この春、小はXR50/100モタード、大はXR400モタードのデビューもあって、ますます活気づくモタード。そこで、ハイパワーなDRーZ400SMと、定番モデル、Dトラッカーをツーリングに連れ出し、250ccと400ccの個性を楽しんでみることにした。
まずDRーZ・SMだ。その魅力をひと言でいえば、高回転までパワーとトルク感を伴って伸びる、レーシングシングルのようなパワーユニットにつきる。しかも、深夜でも出かけられるほど騒音レベルは低く、高速道路を走っても振動で手が痺れることもないスムーズさをもちながら、0〜100km/hのスタートダッシュならナナハンをも仰天させる俊足でもある。おそらくストリート用400シングルとしては、トータルパフォーマンスで世界一だ。
この魅惑のエンジンを核に倒立フォークや、大径ディスクブレーキなどの本格装備を装備。ワインディングをそれなりのペースで走っても、ノーマルの限界を垣間見ることすらない性能の高さは素晴らしい。ダンピングの効いたサスと、強力なブレーキのコンビはサーキットに持ち込んでもあごを出すことがなさそうだ。
かたや、Dトラッカーである。コンパクトに回ろうとする旋回性の鋭さは、モタードらしさの源泉だ。トップエンドパワーこそ驚くほどのものはないが、全域での扱いやすさと回す楽しさのバランスがいい。また、ハンドリングは、400SMよりもひとまわり細いタイヤを履くだけに軽快さが感じられる。ワインディングでは安定感もあり、攻めても安心して全開を楽しめる。
結論として、メリハリのある走りなら400cc、どんな場面でもパワーを引き出しながら楽しむなら250ccということがいえそうだ。 |
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倒立フォークを採用。フォーククランプはSM専用設計。搭載される水冷DOHC4バルブエンジンは、29kwと39Nmを生み出す。ショートストロークエンジンらしく、全高が短いのも特徴。デジタルメーターはDR-Zと同様。F:φ320mmR:φ240mmのディスクブレーキを採用。小径多孔タイプとして、軽量化も同時にはかる |
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03年に外装パーツの見直しがされたDトラッカー。リヤフェンダー、フロントマスクなどを今風のXムードあふれるスタイルとしたことで、カスタム済みのオフ車的ルックスを手にしている |
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