2018/10/04 09:22:10 更新CB750fourK3 エンジン腰上オーバーホールホンダ CB750Four

他店購入のCB750four K3。乗れない訳では無いが今一つ不調のA様。安心してツーリングに出かける事が出来ません。キャブのオーバーホール、点火系の見直し、エンジンの調整など一通りの作業を行ってみたのですが、3、4番のプラグがカブって死んでしまいます。マフラーからの白煙も出ていますのでいよいよエンジンを分解して内部を確かめる事になりました。

早速エンジンを降ろし、腰上を分解、点検開始です。バルブ周りは予想よりはマシな状態でした。とはいえバルブガイドに多少のガタはあります。シリンダーは予想通り錆びた跡が残っている状態でした。特に3番4番の錆の跡は指で触って凹みが確認できるほどの状態です。

これが3番4番のシリンダー内壁の写真です。シリンダーの内側に錆びた跡が残っています。

これが1番2番のシリンダー内壁の写真です。3番4番の写真と見比べるとこちらは幾分綺麗です。シリンダーがこの状態ではピストンリングを交換したところで白煙は止まりません。オーバーサイズピストンを使ってボーリングになります。

バルブを外してカーボンを洗浄したところです。バルブフェイスの摩耗、バルブステムの摩耗も少ないのでバルブ研磨して再使用できるレベルです。バルブを再使用するか交換するかはお客様と相談です。
幾つかのオーバーホールプランを提案して今回のオーバーホールの内容が決まりました。 シリンダーはオーバーサイズピストンにて ボーリング。バルブガイド打ち替え、バルブは研磨で再使用、バルブシートカット&摺合せで仕上げます。これで白煙も無くなり、圧縮も回復しますので調子の良いエンジンになります。


バルブ研磨してフェイスを仕上げてもらいました。バルブガイドはK4以降のIN、EX共にステムシールが取付けできる物です。シートカット、すり合わせをして当たりもバッチリです。摺合せが終わればバルブを組立してひと段落となります。


シリンダーボーリングも完了。加工前は錆の跡があった3番4番ですがボーリング後は綺麗に錆が無くなっております。前の写真と見比べていただければ一目瞭然です。ピストンのバリ取り、ピストンリングのバリ取りは必ず行っております。ご希望があれば重量合せも致します。下準備したピストンににピストンリングを組付けなどして組立の準備を進めます。





下準備が終われば後は組立です。一つづつ確実に組立を行っていきます。オイル漏れをしやすい箇所には対策をしながら進めていきます。部品点数の多いエンジンではありますが非常に機能的にできております。バルブ、カム、ロッカーアームの動きは機械好きにはたまらないと思います。

エンジンを車体に積込して補器類を全て取り付けてエンジン始動です。もちろん白煙も無く、異音も無いエンジンに仕上がりました。再度キャブの調整、点火時期の調整など調整を行い試乗です。シリンダーボーリングを行っておりますので慣らし運転から始めていただきます。まずは4000rpmまでで500km乗っていただきオイル、オイルフィルター交換を行います。慣らしが終わるまでは我慢して乗ってください。慣らし運転は1000km程行い、その後再度点検、調整させていただきます。
費用
項目 | 数量 | 単価(円) | 金額(円) | 消費税 | 区分 |
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腰上オーバーホール工賃 | 1 | 300,000 | 300,000 | 課税 | 修理 |
エンジン脱着 | 1 | 100,000 | 100,000 | 課税 | |
0.25O/Sピストンキット | 1 | 43,000 | 43,000 | 課税 | 部品 |
シリンダーボーリング | 4 | 10,000 | 40,000 | 課税 | 加工 |
バルブガイド打替え | 8 | 1,800 | 14,400 | 課税 | 加工 |
バルブシートカット | 8 | 2,500 | 20,000 | 課税 | 加工 |
バルブフェイス研磨 | 8 | 1,600 | 12,800 | 課税 | 加工 |
INバルブガイド | 4 | 1,240 | 4,960 | 課税 | 部品 |
EXバルブガイド | 4 | 2,130 | 8,520 | 課税 | 部品 |
バルブガイドクリップ | 8 | 125 | 1,000 | 課税 | 部品 |
課税-小計(①) | 544,680円 |
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消費税(②) | 43,574円 |
税込み-小計(③) | 0円 |
消費税 | 0円 |
非課税-小計(④) | 0円 |
値引き(⑤) | 0円 |
総額(消費税込)(①+②+③+④+⑤) | 588,254円 |
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