バイクのセルモーターの寿命はどれくらい?
「セルモーターから異音がする」
「なかなかエンジンがかからない」
こういった症状が出た場合、多くの人はセルモーターの故障を疑うのではないでしょうか。しかし、セルモーターが異音を発する原因はさまざまで、異音=故障と決めつけてしまうのは間違いです。また、セルモーターの寿命は乗り方によっても変わってくるため、交換のタイミングを見極める必要があります。
そこでこの記事では、バイクのセルモーターの寿命や異音の原因、交換方法などについて解説していきます。
セルモーターの寿命は?
エンジンを動かすセルモーターの寿命は、一般的に走行距離10万~15万kmくらいだといわれています。
しかし、頻繁にエンジンを始動したりアイドリングストップを繰り返したりしている場合は、10万kmほどで寿命となるケースも少なくありません。また、バイクのセルモーターは自動車に比べて寿命が短いため、だいたい3~5年を目安に交換するのがおすすめです。
その他、故障によって交換が必要になる場合もあります。
<セルモーター交換のタイミング>
セルモーターからの異音=寿命ではない

セルモーターから「ジジジ・・・」と異音がすることがありますが、これはセルモーターの故障ではなく、他の部分が原因になっている可能性があります。
バッテリーの電圧不足
1つ目の原因は、バッテリーの電圧不足です。
現在生産されているほとんどのバイクはセルモーターが実装されており、以下の要領でエンジンを動かします。
つまり、セルモーターを動かすにはバッテリーに十分な電気が必要です。しかし、バッテリーの電圧が低い場合はセルの回転が弱まるため、「ジジジ・・・」と弱々しい音がするだけでエンジンを始動することができないのです。
MT車の場合にはバッテリーが上がらないため、セルモーターが回転しない状態でも押し掛けやキックでエンジンをかけることができます。しかし、30分ほど走行した後もセルが回らない場合は、バッテリーの充電もしくは交換が必要です。
電装系の異常
2つ目の原因は、電装系の異常です。
金具の腐食や接触不良があった場合は、電気がスムーズに送られず、セルが十分に回転しないことがあります。また、ピニオンやリングギアが摩耗している場合などは、「ギギギ・・・」「ガリガリ・・・」など耳障りの悪い異音がするのが一般的です。
<電装系の故障例>
いずれにせよ、異音が生じた場合は速やかにセルモーターを点検し、原因となるパーツの修理や交換を検討しましょう。
セルモーターの寿命がきたときの交換方法&交換費用
ここでは、セルモーターの交換方法とその際にかかる費用についてご紹介します。
セルモーターの交換方法
セルモーターはすべて交換するのを前提としたパーツです。セルモーターの構造を熟知している場合は部分的に修理することもできますが、そうでない場合はすべて交換してしまいましょう。
セルモーターの交換費用
セルモーターの交換費用は以下です。
セルモーターの価格は幅が広いほか、どれくらい手間がかかるかによって工賃も変わってきます。工賃を抑えるために自分で交換するのも良いですが、セルモーターの交換はパーツの取り外し作業が多くなります。その他にもさまざまな工程が必要なので、少しでも不安がある場合はバイクショップに依頼するのがおすすめです。
まとめ
今回はバイクのセルモーターの寿命や異音の原因、交換方法、費用について解説してきました。バイクのセルモーターは3~5年が寿命といわれていますが、乗り方によっても違ってきます。また、セルモーターの異音は「バッテリーの電圧不足」や「電装系の異常」が原因である可能性もあるため、異常を感じた場合は速やかに点検を行い、修理や交換をすることが大切です。
セルモーターは自分で交換することもできますが、さまざまな作業が必要となるため、少しでも不安がある場合はバイクショップに依頼するようにしましょう。
本記事は、2020年5月28日の情報です。記事内容の実施は、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。