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アーシングの効果を解説!旧車バイクが性能アップするって本当?

アーシングは、もともとレーシングカーに使われる技術ですが、数年前からは一般チューニング市場にも広がりました。バイクへアーシングをした方たちからは「エンジンがかかりやすくなった」「何も変化がなかった」など、さまざまな声が聞かれます。そのため「アーシングの効果ってあるのかな?」と、疑問に思う方も多いのではないでしょうか。

この記事では、バイクに施すアーシングの効果を詳しく解説します。また、アーシングを施す前に知っておくべき注意点などもお伝えするので、最後までご覧ください。

そもそもアーシングとは?

アーシングとは、バッテリーのマイナス極からバイクの各部に電気抵抗の低い線をつなげ、電流を安定させるものです。別名「アースチューン」「アースボンディング」とも呼ばれ、かつては車やバイクを補修するチューニングとして行なわれていました。

一般的に電気は、プラス端子からプラグやライトへ流れて消費され、車体を通してマイナス端子のバッテリーに戻るものです。電気は鉄製の車体を通ると抵抗を受け、電圧が低下していきますが、そうなると各部へ流れる電気の量が減り、バイク本来の能力を発揮できなくなります。

そこで、電流をスムーズにするために行なうのがアーシングです。各部のマイナス極側にアーシング専用ケーブルを接続し、電気を直接バッテリーに戻します。直接バッテリーに電気を戻して電圧低下を最小限に抑えることで、電流をスムーズにします。

なお、バイクのアーシングは、おもに以下4つの場所に設置可能です。

  • エンジン
  • フレームに設置されているアーシングポイント
  • ジェネレーター部分
  • ノロジーアース接続ポイント

上記の各部分にアース線を増やすと、走行中に発生した静電気を多く除去できます。各部に帯電した静電気を除去して電流を安定させることで、効率良く電圧が供給できるわけです。

アーシングは、2000年以降にインターネットや自動車情報誌などで注目されてから、今もなお多く行なわれています。では、バイクに施すアーシングには一体どのような効果があるのかを、以下で解説していきます。

バイクに施すアーシングの効果とは?

バイクに施すアーシングの効果とは?

バイクへのアーシングの目的は、電子部品の性能を安定的に発揮させることです。アーシングにより電気回路が増えて電流が安定することで、以下のような効果が期待できます。

1.ライトの光量が上がる

バイクにアーシングを施すことで、ライトの光量が上がります。バイクのライト光量アップには、オームの法則が深く関係しています。オームの法則とは、ドイツの学者「オーム」が1826年に発見したもので「電流の強さは電圧に比例し抵抗に反比例する」というものです。式は「電流(A)=電圧(V)÷抵抗(Ω)」で、電圧抵抗が少なければその分、電流が大きくなります。

アーシングによって抵抗が小さくなって電流が大きくなることで、電飾系パーツの動作が安定します。以上のことから、バイクへのアーシングは、ヘッドライトの光量アップにつながるといえるでしょう。

2.点火系が安定する

電流がスムーズになり安定して供給できるようになると、以下のような点火系の向上が期待できます。

  • 燃焼効率が上がり燃費が向上する
  • 低・中速域におけるトルクが向上する
  • スロットルレスポンスが向上する
  • エンジン高回転域が安定する
  • アイドリングが安定する
  • 排気の清浄化につながる

上記のなかでも、燃焼効率が上がることによる燃費向上は、ご存じの方も多いのではないでしょうか。アーシングを施すとエンジンに効率良く電気が流れるようになり、トルクやレスポンスが良くなります。

電気供給の安定によってアクセルを余分に踏み込まずに済むため、燃費向上につながります。レスポンスが速くなることで、加速性能アップに貢献するのも大きなポイントです。

さらに、エンジン周りにアーシングを行なうと、エンジンのかかりが良くなることも挙げられます。一般的にエンジンは、空気と燃料の混合気に点火プラグの火花を付けて稼働しています。アーシングによって通電効率が上がると、点火プラグが火花を起こしやすくなり、エンジンがかかりやすくなるという原理です。

3.ラジオのノイズが軽減する

バイクによるアーシングは、ラジオのノイズを軽減させる効果もあります。というのも、ラジオのアースは、ボディに接続されていることが多いからです。

基本的に、アンテナが正常の場合にノイズが発生するのは、アースに原因があると考えられています。バイクのボディは電気部品のアースの役割を持ち、ノイズを拾いやすくなっています。

アーシングを施し、ボディを通さずにバッテリーへ電気を流すことで、ノイズの影響を受けにくくなるのです。

アーシングは旧車バイクのほうが効果があるって本当?

アーシングによるライトの光量アップや点火系の安定などの効果は、バイクの種類や状態、環境で差がありますが、一般的には「旧車のほうが効果がある」といわれています。これは、もともとアーシングが、古くなった車やバイクの電気の通り道を復活させる目的で始められたからでしょう。

実際のところ、旧車と新車で効果の差があるのかを解説します。

古いバイクのほうが効果を得やすい

アーシングの効果が期待できるのは、おもに長年乗ったバイクが経年劣化によって電気抵抗が大きくなっているときです。バイクは雨に濡れたり潮風に当たったりすると、車体の各部にサビや腐食ができることがあります。電気配線にできたサビや腐食は電気抵抗に大きく影響し、電気の流れを妨げてしまうのです。

さらに、トラブルなどでエンジンが脱着したり、転倒したりして故障することも少なくありません。バイクを長年使用して、ターミナルやボンドケーブルなどが劣化すれば、導通も悪くなっていきます。そうなったときに、すべての劣化部分を修理できれば問題ありませんが、残念ながら現実的ではないでしょう。

電気の通りはアーシングの力によって、回復させることが可能です。電気の通りが良くなれば、ライトが明るくなったり点火系が安定したりします。これが旧車のほうが効果を得やすいといわれる理由です。

ただし先述のとおり、アーシングによる効果はバイクの経過年式や状態、装備の有無などによって変わります。どのくらいの効果が得られるのかは、実際にアーシングをしてみないとわからないことを頭に入れておきましょう。

グーバイクでは、バイクの専門業者によるアーシングの作業実績を紹介しています。
バイクへのアーシングの作業実績

新しいバイクにアーシングをしても効果はない?

古いバイクのほうが効果を得やすいとなれば、「新しいバイクでは効果はないの?」と疑問に感じる方もいるでしょう。

新しいバイクは、フレーム・エンジン・ボルトがしっかり固定されています。当然、サビや腐食もない状態です。最初の時点で接触面積が広く、アースも確保されているため、新しいバイクにアーシングを施しても効果を実感しにくいのです。

ただし、メーカーはバイクの性能を最低限維持できるアースを確保しているだけなので、追加でアーシングすると多少の効果を得られるケースもあるでしょう。

バイクのアーシングを行なう前に知っておくべきこと

バイクのアーシングを行なうにはいくつかの注意点がありますが、なかでも注意したいのは、以下の4点です。

  1. 火災の原因になる可能性があること
  2. 故障の際にメーカー保証を受けられなくなること
  3. ライト類やバッテリーの劣化が早くなること
  4. 本来の能力以上にパワーアップするわけではないこと

アーシングは、間違って接続してしまうと火事や故障の危険性があるため、注意が必要です。以下でアーシングを行なう前に知っておくべき注意点をまとめたので、しっかり把握しておきましょう。

1.火災の原因になる可能性があること

アーシングは、バイクのアース線を増やしていく作業です。アーシングを施す際に以下2つのことを行なうと、アース線が溶けてショートするおそれがあるため注意しましょう。

  • アース線が他の線に触れる
  • ラジエーターなどの高温になる部分の近くにアーシングをする

最悪の場合、火災につながることもあります。事故を未然に防ぐために、「高温になりやすい部品から離す」「他の線と接触しないようにする」を意識してアーシングしましょう。

2.故障の際にメーカー保証を受けられなくなること

バイクにアーシングを施すと、バイク故障時にメーカー保証を受けられない可能性があります。バイク内にアース線を増やすとそのバイクは改造車扱いとなり、基本的に改造車は、事故や故障が発生したときにメーカー保証を受けられないからです。

メーカーにもよりますが、アーシングを施したバイクも対象外となる可能性が高いため、注意しましょう。さらに以下の場合でも、メーカー保証が受けられない可能性があります。

  • アース線の接続ミスでショートした
  • アーシングの途中で誤って電流が流れて故障した

自分でバイクにアーシングを施す場合は、ある程度の電気工学の知識を持っておくと安心です。

3.ライト類やバッテリーの劣化が早くなること

バイクにアーシングを施すと、ライト類やバッテリーの劣化が早くなることがあります。これは、アーシングで効率良く電気が流れることで、部品の寿命が短くなるからです。

電気系統の効率が上がって装着前よりも高い性能を発揮できる分、接続部の部品の消耗が激しくなります。例えば、アーシングによってヘッドライトが装着前より明るくなった場合、交換する頻度が高まるでしょう。

なお、バイクにアーシングをやりすぎると、バッテリーが上がることがあります。そのため、アース線を増やしすぎないように注意しましょう。

グーバイクでは、専門業者によるバイクのバッテリー交換の作業実績を紹介しています。以下より確認できるので、参考にしてみてください。
バッテリー交換の作業実績

4.本来の能力以上にパワーアップするわけではないこと

ここまで、アーシングは燃費向上やライトの光量向上などの効果があるとお伝えしてきました。しかし、決してバイク本来の能力以上に、パワーが上がるわけではありません。

アーシングは、経年劣化などで力を発揮できなくなった部分に施すことで、本来の性能に近づける技術です。アーシング前と比べるとパワーアップしたように感じますが、そのバイクが持つ性能を超えることはありません。

ただ、劣化した部分が本来の能力に近づくことで、新車当時の性能を体験できるでしょう。

バイクのアーシングに適したケーブル

バイクのアーシングには、適したケーブルがあります。直流電源なら線全体に電気が流れますが、電流が急激に変わる高周波電流は、線の表面にしか流れません。決してどのような線でも良いわけではなく、専用のケーブルを選ぶ必要があります。

バイクのアーシングに適しているのは、耐熱性や耐候性があるものです。耐熱性がないものを使用すると、エンジン内でアース線の皮膜が溶けて火災の原因になります。そして、単線(一本線でできている線)よりも、複数の細い線が編んである「より線」のほうが、やわらかくて取り回しがしやすくおすすめです。

また、アーシングに圧着端子を使用する場合は、柔軟かつ強靭な銅線用の端子を使うと安心です。圧着端子は、V型を使うと走行中の振動で抜け落ちる可能性があるため、丸型をおすすめします。

バイクへのアーシングは業者に依頼するのがおすすめ

アーシングは旧車のほうが効果を得やすいことから、劣化した部分に施すのがよいでしょう。ただし、配線のミスなどで火災や故障の原因になる可能性もあるため、注意が必要です。

電気系に詳しい方であれば問題ありませんが、知識のない方や苦手意識のある方が自分で行なうのは、あまりおすすめしません。もし自分でアーシングをするのが不安であれば、バイクの専門業者に依頼するのがおすすめです。

費用はかかるものの、業者に依頼すれば正しい方法で正確にアーシングをしてくれます。業者によっては、ケーブルなどを自分で購入して持ち込むことも可能です。

こちらから、バイクの専門業者のアーシング作業実績の様子を確認できるので、参考にしてみてください。
専門業者によるアーシング作業実績

まとめ

アーシングは、電気系統にあるマイナス極への抵抗を減らし、電流を安定させるものです。経年劣化などで本来の力を発揮できなくなったバイクに施すと、ライトの光量アップや燃費向上などの効果が期待できます。

とはいえ、アース線の接続ミスなどで、火災や事故の原因になるといったリスクがあるのも事実です。少しでも不安がある方は、経験豊富な専門業者に相談してみてはいかがでしょうか。

本記事は、2021年11月30日時点の情報です。記事内容の実施は、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。

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