バイクのアルミ磨きの方法を解説!おすすめのアルミ磨き剤5選も紹介
購入した頃はきれいだったバイクも、年数の経過とともに汚れ・くすみ・傷などが付いていくもの。特に、劣化しやすいアルミが使用されている部分は、定期的なメンテナンスが必要です。
バイクのアルミ部分は専用のケミカルなどを使って磨くと、きれいに仕上げられます。とはいえ、「どうやって磨いたらきれいになるのかわからない」と、悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
この記事では、バイクのアルミ磨きの方法を解説します。エンジンやフレームなどをピカピカにしたいと思っている方は、参考にしてみてください。
アルミが使われているバイクの部品
バイクには、エンジンや足回りなどさまざまな箇所でアルミが使用されています。おもにアルミが使われている部品は、以下です。
エンジンはシリンダーヘッドやシリンダーブロックなど、ほとんどの部分で使われています。かつてアルミといえば、腐食しやすく穴が開きやすい特徴があり、高級なイメージはありませんでした。
しかし、アルミ部品はアルマイト処理や塗装を施すことで、表面の被膜が厚くなり腐食に強くなります。アルミは熱を伝えやすい・軽いなどの特徴もあり、現在ではバイクの部品に最適な素材の一つでもあるのです。
バイクのアルミ磨きに必要な道具
バイクのアルミ磨きを行なう際には、いくつか道具が必要です。バイクの部品をきれいにするには、次のものを用意しておきましょう。
紙やすりは、指しか入らない場所や複雑な形状の部品を磨くときに必要です。目が細かいものや粗いものなど、いくつか準備しておくとよいでしょう。紙やすりを使うときれいに仕上げられるため、研磨剤と併用しながら使用してみてください。
ケミカルとは、バイクのメンテナンスに使うスプレーやグリスの総称です。アルミ用・メッキ用・樹脂用など種類が豊富のため、間違えないよう注意してください。
塗装剥離剤は、アルミ部品に加工されているアルマイトを剥がす際に使用します。耐水ペーパーを使って手作業で行なうと時間がかかるため、あらかじめ用意しておくとスムーズです。
なお、作業中はアルミの削りカスが舞うことがあります。吸い込み防止のために、マスクも忘れずに準備しておきましょう。
バイクのアルミ磨きを行なう方法
ここからは、バイクのアルミ磨きを行なう方法を、3つの手順に沿って紹介します。アルミ磨きを行なう際は、下準備が特に大事です。
手順1.アルミ磨きの前に下準備を行なう
アルミ磨きをする前に、以下3つの下準備をしましょう。
事前に上記を準備しておかないと、各部品をきれいに仕上げることができません。基本的にバイクのアルミ部品には酸化・サビ・腐食を抑えるために、アルマイト加工が施されています。
アルマイト皮膜は硬い特徴があり、磨く前に被膜層の削り落とし作業が必要です。被膜層の削り落としに目が粗い耐水ペーパーを使うと、部品を傷付ける恐れがあります。時間もかかってしまうため、塗装剥離剤を使用して落とすのがおすすめです。
また、アルミ部品に異物が付いたまま研磨すると、表面を傷付けることがあるため注意してください。本磨きへ入る前に、洗車するかまたは水を含んだウエスなどで拭き上げて、汚れを落としておきましょう。
その他、障害物になりそうな部品を事前に外しておくことも忘れてはいけません。部品が付いていると、隙間部分に手が入らずにうまく磨けない場所が出てきます。
中途半端に磨いた場合、磨いていない部分との境目ができて、かえって目立つ可能性もあります。磨きやすくするために、あらかじめシートカウルなどの部品は外しておきましょう。
手順2.ケミカルを使って磨いていく
アルマイト加工を落とせたら、アルミ磨き専用のケミカル・紙やすり・不織布研磨剤を使って磨きましょう。ケミカルと研磨剤を使うと、部品の表面が削れて潤滑剤が黒くなっていきます。
ウエスやペーパータオルで拭き取りながら磨き続けることで、光沢が出てきます。とはいえ、汚れやサビがひどい場合は、すぐにきれいにはなりません。
重度の汚れやサビがあるときは、紙やすりを使って表面を均等に磨いてみてください。紙やすりを使う際のポイントは、目を粗いものから徐々に細いものにしていくことです。最初は200~400ほどで試して、少しずつ800~1000番に上げていくと表面が滑らかになり、光沢に深みが出てきます。
手順3.コーティング剤を施す
ケミカルでアルミ磨きが終わったら、仕上げにコーティングを施しましょう。アルミは空気中で腐食しやすく、磨いたまま何もせずにいると、すぐにくすんでしまいます。
コーティング剤は、アルミ以外にガラスやプラスチックなど、さまざまな素材に対応しているものがあります。洗浄から保護コーティングまでしてくれるコーティング剤もあるため、活用してみてください。
なお、バイクショップのなかには、アルミ磨きを受け付けているところもあります。以下では、バイクショップによるアルミ磨きの作業実績を確認できます。
バイクのアルミ磨きを行なう際の注意点
バイクのアルミ磨きには、いくつか注意すべき点があります。注意点を知らずに自己流で磨いてしまうと、余計に傷を付けてしまったり、思ったような仕上がりにならなかったりします。以下で、それぞれの注意点を3つ見ていきましょう。
施工後の表面保護を忘れないこと
1つ目は、アルミ磨きをしたあとの表面保護を忘れないことです。
アルミは、酸化によって表面を保護しようとする性質を持っています。そのアルミの性質を一時的に取り除くことで輝きを出す作業が、アルミ磨きです。
そのため、アルミ磨きをしたあとは、時間の経過とともに酸化してサビが発生しやすくなり、放置するとアルミ内部までサビが浸透してしまいます。
エンジンやマフラーなどの部分は特にサビが発生しやすく、ひどい場合は研磨し直す必要が出てきます。手間をかけないためにも、コーティング剤でしっかりと保護しておきましょう。
磨きすぎないこと
2つ目は、アルミ部品を磨きすぎないことです。アルミを磨くと「ス穴※」が発生することがあり、磨きすぎると大量に発生してしまう恐れがあります。アルミ磨き中にス穴を発見したら、磨くのをストップしましょう。
また、アルミは強い素材ではないため、強く磨きすぎると傷が付く場合もあります。あまり力を入れず優しく磨くことが、アルミ磨きのポイントです。
※ス穴:塗膜が破れてできた穴
油分は完全に除去しないこと
3つ目は、油分を完全に除去しないことです。研磨剤で磨いた場合、ウエスで完全に油分を拭き取る方も多くいますが、あまりおすすめはしません。
なぜなら油分を完全に拭き取ると、保護効果が弱くなってしまうからです。油は完全に拭き取らず、繊維が細かく加工されている高品質なティッシュペーパーなどで軽く拭きましょう。アルミに残った油分が表面保護の役割を果たすため、試してみてください。
【バイクのアルミ部品に最適】おすすめのアルミ磨き剤5選
バイクのアルミ部品に使う磨き剤には、さまざまな種類があります。ここでは、特におすすめのアルミ磨き剤を5つ紹介します。
磨き剤によって特徴などが異なるため、お好みのものを探してみてください。
MOTHERSマグ&アルミポリッシュ
MOTHERSは、アメリカで高い人気を誇るケミカルメーカーです。長年にわたって、車やバイク磨きの必需品として愛用されています。
マグ&アルミポリッシュはペースト状となっているため、使い勝手が良いことが特徴です。使用する際は、少量のマグ&アルミポリッシュを取り、ウエスに塗ってからアルミ部品を磨きましょう。ウエスが黒くなったら、きれいなウエスまたはキッチンペーパーで拭き上げると、ツヤが出てきれいな仕上がりになります。
アルミ用サビ取り剤PG−255
PG−255は、アルミ部品にサビが発生した際に使用するケミカルです。アルミ部品に白いサビがある場合は、ウエスに適量のPG−255を取り、優しく磨いてみましょう。
エンジン周りやマフラーなどのアルミ製品全般に使用でき、磨くだけで簡単にサビが取れます。ただし、サビが重度の場合は紙やすりなどで削る必要があるため、慎重に状態を確認しながら磨いてください。
ピカール液
ピカール液とは、研磨剤が入った乳化性液状の金属磨き剤のことです。液体型のやすりとも呼ばれており、アルミ以外にステンレスや銅などの金属にも適したケミカルです。なお、ピカール液には以下のようなさまざまな種類があります。
それぞれ乾きにくい・頑固な汚れに適しているなどの特徴があるため、用途に合わせて選びましょう。
ホワイトダイヤモンド メタルポリッシュ
メタルポリッシュは、アルミやメッキなどの表面を簡単に磨き上げられるケミカルで、速乾性の高さが特徴です。洗浄剤・研磨・ツヤ出し・保護剤などの役割を持っています。
メタルポリッシュを使うことで酸化被膜による変色を取り除き、ツヤや輝きを出してくれます。さらに保護剤の活躍によって、磨いたあとも保護膜を形成し、きれいな状態を持続させることが可能です。伸びが良い特徴も持っており、少量でも力を入れずに多くの面に広げて磨けます。
ブルーマジックメタルポリッシュクリーム
メタルポリッシュクリームはアルミ表面の酸化・サビなどを除去し、シリコンコーティングします。フレームやマフラーなど、あらゆる部分を磨くことができ、銅やステンレス部品にも使用可能です。
ただし、メタルポリッシュクリームには、アンモニア成分が含まれているため、使用する際は、屋外で行なったり換気をしたりと対策しましょう。また、コンパウンドも入っていることから、傷付き防止のために少量ずつの使用をおすすめします。
バイクのアルミ磨きが不安なら業者への依頼がおすすめ
バイクのアルミ磨きの作業は、時間や手間がかかるものです。
「アルミ磨きをする時間が取れない」
「自分で磨くと傷付けてしまうのではないかと心配」
このような不安をお持ちであれば、アルミ磨きを請け負っている業者に依頼しましょう。業者なら、プロのスタッフが丁寧に部品を磨き上げてくれます。
研磨に加えて、塗装や施工後のコーティング加工も対応してくれるため、仕上がりも確実です。アルミ磨きを行なう業者は全国にさまざまあるため、近くに業者があるかどうか確認してみてください。
以下から、業者によるアルミ磨きの作業実績を確認できます。
まとめ
バイクにはエンジンパーツやフレームなど、多くの部品にアルミが使用されていますが、汚れや細かい傷が気になることもあるでしょう。
アルミ部分を磨く際は不織布研磨剤・ウエス・ケミカル・紙やすりなどを、さまざまな道具が必要です。特に紙やすりは、手が入りにくい狭い部分を磨く際に重宝します。
本作業に入る前には、部品に付着している汚れ・砂ボコリ・塗装などを落としておくと、余計な傷を付けることなくきれいに仕上がります。ケミカルを使って磨く際は、力を入れすぎたり磨きすぎたりしないことがポイント。
なお、少しでも自分でアルミ磨きを行なうことに不安がある場合は、業者への依頼がおすすめです。
本記事は、2022年1月29日時点の情報です。記事内容の実施は、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。