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'05ニューの気になるトコロ とことんインプレッション
トレンド、それとも定番?今年の春夏、気になる400はどっち?
モタード400クラスに2台目のモデルがデビューしたこの春
その乗り味を、400クラスの重鎮、SRが持つ世界観と並べて立体化してみたい
個性は違うが、面白さバトルなら本当に見事な僅差。XRにヒットの予感だ
定番として普遍的な存在 SRの世界観を再度、検証
 ミドルクラスのボリュームゾーンである400ccクラスのなかで、つねに販売台数のトップ3に名を連ねるSR400。これ以上、間引きようのないシンプルさ。でも、そのなかに封入された存在感と、パンチとは無縁ながら加速するだけで心を満たしてくれるようなエンジンの特性。そして、タンクの塗装と、マフラーやフェンダーのクローム。ハンドルまわりに漂う質感も、このバイクの大きな魅力のひとつだ。
 今どき、キックでしかエンジンが掛けられない、と嘆くオーナーはいないはずだ。だれしもが、このバイクのエンジンを掛けることからして、ライディングの一部であると認識している。しかも、慣れればその始動性がすこぶる良いことに、さらなる親近感を持つことだろう。
 そのエンジンがくり出す走りが、また独特の世界を持っている。回転の上昇は、重たいフライホイールが生む重厚なトルクのキャラクターが際立つもの。低い回転で高めのギヤ、そして大胆なアクセル開度という3つを組み合わせると、SRは生き生きと反応するのだ。
 このバイクの回転計は、低回転から加速したとき、満足度を表すバロメーターとなるのだ。こんな低い回転からこの加速を繰り出すんだ……トップ60km/hで巡航するSRに乗っていると、こんなことを考え出す妙な自分がいる。
 半面、高速道路の巡航では、250のオフ車に引き離されることも。それでも、排ガスと騒音規制に合致する限り、このカタチで販売を続けて欲しい、というファンの気持ちは痛いほどわかる。これでいいのだ。
もっとモタードを!入魂のXR400見参
 ミドルクラスにモタードの風を送り込んで、もっと盛り上げたい。そんな密かな思いでXR400モタードは開発された。積まれるエンジンはSR400を仮想敵としたCB400SS、それと基本を同じにする。大もとは10年前にリリースされたオフロード専用モデルXR400Rにたどり着くから、中低速から高回転まで、どの域を輪切りにしても、エンジンのレスポンスが良いわけだ。
 トラッドなカタチのCBより、モタードというアグレッシブなイメージ。しかもホンダのオフロードバイクブランドであるXRの名を冠するために、このエンジンの特性や扱いやすさの磨き上げには細かい作業が施されている。クリーナーボックスから生える吸気インシュレーターノーズの吸入口付近の形状変更や、シートとボックスの隙間にあるリブを取り除くなどして空気の流れをスムーズ化。ライダーの感触通りの加速をするようにしつけられている。
 その完成度は見事だ。吸排気系だけではなく、リヤハブにダンパーを入れて、アクセルを開けたときの過度な挙動を緩和して扱いにくさが出ないような改良を施すなど、その地道なトライは見事に乗りやすさに帰結しているのだ。
 この乗りやすさこそが、XR400モタードの走りに上質な一体感をもたらす源泉だ。走り出す前は、先行デビューのDRーZ400SM比で10馬力ダウンのスペックに大きな期待をかけずにいたのだが、やはりバイクの良さは馬力の額面だけでは分からない。
 街乗りバイクとしても高いスコアを持つXR400モタード。モタードしてみたい、というライダーにも、XRらしい乗りやすさで、楽しみながらその扉を開いてくれるだろう。どちらもお勧めできる。
 SRとの比較は正直難しいが、XRのパッケージングをもってすれば、楽しさでSRの世界観とはまた別のスタイルを享受できる。まさに、どっちの料理ショー的、究極の選択であり、興味深い2台なのだ。
HONDA XR400Motard
HONDA XR400Motard HONDA XR400Motard HONDA XR400Motard HONDA XR400Motard
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SPECIFICATIONS
全長×全幅×全高:2140×810×1140(mm)
シート高:855mm
ホイールベース:1450mm
乾燥重量:131kg
エンジン:空冷4サイクルOHC4バルブ単気筒
ボア×ストローク:85.0×70.0(mm)
総排気量/圧縮比:397cc/8.8
最高出力:30ps/7000rpm
最大トルク:3.4kg-m/5500rpm
燃料タンク容量:9.7L
燃料供給:キャブレター
ミッション:常時噛合式5段リターン
ブレーキF:油圧式シングルディスク
ブレーキR:油圧式ディスク
タイヤサイズF:110/70-17
タイヤサイズR:140/70R17
ボディカラー:ロスホワイト、エクストリームレッド
メーカー希望小売価格:63万円
HONDA XR400Motard
HONDA XR400Motard
HONDA XR400Motard 基本的にXR250モタードと同じパーツを使う。メーター内の文字は400専用となる。ハンドルロックはイグニッション一体式だ。
HONDA XR400Motard RFVC4バルブエンジンからツインエキゾーストパイプが生える。パーツの色気には少々欠けるが、楽しく、速く、扱いやすい。
HONDA XR400Motard リヤのみラジアルを履く。ワイドでグリップ感があり、サイドウオールのしなやかさから乗り心地も良い。サスの特性もドンピシャ。
HONDA XR400Motard φ43のフロントフォークは初期の動きも良く、ハードなリヤとのコンビで無駄なピッチング方向の動きをきれいに抑えてくれる。
YAMAHA SR400
YAMAHA SR400 YAMAHA SR400 YAMAHA SR400
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SPECIFICATIONS
全長×全幅×全高:2085×750×1105(mm)
シート高:790mm
ホイールベース:1410mm
乾燥重量:152kg
エンジン:空冷4サイクルOHC2バルブ単気筒
ボア×ストローク:87.0×67.2(mm)
総排気量/圧縮比:399cc/8.5
最高出力:27ps/7000rpm
最大トルク:3.0kg-m/6500rpm
燃料タンク容量:12L
燃料供給:キャブレター
ミッション:常時噛合式5段リターン
ブレーキF:油圧式シングルディスク
ブレーキR:機械式ドラム
タイヤサイズF:90/100-18
タイヤサイズR:110/90-18
ボディカラー:ホワイト、ブラック、レッド
メーカー希望小売価格:48万6150円
YAMAHA SR400 YAMAHA SR400 YAMAHA SR400
●05年はすべて新色の3カラーのラインアップ。とくにレッドはフレームにシルバー塗装を施した、新しい色調だ。
YAMAHA SR400 白盤面の速度、回転計。右にオフセットされたフィラーキャップ、オールドスクール的スイッチ類など、SRここにありを体現。
YAMAHA SR400 シリンダーが直立したバーチカルシングル。元をただすとXT500用のコンバートだ。XR同様、オン/オフのルーツは近しいのだ。
YAMAHA SR400 クロームフェンダー、すらっと長いマフラー。パイプのグラブバーやシートエンドカバーなど、SRにはどれも欠かせない部分だ。
YAMAHA SR400 様々な改良をかさねて28年目に突入するSR。あの時も今も、この見慣れた顔。機能的に突出したものはないがファンの心を掴む。
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