この規制の前、空冷エンジンは死滅する、とさえ言われていた。そんな逆風の中、テイスティな空冷エンジンモデルを抱えるヤマハは、大きなラインナップの転換期が訪れるのでは、と思われていた。
しかし、現実的には、水冷モデルよりも速く空冷ビッグ4であるXJR1300をモデルチェンジ。インジェクションの採用と、手慣れたメッキシリンダー技術の応用で、この規制を乗り越え、まだ10年はイケル、と自信を伺わせた。
また、このところ国内オフモデルに刺激が少なかったが、オフのR1を標榜するWR250Rを投入、攻めの姿勢がファンの胸を熱くさせている。早期にセローの規制対応モデルをリリースし「火を絶やさない」というアピールをした点もお見事。果敢だといえる。
スクーターの中には整理の色合いを見せるモデルもあるが、適宜にアップデイトさせている。
気になるのはSRやDSCシリーズだ。今年の9月に251cc以上の継続販売モデルが、平成19年規制へと移行する。
その門限に合わせ、環境性能を高め、今までどおりの歴史を続けてくれるのだろうか。ファンにとって、ヤマハの真価、株はその時点で価値が決まることになる。
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