バイクのポジションランプとは?車検に通る色や基準、交換方法を解説
最近では、バイクのポジションランプを白熱電球からLEDに替えるのが人気です。
LEDは白熱電球と比べて高価ですが、ポジションランプのLED化を行なうメリットとして、明るく、寿命が長持ちすることなどが挙げられます。
そこで今回は、バイクのポジションランプやそのLED化、色や交換方法についてご紹介します。
バイクのポジションランプとは?
ポジションランプとは車幅灯のことを指し、別名スモールランプとも呼ばれています。
夜間など暗くて視界が悪いとき、対向車や人などに、自分が乗るバイクの車幅や位置を知らせるために備えられています。
2023年以降の新型車から装着を義務化
国土交通省は2020年に道路運送車両の保安基準を一部改正し、2023年9月以降に国の認証を受ける二輪自動車の新型車を対象に、車幅灯(ポジションランプ)および側方反射器の装着が義務化されました。
なお、総排気量50cc以下の原動機付自転車(原付バイク)については、2025年6月以降に国の認証を受ける新型車が対象になります。
ポジションランプのLED化は大丈夫?

ポジションランプの種類は法律で定められてはいないので、LEDに交換しても大丈夫ですが、LEDであればどのような物でも良いわけではなく、保安基準を満たさない場合は、車検に通りません。
ここでは、ポジションランプをLED化するメリットや注意点を解説します。
バイクのランプをLED化するメリット
ポジションランプも含め、ヘッドライトやテールランプなど、バイクのランプをLED化するメリットとして以下があります。
ほぼ同じ明るさで光る白熱電球とLED電球を比べた場合、LED電球の消費電力は、白熱電球の6分の1程度といわれています。
近年のバイクは、スマートフォン充電のためのUSBソケットやグリップヒーターなど電力消費量が増えている傾向にあるため、ランプをLEDに替えることで、バッテリーの消費量抑制が期待できます。
長寿命もLEDの特長の一つです。LED電球の寿命は約40,000時間で、白熱電球の20~40倍とされています。
バイクのランプのLED化には、交換頻度を削減できるメリットもあります。
LEDの光は、白熱電球とは光の発色や広がり方が異なります。そのためランプをLED化することで、見た目をドレスアップできます。
バイクのランプをLED化する際の注意点
バイクのランプをLED化するにあたっては、保安基準を満たしている必要があります。具体的には、色や明るさ、光の届く範囲などが対象となります。
保安基準を満たしていないランプでは、車検に通らないため注意しましょう。
また、バイクのランプ全般にいえることですが、LEDランプを購入する際には、「安いから」という理由で安易にノーブランド品を選ばないようにしましょう。
安価なノーブランド品の場合、純正バブルに比べて、バルブ内のLEDチップ(バルブの発光する部分)の配置がずれていることがあります。発光点がずれたバブルを使うと、照射角度や範囲もずれてしまい、カットラインが出ないなどの理由で車検に通らない可能性があります。
車検に通るポジションランプの条件とは?
次に、車検に通るポジションランプの条件を解説します。
なお、ポジションランプに関する保安基準の詳細については、国土交通省「道路運送車両の保安基準の細目を定める告示【2009.10.24】〈第二節〉第123条(車幅灯)」に掲載されています。
ポジションランプの色
ポジションランプの色については、基本的には白色ですが例外もあり、ウィンカー(方向指示器)、ハザードランプ(非常点滅表示灯)またはサイドマーカー(側方灯)と構造上一体となっているものに関しては橙色でも可能です。
LEDは青色が多いので、ついバイクのポジションランプにも青色を使いたくなりますが、車検には通らないと考えるのが無難です。
その他、赤色や緑色などもやはり違法と判断される可能性が高いので、定められた色を選択しましょう。
ポジションランプの明るさ
ポジションランプの明るさは保安基準により、「車幅灯は、夜間にその前方300mの距離から点灯を確認できるものであり、かつ、その照射光線は、他の交通を妨げないものであること。この場合において、その光源が5W以上で照明部の大きさが15平方センチメートル以上(平成18年1月1日以降に製作された自動車に備える車幅灯にあっては、光源が5W以上30W以下で照明部の大きさが15平方センチメートル以上)であり、かつ、その機能が正常な車幅灯は、この基準に適合するものとする。」とされています。
引用:道路運送車両の保安基準の細目を定める告示【2009.10.24】〈第二節〉第123条(車幅灯)|国土交通省
ちなみに、LEDの明るさを表す単位はlm(ルーメン)です。ルーメンは具体的に、照明器具の光の量を表しています。ワットとルーメンは単純に換算できるものではありませんが、白熱電球の60W(ワット)と同程度のルーメンは810lm以上といわれています。
LEDはその性質上、光が真っすぐ飛ぶので、見通しが悪いと判断されて車検に通らない可能性があります。LEDランプに交換する場合は、拡散レンズ装着などの対応をするとよいでしょう。
また、「道路運送車両の保安基準の細目を定める告示【2022.1.7】 第218条(その他の灯火等の制限)」によると、光度は300cd(カンデラ)以下のものでなければならないと定められています。ポジションライトもこれに該当し、300cd以上の明るさがあるライトでは車検に通りません。
位置や個数など
車幅灯の数は2個または4個であることとされ、車体の前面の両側に、左右対称に設置します。
また注意点として、灯器の損傷やレンズ面に汚損がないことも条件とされています。
ポジションランプの交換方法
ポジションランプの交換方法はシンプルです。
交換時は、差し込み口の直径と電圧が一致していることを確認してください。
また、白熱電球の場合は問題ありませんが、LEDはプラスとマイナス極性を持っており、差し込む向きを間違えると光りません。もし、プラスとマイナスの向きがわからないときは、差し込んだあとにスイッチを入れてみて、光らなければ反対にしてください。
まとめ
本記事は、2023年2月20日の情報です。記事内容の実施は、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。