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もうすぐはじまる! 高速道路タンデム解禁&AT限定免許スタート
タンデムでツーリングに出かけてみた

休日を変える、ふたり乗りマジック。

 休日の朝、行楽地へと続く道はサンデードライバーの大河ができあがる。満々とした量をたたえ、しかもその流れはおおらかだ。だからもっと早く出ればよかったのに、と、ひとりなら毒づいてみたくなるハズだ。
 けれど、ふたりで走るとなると、事情がガラリと変わる。いくらなんでも、スッピンでいいから6時に出よう、なんていえないし。そう、ガツガツ走る、という趣旨の1日じゃないわけだから、こうしたゆったりとした流れに身を任せてみると、それはそれでまったく気にならなくなる。
 いや、むしろ、このペースのほうがふたり人乗りで出かけるにはちょうどいい。と、さっきから大きなVツインをうならせるこのバイクもそういっている。伝統と伝説。このメーカーを装飾する言葉はいくらでも見つけられる。でも、ひとりで乗ると、1450ccのエンジンンをもってしても、どこかに物足りなさを覚えるが、ふたりで乗ると、これがじつにちょうどいい。
 トルクというのは、こういうとき味方になる。なんてライダー的見地で考察するまでもなく、ふたりの人間を軽々と運んでくれる頼もしさ。
 前をにらみながら、ちょっとヘルメットを後ろに寄せて、短く会話なんてしてみたりするときのバイクの安定感。とにかくしゃかりきになって走ろう、とか、急ごう、とか、頭のなかにこれっぽっちも浮かんでこなくなる。まるで、マジックだ。
 ふたり乗りは楽しいね。そんな思い出になる1日は順調に滑り出したのである。
川のにおい。歴史の町。ひと休み
 出発してざっと1時間。一気に距離を稼いだところで、まわりの風景はガラリと変わった。なんのことはない、国道級の道から県道に曲がったからである。
 道は川と平行して、いくつかの橋で、その川を渡った。瀬の音がそのたびに耳に届く。川沿いに走る道は快適な曲率のカーブで、アクセルを少し戻し、ハーレーのリヤブレーキに足を載せる程度の減速で曲がり、そしてまた少しアクセルを開けて速度を戻すという、ふたり乗りにとって優しい道だった。
 途中、古い家並みが残っている町で、歴史の空気を吸ってみた。廃れと無縁の生き続ける古い町。田圃の間を抜けてきた道の先に忽然と現れたこの景色はどうですか? 「おなかすいた」、そうですか……。
 並列横並びに人が乗る車と違って、バイクは縦並び。同じ道、同じ時間を過ごしながらも、見ているところが全然違っていたりする。こいつ、こんなことに感動するのか!と、相手のまだ見ぬ素顔に引き合わせてくれるのもふたり乗りの恩恵だ。
 これぞまさに、人間ディスカバリーにして心のスポーツ。ふたり乗りって、深いのだ。
彼女の笑顔を引き出すには!
 ふたり乗りの奥義は、信頼される運転者となって、リラックスしてバイクを楽しんでもらうことだと思う。そして、出かける際は「欲張らない計画」が必須。乗っていくバイクの快適性、目的地への距離、時間、天候、気分。こうしたいくつかの要素をでミックスして予定を整えておきたい。野郎同士でがっつり走るなら別だけど、ガールフレンドと行くなら休憩場所やそこまでの時間も肝心。途中、道に迷うなんて困りものだから、前日に地図で予習する熱意は最低限ほしい。できれば、経路と時間の確認に、事前に1回、ツーリングしておけば、本番当日の運転に余裕は倍加するし、レストポイントとなるカフェの目星もつけておけるというもの。じゃ、おトイレ休憩はコンビニね、では、ふたり乗りデートがお寒いことになるからね。
 また、気候条件はライダー以上にリヤシートのパッセンジャーを疲労させるもの。ウエアリングについても、的確な知識と準備が不可欠。風雨にさらされるバイクって、じつはかなりタフな乗り物なのだ。レインスーツや防寒アイテムを運ぶラゲッジバッグの存在も頼もしくなる。
 こうして並べると、ふたり乗り行は、ベテランライダーへの近道だったりする。そして、怖がられない運転で、目指せ、笑顔獲得!