステムのチューブに挿し込んで、スマートフォンホルダーを設置するタイプなども用意されているため、簡単に取り付け可能です。

セパハンに交換する際の注意点

セパハンにカスタムする際に、注意しておきたいポイントが2つあります。

車検

ハンドルをセパハンに交換したことによって、車体の幅が車検証に載っている値よりも2cm以上大きくもしくは小さくなった場合は、車検に通りません。また、車体の高さが4cm以上高くもしくは低くなってしまう場合も同様です。

車体幅2cm以内・車体の高さ4cm以内の変更であれば、軽微な変更の範囲であるとみなされ、変更手続きなどは必要ありません。

構造等変更検査

カスタムしたあとの車体幅・車体の高さが、前述の軽微な変更の範囲を超える場合は、構造等変更検査を受けなければなりません。

道路運送車両法第67条では、車検証の記載事項に変更が生じたときには15日以内に車検証への記入を受けなければならないと定められています。

構造等変更検査では、必要な書類をそろえて運輸支局または自動車検査登録事務所で車両を提示し、検査を受けます。検査に通れば、検査日から2年間有効となる車検証を発行してもらうことが可能です。

まとめ

セパハンは、バイクをスポーティーで引き締まった印象にしてくれるハンドルとして、人気のカスタムパーツです。また、ビジュアル面のメリットだけではなく、走行中の空気抵抗を軽減するメリットもあります。

ただし、バイクをセパハンにカスタムしたあとはハンドルの位置が低くなるため、走行や取り回しのポイントを押さえておくことが大切です。

セパハンへの交換作業には複雑な工程も含まれるため、気になる点がある場合はバイク整備・カスタムの専門店に相談してみましょう。

本記事は、2023年4月25日の情報です。記事内容の実施は、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。

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